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施政方針

更新日:2017年2月24日

平成29年度施政方針

 平成29年第2回市議会定例会の初日(平成29年2月23日)に行われた平成29年度施政方針演説の内容です。

 

 本日、平成29年第2回市議会定例会が開会され、平成29年度当初予算案をはじめ重要案件をご審議いただくにあたり、新年度における施政の方針を申しあげます。

 

はじめに

 昨今の全国的な経済情勢は、内閣府の月例経済報告及び日本銀行の経済・物価情勢の展望等におきましても、「緩やかな回復基調が続いている」とされております。近年は、きわめて緩和的な金融環境の中で、各種経済指標が改善し、雇用者の数も全体としては増加傾向にある一方で、正規雇用者数の減少や実質賃金指数の低下などが指摘されておりましたが、昨年度からは、それらの指標においても増加に転じる傾向が見られます。今後は、更なる雇用・所得環境の改善、それに伴う個人消費の拡大が期待されるところです。

 しかしながら、国の財政状況は、依然として大変厳しい状況にあると認識しております。本市は、歳入に占める地方税収の割合が比較的高いとはいえ、地方交付税や国庫支出金等に依存する割合は少なくないため、先行きの不透明さは拭い去れません。

 また、平成26年度に策定された国の人口にかかる長期ビジョンでは、出生率の向上につながる対策が講じられない場合、2060年の総人口が8,700万人程度にまで減少すると見通されている中、様々な施策に取り組むことで、人口減少に歯止めをかけ、総人口1億人程度を確保するとされております。本市におきましても、いよいよ人口減少の傾向がはっきりと見えてまいりました。平成25年度には、市制始まって以来、自然動態は増加から減少に転じ、平成26年度及び27年度には、年100人前後の減少となっております。加えて、全国的に都市部への人口が集中する傾向にある中で、本市の社会動態も、数百人規模での減少となっております。

 しかし、その現実をただ悲観的に受けとめる必要はありません。人口の多寡が直接的に物質的な豊かさや心の豊かさを決めるわけではないからです。人口減少によってもたらされる様々な影響をいかに緩和しつつ、その減少傾向に合わせた各種制度・サービスの適正化を進められるかどうかが肝要です。人口減少という、我が国がかつて経験したことがない社会環境の中で、市政運営に携わらせていただく一人として、しっかりとその責任を果たしてまいりたいと考えております。

 一方で、明るい材料も出てまいりました。平成27年10月の国勢調査結果によりますと、本市の合計特殊出生率は1.56に上昇しておりました。全国平均や兵庫県平均よりも高い水準にあるとはいえ、人口減少の影響を緩和するためにも、更なる上昇をめざしていかなければなりません。

 また、人口構造の高齢化は着実に進んでまいります。本年2月の報道では、本市における自宅や老人ホームなど生活の場で亡くなる人の割合が、人口20万人以上の市の中で全国2位であるとされています。医療や福祉分野における施設整備を進める一方で、自宅などの住み慣れた地域で安心して最期まで過ごすことができるような地域包括ケアシステムの構築へ向け、更なる努力をしてまいります。

 昨年12月に実施した市民意識調査では、各施策分野において満足度が大きく上昇しております。引き続き、市民の皆さまが、より大きな幸福感を実感していただけるよう、市民満足度の更なる向上をめざしてまいります。

 平成29年の年頭、今年に込める思いとして、「活」という一文字を取りあげさせていただきました。感謝の気持ちを持ちながら、互いに活(い)かし合い、地域の潜在力を活かしつつ、何事にも活動的に取り組んでまいりたいと考えております。

 それでは、後期総合基本計画に掲げる5つの基本目標及びまちづくりの進め方に従い、順次、重点的な施策についての方針を述べさせていただきます。

 

1.【安心して暮らせるまちをめざして】

 まずは、「安心して暮らせるまちをめざして」についてです。

 超高齢社会が進行する中、高齢者福祉の充実につきましては、団塊の世代が75歳を迎える2025年を見据え、地域包括ケアシステムの早急な構築を進めてまいります。特に、地域の様々な実情に応じた生活支援体制の整備に向け、新たに「生活支援コーディネーター」を配置してまいります。また、介護・医療・福祉の専門職及び地域の関係者などと連携し、地域課題等の解決に向けた地域ケア推進会議を開催するなど、各種介護予防事業や健康増進事業を充実させるとともに、在宅医療と介護が切れ目なく提供される体制の構築に取り組んでまいります。

 障がい者福祉の充実につきましては、昨年4月に「障害者差別解消法」が施行され、本市におきましても、市が主催する参加者300人以上の講演会等には、手話通訳者や要約筆記者を配置するなど、障がいのある人もない人も互いに尊重し合い、地域で安心してともに暮らすことができるまちづくりを進めているところです。加えて、本年4月から「加古川市手話言語及び障害者コミュニケーション促進条例」を施行することに伴い、新年度におきましては、音声を聴きとりにくい方が、窓口においてストレスを感じることなく、円滑にコミュニケーションをとることができるよう、「コミューン」と呼ばれる対話支援機器の設置や、手話通訳者の確保・養成などを通じ、障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段についての環境整備を図ってまいります。また、民間事業者等による障がい者に対する合理的配慮の提供を支援するため、施設や設備などの改善に要する費用を補助する制度を創設いたします。

 更に、本年9月にリニューアルオープンを予定しております「総合福祉会館」では、障がいのある人が使用しやすい環境の整備を図るとともに、障がいのある人や家族などがいつでも身近に相談できる機能の充実を図るため、新たに「基幹相談支援センター」を設置いたします。

 出産と子育ての支援につきましては、乳幼児の健康の保持増進を図るため、おたふくかぜと、新たにロタウイルスの両方を予防接種の対象として助成回数及び金額を拡充するとともに、これまで1歳から4歳未満までとしていた助成対象年齢を0歳からに拡大してまいります。また、妊娠期から子育て期にわたるまでの子育てに関する相談体制の充実を図るため、東加古川市民総合サービスプラザ内に、市内2か所目となる「子育て世代包括支援センター」を設置するとともに、加古川駅南の商業施設内に子育てプラザをリニューアルオープンし、機能強化を図ってまいります。更に、子育てに役立つ情報等を発信する「子育て支援アプリ」を導入してまいります。加えて、子育て家庭の経済的負担を軽減し、子育て環境の向上を図るため、公立・私立の幼稚園及び認可保育所等に就園する子どもに要する保育料について、県補助金を活用しながら、第2子以降への保育料の軽減を図ってまいります。そして、児童クラブにつきましては、新たに16クラブを開設し、直営による61クラブ、及び民間事業者への補助による3クラブの合計64クラブでの体制強化を図ってまいります。

 全国的に待機児童の解消が急務となっております。本市におきましても、引き続き、保育施設の新設や既存施設の増改築などにより定員増を図り、待機児童の早期解消をめざしてまいります。そして、就学前の教育・保育の一体的な提供としましては、市立幼稚園と市立保育所の認定こども園化に向けた取組を進めており、本年4月に「しかたこども園」を市内初の公立認定こども園とすることに加え、平成30年4月の開設に向けた「(仮称)川西こども園」の園舎建築工事を行うとともに、平成31年度の「(仮称)東神吉こども園」の開設に向けた準備を進めてまいります。

 社会保障制度の運営につきましては、医療費の適切な抑制等、国民健康保険制度の安定的な運営に向け、特定健診の未受診者への勧奨通知の送付や特定健診の受診率の低い地域における巡回健診等、様々な取組を行ってまいりました。新年度におきましては、糖尿病改善教室を開催し、生活習慣の改善を促すため、保健指導等を行うことに加え、「データヘルス計画」を策定することにより、これまで以上に加入者のニーズや特徴を踏まえた効果的な保健事業を実施してまいります。また、子どもの貧困が全国的に深刻化していることから、貧困の連鎖の防止に取り組むことが求められております。その一つとして、新たに学習支援員を配置し、生活保護世帯を含む生活困窮世帯の子ども及び保護者に対して、学習するための家庭環境等の改善を支援してまいります。

 健康づくりの推進につきましては、市民一人一人の主体的な健康づくりや、体系的な食育の推進をめざし、「ウェルネスプランかこがわ」を改定してまいります。

 昨年7月には、加古川中央市民病院が開院いたしました。市民の皆さまの健康を支え、東播磨医療圏域における急性期及び高度急性期医療を担う、地域の中核病院として、引き続き、診療体制の充実と安全で質の高い医療が提供されるよう取り組んでまいります。

 旧加古川西市民病院の跡地では、東播磨医療圏域において不足している回復期機能を提供する病院や、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)等を整備・運営する民間事業者との譲渡契約が成立いたしました。今後は、加古川中央市民病院をはじめとした地域医療機関や福祉事業者等とともに、本市西部地域における医療と介護の連携を推進してまいります。また、旧加古川東市民病院の跡地活用につきましては、東消防署及び東加古川公民館を移転するとともに、子育て支援機能を加え、跡地全体における施設間の一体的・効果的な連携が図られるよう具体的に検討してまいります。

 消費者保護対策につきましては、近年、消費生活センターにおいて、詐欺被害や悪質事業者とのトラブルに巻き込まれた等の相談が多く寄せられております。そのため、地域や関係機関等との連携を密にするとともに、消費者の安全と安心を確保するため、引き続き、消費者保護行政に取り組んでまいります。

 災害・非常事態に対応する体制につきましては、近年、全国各地で人命が失われる大規模な自然災害が発生し、「いつ避難するか」という判断が生死を分けた事例も報告されており、災害情報を迅速かつ正確に市民の皆さまへ伝達する必要があります。そのため、災害時の情報伝達について、本年5月以降に総務省消防庁が加古川市で実施する実証事業との整合を図りながら、V-Lowマルチメディア放送を活用し、自動音声配信・応答システムを組み合わせた新たなシステムの整備を進めてまいります。また、災害発生時において、地域の医療救護活動の実施を確保するため、加古川中央市民病院を災害対応病院に指定し、必要な医薬品や衛生資材の整備にかかる支援を進めてまいります。

 防犯対策につきましては、本議会に上程しております「加古川市犯罪被害者等支援条例」により、被害に遭われた方や家族などに寄り添った支援体制の整備を図ってまいります。また、誰もが安心して暮らすことのできる「安全・安心のまちづくり」を進めるため、昨年から市内12か所の会場でオープンミーティングを実施するなど、市民の皆さまのご意見を伺いながら、見守りカメラの設置と見守りサービスの導入に向けて取り組んでまいりました。新年度におきましては、加古川警察署や町内会、PTA等と連携を図りながら、今後2年間をかけまして合計1,500台程度の見守りカメラを順次設置するとともに、民間事業者との協働による、子どもや高齢者等への見守りサービスも開始し、市民の皆さまがその効果を体感できるよう、全力で取組を進めてまいります。

 

2.【心豊かに暮らせるまちをめざして】

 次に、「心豊かに暮らせるまちをめざして」についてです。

 夢や希望を持ち、未来に向かって主体的に歩むことができるような子どもを育むためには、学校教育の充実に加え、家庭、地域、学校などの連携・協力が不可欠となってまいります。

 学校教育の充実につきましては、グローバル化に対応した教育環境づくりを進めるため、引き続き、外国語指導助手(ALT)による外国語教育の充実を図るとともに、コミュニケーション能力や感性・情緒の基盤を育成するため、全ての小学校と養護学校に「『ことばの力』配達人」を派遣するなど、「ことばの力」の育成に継続して取り組んでまいります。

 また、少子化の影響により、市内北部の地域では、一学年の児童数が10名を下回る学校もあることから、教育委員会とともに、より良い教育環境を提供できるよう、保護者や地域の皆さまのご意見をお伺いする場を設けることを検討しております。更に、生徒数の減少に伴い、一部の中学校において家庭科教員が配置されていないという状況が発生していることから、等しく子どもたちが指導を受けることができるよう、教員を追加配置いたします。

 昨年9月には、市内中学校の生徒が命を絶つという、大変痛ましい事案が発生いたしました。現在、第三者委員会による調査が行われているところですが、私自身、子を持つ親として、二度とこのようなことが起きないよう、市一丸となって再発防止に取り組んでまいります。そのためにも、全ての教職員への研修の充実はもちろんのこと、新たに市が独自で「学校支援カウンセラー」を配置するとともに、学校現場での適切な対応能力を向上させるための支援チームを設置したうえで、学校環境適応感尺度(アセス)や、いじめ相談シートの分析・活用を進め、積極的に子どもや保護者へ接触する中で、悩みごとの早期発見・早期対応による未然防止に努めてまいります。加えて、今年度から配置を進めておりますスクールソーシャルワーカーについても、順次、配置校を拡大し、家庭が抱える不安や悩みなどの課題解決に取り組んでまいります。

 特別支援教育の充実につきましては、「障害者差別解消法」やインクルーシブ教育の理念に基づき、教育現場におきましても、子どもたち一人一人に寄り添った教育を推進していくため、スクールアシスタントや補助指導員を更に増員し、きめ細やかな指導を行ってまいります。また、加古川養護学校においては、日常の医療的ケアに関する研修を実施し、子どもや保護者にとって、より安心できる体制づくりを行ってまいります。

 学校園の施設整備につきましては、安全で快適な学習環境を整備するため、校舎の外壁やトイレの改修工事等を進めていくとともに、中学校給食の実施につきましては、日岡山公園隣接地と神野台用地における給食センターの建設に向けた着実な取組を進めてまいります。

 更に、情報セキュリティーの強化と校務の効率化を図るため、学校間のネットワークを再構築し、校務支援ソフトの導入に向けた準備を始めてまいります。

 また、地域の皆さまの協力を得て様々な文化・スポーツの体験ができる、放課後子ども教室(チャレンジクラブ)については、新たに6校を加え、市内15小学校で実施してまいります。

 スポーツの振興につきましては、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」の事前合宿等を誘致できるよう、市を挙げて取り組むこととしております。新年度におきましては、年齢や障害の有無にかかわらず、市民の誰もが、生涯にわたりスポーツやレクリエーションを楽しむことができる環境の充実を図るため、障がい者スポーツの普及振興などの視点を新たに盛り込んだ「スポーツ推進基本計画」を策定いたします。また、本市において開催される予定の「日本スポーツマスターズ2017兵庫大会」の男子・女子バレーボールと男子軟式野球や、5年目を迎える市民スポーツカーニバルの開催を支援してまいります。

 また、文化の振興につきましては、「棋士のまち加古川」としての認知度を高め、全国にPRするため、企業版ふるさと納税制度の活用を図りながら、加古川駅南の商業施設内に「かこがわ将棋プラザ」を整備するとともに、日本将棋連盟や大学等と連携し、将棋を生かした新たな事業を展開してまいります。更に、本市の歴史や、風土に培われた文化を貴重な地域資源として捉え、その保存と活用を図るため、「歴史文化基本構想」を策定してまいります。

 人権文化の確立につきましては、様々な人権課題の解消に向け、本市の人権施策の基本方針となる「人権教育及び人権啓発に関する基本計画」を策定してまいります。

 男女共同参画社会の実現に向けた取組につきましては、性別にかかわりなく、仕事や家庭生活など、様々な活動において、その個性と能力を十分に発揮することができるよう、就業や自立に向けた多様な働き方を支援してまいります。また、女性の活躍を推進し、仕事と子育ての両立を図るため、託児機能付きのワーキングスペースを備えた「子育てオフィス」の開設・運営に対する支援に取り組んでまいります。

 

3.【うるおいのある環境の中で暮らせるまちをめざして】

 次に、「うるおいのある環境の中で暮らせるまちをめざして」についてです。

 本市では、循環型社会の実現に向けて、市民・事業者・行政が一体となり、ごみの発生抑制、再利用、再資源化による減量化を推進しているところですが、とりわけ、昨年4月からは事業系ごみの焼却量の削減に向けた取組として、剪(せん)定枝の資源化を進めてまいりました。新年度におきましては、従来、ステーション方式により無料で収集していた粗大ごみの回収について、10月からは、戸別に有料で収集する方式に変更いたします。更に、平成30年1月からは紙ごみ排出の利便性向上をめざし、紙の分別収集を従来の月1回から2回に増やすなど、分別・収集体制の充実に努めてまいります。

 また、ごみ減量化に向けた啓発につきましては、市民の皆さまや事業者との協働による取組を進めるため、新年度は、市内のスーパーなどの小売店において、食品ロス削減についての啓発を実施してまいります。更に、オフィス活動で多くの古紙が発生する事業者などに対しては雑がみ保管箱を配布し、あわせて機密書類の拠点回収を実施することで、更なる分別の徹底と再資源化を推進してまいります。また、今後の啓発活動にもつなげていくため、ごみ減量施策の効果検証を行い、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の実現をめざしてまいります。

 「一般廃棄物処理基本計画」の中間年度である本年においては、社会情勢の変化に対応するため、計画の検証・評価を行うとともに、平成34年度からのごみ処理広域化に向けて「加古川市民27万人の力で20%ごみ減量を!」をスローガンに、可燃ごみの20%削減に向けた取組を推進してまいります。加えて、高砂市において建設予定の広域ごみ処理施設の整備に伴い、本年2月からは、高砂市において発生する可燃ごみ及び不燃・粗大ごみの本市への受け入れを行っているところであり、新クリーンセンター及びリサイクルセンターにおいて適切に処理を進めてまいります。

 生活排水処理対策につきましては、公衆衛生の向上を図り、市民の皆さまの生活環境を一日も早く改善するため、合併処理浄化槽の設置と維持管理に対する補助制度を積極的に啓発し、引き続き、下水道整備計画区域外における合併処理浄化槽の設置を促進することで、生活排水の適正な処理を進めてまいります。

 

4.【にぎわいの中で暮らせるまちをめざして】

 次に、「にぎわいの中で暮らせるまちをめざして」についてです。

 人口の社会減を改善しつつ、交流人口の増加を図るためには、地域産業の活性化が不可欠です。新年度から、本市の更なる産業振興を積極的に推進するため、地域振興部を産業経済部と改めることとしております。

 まず、農業の振興につきましては、農業用水の安定供給と機能保全に加え、大雨時の浸水被害の軽減を図るため、ため池の雨水貯留機能を向上させるなどの整備を引き続き進めるとともに、地域農業の持続的発展をめざし、農地の基盤整備を推進してまいります。また、高齢化や人口減少等による農業の担い手不足と、それに伴う耕作放棄地の解消につきましては、耕作放棄地等利活用モデル事業を通じて新規就農等の農業後継者並びに綿花生産とそれに携わる「綿人(わたびと)」の育成を図ることで、地域農業の更なる活性化をめざしてまいります。更に、加古川和牛の振興のためにも、地域の畜産業にかかる課題や、その解決策を協議する「クラスター協議会」を通じて、畜産農家による施設整備等を支援してまいります。新年度も、ふるさと納税返礼品の拡充などを通じて、ブランド価値の向上や市内外へのPRを積極的に行ってまいります。

 工業の振興につきましては、企業立地を促進し、雇用創出につなげていくため、今年度に引き続き「企業立地促進奨励金」を交付するほか、工業団地に隣接する用地を産業系の土地利用に転換することをめざした、まちづくり協議会の活動を積極的に支援してまいります。

 そして、インターンシップを行う企業と学生とのマッチングを行うとともに、大阪などの都市部において合同就職説明会を開催し、市内企業への就職を後押ししてまいります。

 地場産業の振興につきましては、江戸時代以降、当地域を代表する資源の1つであった綿花を、昨年1月に、ふるさと名物として応援宣言することで、本市の地方創生の一翼を担う地域資源として位置づけているところであり、引き続き、綿花栽培及び綿花を活用した取組を全国に発信していくため、「2017全国コットンサミット」を本市において開催いたします。

 商業・サービス業の振興につきましては、地域事業者の多様な事業展開を支援するため、従来からの中小企業融資制度に加え、クラウドファンディングの活用を促進するなど、多様な資金調達の機会を提供してまいります。また、まちのにぎわいを生み出すため、空き店舗を活用した新規出店者への支援を継続して実施してまいります。更に、公設地方卸売市場につきましては、外部の専門家等の意見を踏まえながら、整備方針の策定に取り組んでまいります。

 観光の振興につきましては、「観光まちづくり戦略」に基づき、観光PR動画を制作するなど、地域資源の再発見とふるさと意識の醸成を図りながら、本市の魅力を効果的に発信してまいります。更に、ご当地グルメとしては、「かつめし」が定着しているところですが、このたび、市内飲食店など、皆さま方のご協力により、「加古川ギュッとメシ」が開発されました。今後、新たなご当地グルメとして提供いただく店舗を拡大し、市内外へのPRを行うとともに、食の観光化を促進するためのイベントを開催し、本市への観光誘客を図ってまいります。

 

5.【快適に暮らせるまちをめざして】

 次に、「快適に暮らせるまちをめざして」についてです。

 人口減少・超高齢社会が進行する中、将来の人口及び産業の見通し等を踏まえ、本年4月には「都市計画マスタープラン」を改定いたします。これに基づき、地域特性に応じた土地利用の実現が図られるよう、用途地域の見直しや地区計画の策定など都市計画制度を活用するとともに、都市機能を適切に誘導し、まとまりと効率性に富んだ持続可能なまちづくりを進めてまいります。

 加古川駅周辺地区、及び東加古川駅周辺地区につきましては、本市の都心・副都心として、東播磨地域の中核都市にふさわしい持続可能なまちづくりができるよう、将来を見据えた必要な都市機能等について、幅広い観点から調査研究を行ってまいります。とりわけ、加古川駅南地区では、防災街区整備事業により、防災道路が確保され、高層マンションが立地するなど、商業施設を含んだ高度利用が図られているところであり、引き続き、周辺地域の地権者のご理解を得ながら、都心にふさわしい機能の確保をめざしてまいります。

 また、新たな「地域公共交通プラン」に基づき、地域にふさわしい交通機能の導入を図るほか、鉄道駅など交通結節点が抱える課題の解決に取り組むなど、地域のまちづくりと一体となった公共交通の充実をめざすとともに、公共交通の基本となる条例の制定について検討を進めてまいります。

 交通安全施設等の整備につきましては、従来から整備を進めている通学路のカラー舗装等に加え、緊急時の通報などにも有効活用できるよう、新たに市道の主要な交差点に、交差点名を示した標識を設置してまいります。更に、市道交差点等の改良工事や、宮の下踏切をはじめとした緊急対策踏切改良事業を推進し、自動車や自転車、歩行者の安全確保に取り組んでまいります。

 また、幹線道路の整備につきましては、とりわけ、平野神野線及び中津水足線と神吉中津線の早期完了に向けた取組を計画的に進めているところであり、新年度におきましては、平野神野線に引き続き、中津水足線の道路改良工事に取り組むほか、神吉中津線につきましては、橋梁の詳細設計を実施するなど、都市計画道路事業を着実に推進してまいります。

 更に、幹線道路によるネットワークの構築を図るため、本市中心部の東西交通の要である国道2号につきましては、加古川橋の架け替えを含め、県と連携しながら4車線対面通行化に向けた取組を推進してまいります。また、東播磨道につきましては、県において、八幡稲美ランプから国道175号までの北工区の事業着手に取り組まれているところであり、本市としても県との十分な連携を図ってまいります。一方、播磨臨海地域道路につきましては、昨年5月に整備の「優先区間」が決定されたところであり、計画段階評価の早期完了を国に要望するなど、国・県と連携しながら早期事業化に向けた取組を進めてまいります。

 公園の整備につきましては、現在策定中の「日岡山公園周辺地区まちづくり構想」に基づき、子育て環境の魅力アップにつながる公園として、実施設計に向けた取組を進めてまいります。また、権現総合公園につきましては、ハイウェイオアシス機能とあわせ、自然に親しむことのできる公園として、マーケットサウンディングを踏まえた民間活力導入の可能性を見極めてまいります。

 近年、防災や防犯、景観等の問題から、放置空き家等につきましては社会問題化しており、本市におきましても、良好な住環境の保全を図るため、「空家等対策計画」の策定に取り組んでまいります。

 災害に強い都市基盤の整備につきましては、近年、集中豪雨等により大量の雨水が河川に流れ込み、新たな浸水区域が生じていることから、引き続き、排水路の改修など、総合的な治水対策を推進してまいります。新年度におきましては、とりわけ、法華山谷川流域における間(あい)の川の河床整正により流下能力を高めるなど、減災対策を効果的・効率的に進めてまいります。

 水道事業及び下水道事業につきましては、将来にわたり、市民の皆さまに安全で安定したサービスを提供するため、より効率的な経営をめざし、中・長期的な事業推進の指針となる、新たな「水道ビジョン」及び「下水道ビジョン」の策定に着手いたします。また、施設及び管路につきましては、危機に強い上下水道の構築をめざし、更新・耐震化の取組を積極的に進めてまいります。

 

6.【まちづくりの進め方】

 最後に、まちづくりの進め方についてです。

 私は市長就任以来、「オープン」という言葉を市政運営の基本スタンスとしてまいりました。行政評価や公開事業評価などの取組を引き続き進めるとともに、行政の透明性を更に高め、市民参画の機会や官民連携等を一層推進してまいります。

 また、市が保有する情報を民間事業者や市民が自由に閲覧し、分析やサービスに活用できるよう、行政情報のオープンデータ化に取り組んでまいります。また、最も身近な広報手段である「広報かこがわ」を本年5月号からリニューアルいたします。紙面をカラー化し、写真やグラフなどをふんだんに取り入れ、誰もが見やすく親しんでいただける広報紙として、必要な情報を的確に市民の皆さまに提供してまいります。

 本年4月からは協働推進部を新たに設置し、市民や事業者、市民活動団体の皆さまと、行政とが一体となり、様々な地域課題の解決や、地域の活性化に向けた施策を積極的に展開してまいります。その第一歩として、社会活動や地域活動への自主的・自発的な参加を促進できるよう、昨年12月から、本市が指定する活動に参加された場合にポイントを付与する「かこがわウェルピーポイント制度」を教育支援活動や子どもの見守り活動等を対象に試行実施しているところです。新年度におきましては、特定健診やがん検診、市が実施する健康講座への参加など、市民の健康づくりを対象に取り組むとともに、試行実施の結果を評価・分析し、制度内容の改善や対象活動の拡大等についても検討を進めてまいります。

 更に、従来から実施している「市民活動バックアップ補助金制度」を拡充し、市民活動団体が持つアイデアを、まちづくりに有効活用できるよう、「協働のまちづくり推進事業補助金制度」を創設いたします。

 次に、シティプロモーションの推進につきましては、市民の皆さまとともに本市の魅力を市内外に発信することで、地域への愛着と誇りを醸成し、更には本市の知名度の向上にもつながる市民参画型の事業に取り組んでまいります。

 大学や高校等との連携も重要です。地域の発展と人材育成のため、昨年は、市内の高校生がデザインした、本市オリジナルの婚姻届を作成するとともに、本年1月には、大学及びメディアと連携し、中小企業の経営課題の解決策を提案するプロジェクトを開催するなど、新たな取組を行ってまいりました。引き続き、連携団体及び連携事業の拡充に向けた検討を進めてまいります。

 一方、超高齢・人口減少社会の中においても、必要とされる行政サービスを持続的に提供していくことができるよう、「行政改革実行プラン」に掲げる取組を着実に実行することで、行政コストの削減や歳入の確保に取り組むとともに、行政サービスの更なる質的向上に取り組んでまいります。また、高度経済成長期に整備した多くの公共施設等については、将来の建替えや更新等に対応するため、このたび、「公共施設等総合管理計画」を策定いたしました。今後は、この計画に基づき、個々の施設の現状や、地域ごとの実情を十分に踏まえたうえで、公共施設の最適な配置と財政負担の軽減をめざし、「統廃合・複合化及び長寿命化」等について具体的に検討してまいります。

 広域的な都市間連携にも引き続き取り組んでまいります。東播臨海広域行政協議会を構成する高砂市、稲美町、播磨町との一層の連携に加え、播磨圏域連携中枢都市圏を構成する8市8町間での情報共有のもと、新規施策や事業の立案を行うなど、広域的な視点に立った地方創生の取組を進めてまいります。

 

おわりに

 以上、平成29年度の市政運営の方針と基本的な考え方を申し述べさせていただきました。厳しい社会経済情勢ではございますが、各課題の解決に向け、真摯に、そして果敢に行動し、誰もが住みやすいと感じてもらえるまちづくりに全力で取り組んでまいります。議員並びに市民の皆さまの一層のご理解、ご協力をお願い申しあげ、平成29年度の施政方針といたします。

 

※注)当日の演説と表現その他に若干の違いがあることをご了承ください。

過去の施政方針

平成28年度施政方針

平成27年度施政方針

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