平成28年度施政方針

更新日:2019年12月23日

平成28年度施政方針

平成28年第1回市議会定例会の初日(平成28年2月26日)に行われた平成28年度施政方針演説の内容です。

 

 本日、平成28年第1回市議会定例会が開会され、平成28年度当初予算案をはじめ重要案件をご審議いただくにあたりまして、新年度における施政の方針を申しあげます。

 

はじめに

 一昨年7月の市長就任以来、私の任期も半ばを迎えようとしております。

 この間、日本経済は、日銀による大胆な資産買い入れ等により、各種経済指標は「回復傾向にある」とされてまいりました。しかしながら、年が明けてからは、再び株価が大きく下落する局面も見られるなど、今後の景気の動向は、予断を許さない状況にあります。

 また、高齢化率がますます高まる中で、出生率は依然として低い水準にあります。本市におきましても、近年、横ばい傾向であった人口が、平成25年度以降、市制初の、死亡者数が出生者数を上回る「自然減」となるなど、人口減少の兆しが顕著になってきております。

 このような中、今、国全体においては、それぞれの地域の創意工夫による地方創生の実現に大きな期待が寄せられています。より一層、個人消費や設備投資を 促し、経済を持続的な成長軌道にのせていくための方策や、出生率の向上、健康寿命の延伸など、地域の実情に応じた積極的な取組が求められています。

 本市におきましても、厳しい財政状況ではありますが、中長期的な視点を持ちながら、持続可能な財政運営を実現するとともに、周辺自治体ともお互いに刺激 し合いながら相乗効果を発揮し、市民の皆さまに、より大きな幸福感を実感していただけるよう、各施策に取り組んでまいります。

 私は、市政運営の基本姿勢として、「オープン」という言葉を大切にしてまいりました。信頼関係に基づいた、市民の皆さまのご協力なくしてはこの厳しい時 代を乗り越えることはできないと考えるからです。市政情報の透明化、一方的な情報発信に留まることなく、市民の皆さまや様々な企業、団体の方々との双方向 のやり取りを基本とした、参画と連携によるまちづくりをめざしてまいります。

 新年度におきましては、新たに策定いたしました「後期総合基本計画」や「加古川市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を着実に実行するための積極的な予算 編成を行ったところです。とりわけ、地方創生にかかる国の様々な支援策を有効に活用し、迅速な意思決定のもと、本市が抱える諸課題の解決に向けて積極的に 取り組んでまいります。

 以下に、後期総合基本計画に掲げる5つの基本目標及びまちづくりの進め方に従い、特に重点的に取り組んでいく施策につきまして、順次、方針を述べさせていただきます。

 

1.【安心して暮らせるまちをめざして】

 まずは、「安心して暮らせるまちをめざして」についてです。

 今後ますます進行する超高齢社会においては、地域包括ケアシステムを構築することが、最も重要な課題の一つであり、体制の整備に向けた取組を計画的に進 めてまいります。また、地域福祉の中核施設である総合福祉会館につきましては、2か年かけて大規模改修工事を行い、福祉サービスの総合的な支援・提供・相 談体制の構築を進めてまいります。

 本年4月には、「障害者差別解消法」が施行されることになりました。本市におきましても、手話言語及び障がい者のコミュニケーションを促進することを目的とした条例を制定するなど、障害を理由とした差別の解消に向けて、必要な施策に取り組んでまいります。

 出産と子育ての支援につきましては、妊娠期から子育て期にわたる母子保健や育児に関する切れ目のない相談支援を行う「子育て世代包括支援センター」を設 置するとともに、不妊・不育症治療に要する費用の一部を助成する制度を新たに創設いたします。さらに、待機児童の解消に向けて、計画的な整備を進めるとと もに、教育・保育の一体的な提供と、さらなる機能の充実を図るため、市立幼稚園と市立保育園の認定こども園化を推進することとし、新年度はまず、(仮称) 川西こども園の設置に向けた取組を進めてまいります。また、児童クラブにつきましては、小学校6年生までの受け入れや、一人当たり床面積の拡充に向けた取 組を進めるとともに、新たに8クラブを開設し、計45クラブで運営を行ってまいります。加えて、民間による児童クラブの開設・運営を支援するなど、今後も 学校や地域などとの連携を図りながら、仕事と子育ての両立を図ることができる環境の整備に努めてまいります。

 本年7月には、(仮称)加古川中央市民病院が開院いたします。東播磨医療圏域における急性期及び高度急性期医療を担う病院として、地域の診療所や病院な どと連携した質の高い医療の提供が期待されています。本市といたしましても、中央市民病院を地域の核として、市民の皆さまの安全・安心を守る地域完結型の 医療体制の構築に取り組んでまいります。また、中央市民病院内には救急ワークステーションが設置され、ドクターカーが運用されることとなっており、本市か らは救急救命士を派遣し、医師や看護師などと連携を密にすることにより、救急救命体制の強化を図ってまいります。加えて、中央市民病院では医療的なケアが 必要な重症心身障がい児を一時的にお預かりする事業が予定されています。こうした事業により、在宅でケアされている介護者の方々の負担の軽減に努めてまい ります。

 中央市民病院開院後における西市民病院の跡地活用につきましては、現在、県において見直しが進められている基準病床数を踏まえた事業者公募を行うととも に、夜間急病センターの移転と併せ、休日昼間の救急医療の定点化に向けた取組を進めてまいります。東市民病院跡地につきましては、民間事業者を対象とした サウンディング型市場調査を実施し、公共施設の移転と併せた実効性のある跡地活用を検討してまいります。

 一方で、医療分野におきましては、追加のご負担をお願いしなければならないこともあります。国民健康保険事業特別会計の今後の見通しに基づきまして、保 険料率や賦課限度額の見直しを行わざるを得ないと判断しております。対象となられる皆さまのご理解とご協力をよろしくお願い申しあげます。

 災害への備えにつきましては、昨今、全国各地で人命が失われる大規模な自然災害が発生しております。本市の地理的特性や想定される災害等を総合的に勘案 し、V-Lowマルチメディア放送等を活用した効果的・効率的な情報伝達手段の早期構築に向けた取組を進めてまいります。また、地域防災力の向上のために は町内会や自治会活動の活性化が不可欠です。そのため、「防災士」の資格取得を支援する制度を創設し、地域の防災活動のリーダー的な役割を担う人材の育成 に努めてまいります。さらに、災害発生時に非常に重要となる“水”の確保の対策として、避難所で飲料水を応急的に給水するための貯水タンク(ウォーターバ ルーン)を計画的に配備するとともに、飲料水以外の生活用水を確保するため、避難所となる施設に井戸を設置するほか、災害時に井戸を無償で提供いただく 「災害時協力井戸登録制度」を創設いたします。

 また、高齢者や子どもたちの見守りをはじめ、市民が安心して暮らすことができる安全なまちづくりも大きな課題の一つです。緊急時や突発的な事件・事故な ど、万が一の際に、即座に対応することができるよう、スマートフォンのGPS機能を活用したアプリや緊急通報機能付きの防犯ブザー、ICタグ等を活用した 位置情報システムなど、民間事業者が提供する様々なICTサービスを有効に組み合わせながら、地域の見守りネットワークを構築することにより、安全・安心 なまちづくりを積極的に推進してまいります。

 消費者保護対策につきましては、近年、インターネットを利用したサービスの普及に伴い、トラブルに巻き込まれるケースが後を絶ちません。そのため、地域 や関係機関等との連携を密にするとともに、消費者被害を未然に防止するため、引き続き消費生活センターを中心として、消費者保護行政の維持強化を図ってま いります。

 

2.【心豊かに暮らせるまちをめざして】

 次に、「心豊かに暮らせるまちをめざして」についてです。

 昨年4月から新たな教育委員会制度がスタートし、本市におきましても、「加古川市総合教育会議」を設置いたしました。今後も引き続き、未来を担う子ども たちの成長を支える教育環境の実現に向け、教育予算の充実を図るとともに、教育委員会と協議・調整を行いながら、学びを支援する仕組みづくりを検討してま いります。

 教育現場におきましては、ここ数年来、最優先課題としていました学校施設の耐震化工事が、今年度をもって完了いたします。新年度からは、校舎やトイレの 大規模な老朽改修工事に着手するなど、良好で快適な教育環境の整備に、全力で取り組んでまいります。さらに、児童生徒の授業に対する理解力の向上をめざ し、各学校に電子黒板機能付プロジェクターや書画カメラを増設するなど、ICTを活用した教育を推進してまいります。

 長年の課題となっている中学校給食につきましては、完全実施するための基本方針や基本計画をお示しするとともに、新たに設置する学校給食センターの建設候補地を公表することができました。今後も、出来る限り早期の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。

 今年度から増員した外国語指導助手(ALT)による外国語教育の充実につきましては、幼少期から中学生までの児童生徒に対し、幅広く英語に親しむ機会の 提供を行うとともに、その効果の検証を行ってまいります。さらに、学習や学校生活等への適応に困難を感じている児童に対しましては、スクールアシスタント を増員配置することにより、一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援を行ってまいります。また、日本語指導が必要な外国人児童生徒に対しましては、県と連携 し、外国人児童生徒サポート員を配置することにより、学習支援や心の安定を図るなど、学校生活への早期適応を促進してまいります。

 図書館におきましては、新たに電子図書の貸出を開始するなど、利用者のさらなる利便性の向上に努めてまいります。

 そして、スポーツ・文化の振興につきましては、毎年恒例となっている加古川ツーデーマーチや加古川マラソン大会、レガッタ大会などの各種スポーツイベン トを引き続き開催いたします。さらに、来年3月には、本市を会場に、全国高校女子ソフトボール大会が開催される予定となっております。また、加古川青流戦 の開催場所を鶴林寺に移し、将棋文化のさらなる普及と発展を図るなど、引き続き、市民がスポーツや文化に身近に親しむことができる取組を進めてまいりま す。

 人権文化の確立につきましては、「人権文化センター」を中心に、引き続き、様々な人権課題における差別や偏見の解消に向けた人権教育や啓発の積極的な推 進に努めてまいります。また、女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進するため、「女性活躍推進法」が施行されました。こうした流れを踏まえ、 本市におきましても、第4次男女共同参画行動計画を策定したところであり、性別にかかわりなく、一人ひとりが個性と能力を十分に発揮できる社会の実現に向 けて、市民の皆さまをはじめ、事業者や関係機関の皆さまとともに取り組んでまいります。

 

3.【うるおいのある環境の中で暮らせるまちをめざして】

 次に、「うるおいのある環境の中で暮らせるまちをめざして」についてです。

 加古川市、高砂市、稲美町、播磨町の2市2町により、平成34年に稼働を予定している広域ごみ処理施設を効率的に運営するためには、ごみの減量が不可欠 であり、中でも可燃ごみの20%削減は、本市にとって喫緊の課題となっています。そのためには、ごみの発生抑制、再使用、再資源化など、積極的なごみ減量 化策を展開していかなければなりません。そこで、新たに環境部内に「ごみ減量推進課」を設置し、雑がみのリサイクルや生ごみの水切り等によるごみ減量の啓 発を強化するとともに、生ごみ処理機等の購入助成を実施するほか、新たに小学生を対象にした、ごみ減量化を扱った副読本を作成するなど、様々なごみ減量化 事業に取り組んでまいります。これらに加え、これまで焼却処分を行っていた、公園等から発生する樹木の剪定枝や草などの資源化処理を新たに実施することに より、ごみ減量化と資源化率の向上に努めてまいります。さらに、広報紙を通して市民の皆さまからいただいたご提案や、クラウドソーシングを活用して多くの 方々からいただいたアイデアなどを基に、引き続きごみ減量化のための取組を進めてまいります。

 また、昨年11月には、地球温暖化の防止と循環型社会の構築に向け、消費者協会と市内に店舗のある11事業者、市の3者により、レジ袋削減に向けた取組 に関する協定を締結いたしました。これにより、本年4月から、レジ袋の無料配布が中止されることになりますが、今後も、3者がそれぞれの役割をしっかりと 果たすことが大切であると考えております。また、地球温暖化対策と省エネルギーに高い効果が期待されるEV(電気自動車)を活用した環境啓発活動を進める など、ゼロ・エミッション社会の構築に向けた取組を進めてまいります。

 生活排水処理対策につきましては、平成26年度に下水道整備区域の見直しを行ったことに伴い、合併処理浄化槽の設置と維持管理に対する助成制度を拡充・ 創設したところです。今後も、下水道整備計画区域外における合併処理浄化槽の設置を促進し、生活排水処理率の向上を図ることにより、すべての市民の皆さま の生活環境を一日も早く改善するとともに、公共用水域の水質保全を推進してまいります。

 

4.【にぎわいの中で暮らせるまちをめざして】

 次に、「にぎわいの中で暮らせるまちをめざして」についてです。

 昨年6月から、記念品を大幅に拡充したふるさと納税制度は、加古川和牛をはじめとする地域の特産品を市内外にPRする上で大きな役割を果たしています。本年2月には、記念品のさらなる拡充を図っており、より一層の地域経済の振興に結び付けてまいります。

 また、昨年12月には、「かこがわコットンプロジェクト」の一環として、加古川産の綿花(コットン)を使って製造した靴下を安倍首相や石破地方創生担当 大臣に贈呈し、期待と激励の言葉をいただきました。本市といたしましても、こうした取組を応援する「ふるさと名物応援宣言」を行ったところです。さらに、 新年度におきましては、小学校給食において、加古川和牛を用いたメニューを提供したいと考えており、今後とも、様々な形で地域の取組を応援し、市内外にそ の魅力を発信してまいります。

 農業につきましては、ため池やほ場などの整備を進めるとともに、農地中間管理機構を活用した耕作放棄地等の集積・集約化を促進し、農業経営の効率化や新規就農者数の増加をめざしてまいります。

 また、人口減少を食い止めるためには、雇用創出につながる企業誘致に積極的に取り組む必要があります。市内の工業系用途地域に新たに工場等を建設・移設 した企業に対する「企業立地促進奨励金」の交付に加え、市内のオフィスビル等に新たに入居する企業に対しましては、賃借料の一部を助成する制度を創設いた します。さらに、中心市街地における商業の活性化をめざし、従来からの、空き店舗を活用した新規出店者への賃借料の助成制度のうち、新規創業による場合の 助成内容を拡充いたします。一方、市街化調整区域におきましては、空き家を活用した事業所の開設を促す「空き家活用支援事業」を実施することで、空き家の 解消による生活環境の保全と新たな賑わいの創出をめざしてまいります。

 昨年は、夏休み期間を活用し、市役所において、学生インターンシップの受け入れを実施いたしました。新年度におきましても、継続して実施するとともに、 市内の企業による学生インターンシップの受け入れを支援してまいります。また、大阪などの都市部において、合同就職説明会を開催するなど、市内の企業への 就職へ結び付けてまいりたいと考えております。

 現在、多くの自治体が観光の振興に力を入れており、地方創生の観点からも、観光を通じた交流を促進し、地域が主体となった活力あふれるまちづくりを実現 することが、今後ますます重要になってまいります。本市におきましても、本年3月に策定する「観光まちづくり戦略」に基づき、ご当地愛フェイスブック等も 活用しながら、市民や事業者との連携のもとに様々な取組を進めてまいります。また、播磨地域の8市8町で構成する播磨圏域連携中枢都市圏では、圏域全体で 外国人観光客の誘致活動を行うほか、東京圏での物産展の開催などにより、圏域としての魅力の発信に努めてまいります。

 

5.【快適に暮らせるまちをめざして】

 次に、「快適に暮らせるまちをめざして」についてです。

 後期総合基本計画に基づき、市全体の土地利用や道路・公園の整備など、まちづくりの具体性ある将来ビジョンを示した「都市計画マスタープラン」を改定し、計画的な土地利用や都市機能の適切な誘導を図ってまいります。

 総合公園の1つである日岡山公園につきましては、子どもたちの夢をはぐくむ公園としての再整備に向けた取組を進めるとともに、日岡山公園周辺のまちづく り構想を策定し、具体的な土地利用につなげてまいります。また、加古川河川敷におきましては、民間活力によるバーベキューサイトを誘致し、利用者のニーズ や事業効果等の検証を行うなど、緑地・親水空間の魅力づくりに取り組んでまいります。さらに、権現総合公園につきましては、市内外からの観光・交流を促進 する“賑わいと交流”の拠点づくりに向け、公民連携(PPP:パブリック・プライベート・パートナーシップ)の可能性を検討してまいります。

 災害に強い都市基盤の整備につきましては、とりわけ、頻発する局地的豪雨等による浸水被害などへの対応が急務となっており、市民と事業者、行政が相互に 連携・協働した総合治水対策を効果的・効率的に進めてまいります。そのうち、別府川流域におきましては、下水道対策として雨水幹線の整備を継続的に実施い たします。また、浸水被害の著しい水田川流域におきましては、県と連携して、水田川の整備に取り組んでいくほか、上流域でのため池貯留の検討に加え、平岡 中学校において、大雨の際に一時的に校庭に雨水を貯めるための整備を行うことで、雨水流出の抑制を図ってまいります。さらに、法華山谷川流域につきまして も、県による河川護岸の整備のほか、地域のご協力による田んぼダムやため池貯留の取組に加え、公共施設での雨水貯留施設の整備に向けた調査を実施いたしま す。

 そして、空き家対策につきましては、近年、管理の行き届いていない空き家の増加が全国的に課題となっていることから、国においては、「空家等対策の推進 に関する特別措置法」が全面施行されたところです。本市におきましても関係団体との連携のもと、「空き家バンク」を活用した空き家の利活用の促進に努めて まいります。また、地域資源としての有効活用を促進するため、老朽危険空き家の所有者に対して、除却後の土地の公共利用を条件に、除却工事費用に対する補 助を行うモデル事業を実施し、その事業効果の検証を行ってまいります。

 次に、道路の整備につきましては、特に、中津水足線及び平野神野線と神吉中津線の早期完了に向けた取組を計画的に進めているところであり、新年度におきましては、平野神野線の道路改良工事に本格的に着手するなど、都市計画道路事業を着実に推進してまいります。

 また、公共交通につきましては、市民や交通事業者、行政機関等の関係者で構成する加古川市地域公共交通活性化協議会を中心に、市民ニーズに沿った公共交通の再構築をめざし「地域公共交通プラン」を策定してまいります。

 放置自転車対策につきましては、加古川駅周辺の駐輪場を再編し、有料駐輪場と無料駐輪場の均衡を図るとともに、駐輪マナーの指導・啓発を行う指導員の配置の見直しを行うなど、適切な駐輪対策を推進してまいります。

 次に、水道事業につきましては、基幹施設である中西条浄水場の施設更新及び耐震化や、東神吉水源地の耐震化を計画的に推進してまいります。また、管路更新計画に基づき、大口径管路や、病院、学校等の主要施設につながる基幹管路の耐震化を着実に推進してまいります。

 また、下水道事業につきましては、整備計画区域内の未整備区域におきまして、着実に事業を実施するとともに、下水道施設のライフサイクルコストの縮減を 図るため、計画的な調査や修繕など、アセットマネジメントによる予防保全型の管理を行い、下水道施設の長寿命化をめざしてまいります。

 

6.【まちづくりの進め方】

 最後に、「まちづくりの進め方」についてです。

 冒頭にも申しあげましたが、私は、市長就任時より「オープン」をキーワードに、市政運営に取り組んでまいりました。市民の皆さまからお寄せいただく一つ 一つのお声に対しましては、市職員一丸となって懸命に努力しているところですが、様々な課題や、財政的に厳しい状況もあり、その全てには対応しきれていな いのが実情ではないかと思います。私は、これからの基礎自治体のあり方として、「いかにして市民の皆さまとの信頼関係を深めることができるか」が重要なポ イントであると感じており、「オープン」とはそのための手法です。ただ単に聞こえの良い側面だけをお伝えするということではなく、市が抱えている課題の現 状はもちろんのこと、時には料金や制度の見直しなどによって、市民の皆さまに新たなご負担をお願いしなければならないことなどにつきましても、誠実に、ま た丁寧にお伝えさせていただく中で、市民の皆さまと一緒になって、一つ一つの課題を乗り越えてまいりたいと考えております。

 新年度におきましては、新たに広報組織を拡充し、市政について、より分かりやすく発信していくとともに、本市の知名度の向上やイメージアップにつながる「シティプロモーション」にも取り組み、「子育て世代に選ばれるまち」としてのブランド力を高めてまいります。

 また、高度化・多様化する市民ニーズに的確、迅速に対応し、時代の変化に応じた質の高いサービスを持続的に提供していくためには、一層の行政改革が不可 欠です。そこで、「行政改革大綱」に基づき、事業のスクラップ・アンド・ビルドはもちろんのこと、機動性の高い組織を構築してまいります。新年度におきま しては、今まで担当部局ごとに行っていた国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料及び保育所保育料の収納・徴収業務を一元化し、より効果的かつ 効率的な業務体制の確立を図ります。こうした組織改編とともに、高い使命感と市民目線を持ち合わせた、意欲ある職員の育成に取り組んでまいります。

 そして、行政評価制度につきましては、これまでの事務事業評価の結果に加え、本年度までに、施策そのものの進捗度を評価する施策評価の結果を市民の皆さ まにお示ししてまいりました。今後も行政評価の内容を、より分かりやすくお伝えするための工夫を重ねてまいります。さらに、公開事業評価やクラウドソーシ ングなどの様々な手段を有効に活用しながら、市民の皆さまをはじめ、多くの方々からのご意見やアイデアを市政に反映することができる、開かれた行政をめざ してまいります。

 高度経済成長期に建設された公共施設の補修や建替え、道路や橋梁等の更新投資には、今後、巨額の財源が必要となります。新年度におきましては、「公共施 設等総合管理計画」を策定し、利用状況や老朽化の度合いを総合的に判断するとともに、計画的な整備・更新を行うことや、長期的な視点による適正配置を検討 するなど、次世代への負担を軽減・平準化してまいります。

 また、本年からは、公職選挙法の改正により、選挙権年齢が18歳へ引き下げられることになりました。これまで以上に、若い力で政治や行政を動かしていく ことが期待されており、私といたしましても、若者世代に興味や関心を持ってもらえるような市政運営に努めてまいりたいと考えております。

 さらに、市民参画の一環として、放課後子ども教室や通学路の見守りなど、様々な場面でのボランティア活動や、自身の健康づくりなどに取り組んだ市民にイ ンセンティブを付与し、多様なボランティア活動や健康増進活動を促進するためのポイント制度の導入を本格的に検討してまいります。

 また、地方自治法の改正により、中核市の人口要件が緩和され、本市も中核市への移行が可能となっております。中核市への移行につきましては、市民サービ スの向上や財政的な負担など、引き続き様々な視点から情報収集や調査研究を行い、今後の方向性について、総合的に判断してまいりたいと考えております。

 

おわりに

 以上、平成28年度の市政運営の方針と基本的な考え方を申し述べさせていただきました。

 私は、本市が持つ恵まれた地域資源、そして、市民の皆さまの知恵と力を結集すれば、本市が他の自治体のモデルとして、時代の先頭を走ることができるものと信じております。

 引き続き、チャレンジ精神と情熱を持って諸課題の解決に当たるとともに、先見性とスピード感を持って行動し、誠心誠意、市政運営に取り組んでまいります ので、議員の皆さま、そして市民の皆さまの一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申しあげ、平成28年度の施政方針といたします。

 

※注)当日の演説と表現その他に若干の違いがあることをご了承ください。

この記事に関するお問い合わせ先

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