上場株式等の所得にかかる申告について
上場株式等の所得にかかる課税方式の選択について
個人が受け取る株式等の配当等の所得や、個人が株式等を譲渡した際の譲渡所得等については、申告した内容に応じて課税されます。
ただし、上場株式の配当等所得や、「源泉徴収あり」を選択した特定口座内で生じた上場株式等の譲渡所得等については、受取時に住民税が特別徴収(天引き)されているため、申告をする必要はありません(申告不要制度)。
申告不要制度の対象となる配当等所得や譲渡所得であっても、各種所得控除や税額控除等の適用を受ける場合は、申告することにより税額を算定することができます。
所得の種類 | 課税方式 | 備考 |
---|---|---|
【配当所得】 大口株主に該当しない場合 |
|
課税方式の選択が可能 |
【配当所得】 大口株主(発行済み株式の3%以上保有)の場合 |
|
申告が必要(注釈1) |
【譲渡所得】 源泉徴収ありの特定口座の場合 |
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課税方式の選択が可能 |
【譲渡所得】 上記以外の場合 |
|
申告が必要 |
利子所得 |
|
課税方式の選択が可能 |
(注釈1)所得税の確定申告では、少額配当(1回の支払額が「10万円×配当計算期間月数÷12」の額以下のもの)は申告不要です。しかし、少額配当であっても住民税の申告は必要です。
令和5年度まで所得税と住民税で異なる課税方式を選択することができます
上場株式等の配当等所得及び「源泉徴収あり」を選択した特定口座内で生じた譲渡所得等について、所得税の確定申告と住民税の申告とで、それぞれ異なる課税方式を選択することができます。
例:上場株式の配当500,000円、源泉有特定口座の譲渡所得80,000円がある場合
(所得税)配当所得500,000円→総合課税、譲渡所得80,000円→分離課税で申告。
(住民税)配当所得も譲渡所得も申告不要制度を利用し、申告せず。
ただし、令和4年度税制改正大綱において、令和6年度課税分の上場株式等に係る配当所得等の課税方式を所得税と住民税とで一致させることが明記されました。これにより所得税と住民税で異なる課税方式を選択できるのは令和5年度課税分までとなります。
申請書類
市民税・県民税申告書(上場株式等の所得に関する住民税課税方式申出書)
添付書類
所得税の確定申告書の控の写し・特定口座年間取引報告書の写しなど
申請期限
「市民税・県民税税額決定・納税通知書」または「市民税・県民税特別徴収税額の決定通知書」が送達されるときまで
(注意:送達後に申請をしても適用することはできません)
その他注意点など
- 「源泉徴収あり」を選択した特定口座内で生じた配当所得等または譲渡所得を申告するか否かについては、口座ごとに選択することができます。
- 「源泉徴収あり」を選択した特定口座内で譲渡損失が生じた場合、その譲渡損失のみを申告し、口座内の配当所得を申告不要とすることはできません。
- 「源泉徴収あり」を選択した特定口座が複数ある場合で、申告することを選んだ口座内の配当所得について、総合課税と分離課税のいずれで申告するかは口座ごとに選べません。
- 申告不要を選択した所得については、配当控除、配当割額控除、株式譲渡所得割額控除は適用されません。
- 申告不要制度の対象となる配当所得や譲渡所得について、申告することを選択した場合は、扶養等の認定・住民税非課税判定・国民健康保険料や後期高齢者医療保険料等の算定・各種給付金の受給判定に影響を及ぼす可能性があります。
上場株式等にかかる譲渡損失の損益通算および繰越控除について
次にあげる申告については、「市民税・県民税税額決定・納税通知書」または「市民税・県民税特別徴収税額の決定通知書」が送達されるときまでに申告書を提出してください。
- 当該年度に生じた譲渡損失を、当該年度の申告分離課税を選択した配当所得や譲渡所得と損益通算するための申告
- 当該年度に生じた譲渡損失を、翌年度以降に繰り越すための申告
- 前年度までに繰り越した損失を、当該年度の申告分離課税を選択した配当所得や譲渡所得から控除するための申告
- 当該年度に譲渡がなかった場合において、前年度までに繰り越した損失を、翌年度以降に繰り越すためだけの申告
(注意:送達後に申告をしても住民税では損失額の適用をすることはできません)
例:「平成30年度 市民税・県民税税額決定・納税通知書」が手元に届いた後で、平成29年分以前に生じた上場株式等の譲渡損失を繰り越すための所得税の確定申告を行ったとしても、平成31年度 市民税・県民税を算定するうえで譲渡損失の繰越控除を適用することはできない。
その他注意点など
- 上場株式等にかかる譲渡所得に損失が生じている場合で、所得税の確定申告で上場株式等の譲渡所得等と繰越損失の申告をしたのち、住民税では申告不要を選択した場合は、当該年度にかかる譲渡損失の金額は上場株式等にかかる配当等の所得と損益通算することはできません。また、翌年度以降に繰り越すこともできません。
- 上場株式等にかかる所得について、所得税と住民税で異なる課税方式を選択すると、所得税と住民税の翌年度以降に繰り越す損失額に違いが生じる場合がありますが、その時は所得税の確定申告で繰越損失の申告を行うとともに、住民税の申告でも繰越損失の申告をおこなってください。
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更新日:2023年01月30日