未来の課題解決に向けた技術実証を実施しました

事業の概要
本市をフィールドとしてデジタル技術等を活用した技術実証(PoC(Proof of Concept:概念実証)やエリアや対象者等を限定した実証を想定)を全国から公募しました。
本市が採択した技術実証の支援として、経費の一部補助や実証フィールドの提供等を行いました。
これまでに実施した技術実証
ペーパーレス化による業務効率化と住民サービスの向上

いつでもどこでもできるストレスフリーな行政手続の実現を目指し、デジタル郵便サービスを活用して従来の紙での通知をデジタル化することによる効率化を実証し、「住民サービスの質の向上」と「行政事務の効率化・簡素化」の実現を目指しました。
(xID株式会社)
実証の結果・成果
以下の2つの業務において、通知をデジタル化する実証を行いました。
都市公園内行為許可申請の結果通知(公園緑地課)
日岡山公園、志方東公園、加古川河川敷でバーベキューを行う際の申請に対する結果通知をデジタル化する実証を行いました。押印作業や封入封緘作業等が減少することから、業務時間を削減できる可能性を確認できました。
デジタル通知を活用することで、これまでよりも早く住民の皆さまにお知らせを届けられるようになります。その結果、申請の締切日を短縮できる可能性があり、より迅速で便利な行政サービスの提供につながることがわかりました。
保険料の納付済額のお知らせ(債権管理課)(注:市からの通知)
1月から12月に国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料をいくら納付したかをお知らせする保険料の納付済額のお知らせをデジタル化する実証を行いました。
市のデジタル通知を利用する人が増えることで、郵送にかかる費用や職員の作業時間を減らせることがわかりました。
これらにより、より効率的で便利な行政サービスの提供につながる可能性があるため、引き続き検討をしていきます。
今後も「住民サービスの質の向上」と「行政事務の効率化・簡素化」の実現を目指して取組を推進いたします。
4社が加古川市の課題解決に向けて技術実証プロジェクトを実施しました。
照明機器等を活用した見守りサービスの拡充

加古川市が実施している見守りサービスの充実を目指し、見守りサービスの検知器としても使える照明器具を浜の宮公園に設置。
また、JR加古川駅にデジタルサイネージを設置し、見守りサービスや市の情報について周知しました。
(岩崎電気株式会社)
実証の結果・成果
見守りサービスの充実
見守りサービスのタグを検知できる照明器具を浜の宮公園に設置し、照明器具が見守りタグを検知できることを確認しました。ただし、木の枝葉など電波を吸収してしまうものがある場合に検知範囲が狭くなる可能性があることがわかりました。
市が進める見守りサービスの広域化に向け、他市での検知ポイントとしての選択肢になりうる可能性を確認できました。
市では、本実証を踏まえ、引き続き見守りサービスがより良いものとなるよう努めてまいります。
デジタルサイネージ
JR加古川駅にデジタルサイネージを設置し、見守りサービスや市の情報について周知しました。街頭アンケートを実施したところ、デジタルサイネージによって初めて情報を知ったという声も多く、デジタルサイネージで知ったイベントに参加された方もおられ、有効性を実証することができました。
市では、令和6年度にJR加古川駅にデジタルサイネージを設置しました。
加古川市版Decidimに寄せられたコメント
- 自宅前の門燈にBLEタグ検知機能を追加し、家庭の通信回線を活用することで、防犯効果やBLEタグの検知範囲拡大が期待できるのではないかというご提案をいただきました。
共助の仕組みによる災害情報等の充実

災害・事件・事故等の情報をAI報道機関であるJX通信社に報告できる無料ニュースアプリ「NewsDigest」とSNS等を情報源とするリアルタイム情報収集サービス「FASTALERT」を利用し、災害状況をリアルタイムで把握でき、誰もが逃げ遅れることがない環境の実現を目指しました。
(株式会社JX通信社)
実証の結果・成果
・FASTALERTを利用することで、SNSに投稿された写真・動画などのリアルタイムな情報を取得でき、これらは災害対応に参考情報として活用できる可能性があることを確認。
・NewsDigestを利用した加古川市民にアンケートを実施した結果、情報提供機能とリアルタイム防災マップ機能の継続利用意向が高いことを確認。
・加古川市のデータ連携基盤(FIWARE)とのデータ連携が技術的に可能であること及びSNSから収集したデータを利活用する際の課題点等を確認。
市では、本実証で確認できたデジタル技術の活用による課題や効果を参考に引き続き安全安心なまちづくりに取り組んでまいります。
加古川市版Decidimに寄せられたコメント
- 災害・事件以外の情報(例:マンホール破損や街灯不具合)も市民から提供してもらう仕掛けを作り、情報収集の助けになるのではないかというご意見をいただきました。
遠隔環境での新たな高齢者向けサービスの創出

高齢者の社会参加を促すため、高齢者向けWebアプリを通じたオンラインコミュニティを創出し、フレイル・認知症予防にチャレンジしました。
※イメージ画像は、オンラインで体操教室を実施している様子
(ジョージ・アンド・ショーン株式会社)
実証の結果・成果
パソコンやタブレットを利用したオンラインサービスを通じて、閉じこもり気味になっている高齢者の社会参画・コミュニティ創出を推進しました。
市内の一部公民館などで計80名の方に対し説明会を実施し、うち18名の方が本実証に参加いただきました。
本実証では、社会参画の更なる推進に向けて、「在宅でも楽しめるコンテンツ」に関するリクエストが多く寄せられたことから、当サービスを用いた多様なコンテンツがフレイル・認知症予防活動の維持・継続するための必要な要素であることがわかりました。
市では、引き続きオンラインを活用したフレイル・認知症予防の取組について意見交換し、高齢者が安心して暮らせるしくみづくりに取り組んでまいります。
加古川市版Decidimに寄せられたコメント
- 高齢者がオンラインサービスに慣れ、豊かな生活を送るとともに、離れて暮らす家族の見守りサービスの実現を期待するご意見をいただきました。
AIを活用して救急搬送時間を短縮

過去の救急統計データをAIで解析・学習することで、救急搬送困難事案や、救急活動時間が長くなる要因を可視化。
また、医療機関との情報連携をデジタル化することで、救急活動がどのように変化するかなどについて実証しました。
(株式会社Smart119)
実証の結果・成果
救急需要予測AI
AIを用いた救急需要予測により、将来の救急需要ピークが2035年から2040年の間であることを推定しました。なお、人口動態をはじめ、様々な要因により、予測結果が変わる可能性があることも確認できました。
医療機関との情報連携のデジタル化について実証
医療機関との救急受入要請の調整をデジタル化するSmart119システムの利用により病院交渉時間は2分36秒短縮され1事案あたり約29%の短縮が見込まれるという検証結果になりました。
この結果から、迅速な救急活動と救急隊員の労務負担軽減につながる有効性を実証しました。
救急需要予測AIで過去の救急統計データを解析・学習することにより、救急需要のピークや救急隊員の負担が増加していることについて可視化され、データとして裏付けすることができました。市では今後、医療機関との情報連携のデジタル化などによって、迅速な救急活動の実現と救急隊員の負担軽減にむけた検討をすすめたいと考えています。
実績報告書(PDFファイル:1.1MB)
セブン銀行ATMとマイナンバーカードによる給付金等の即時受取システム実証実験の結果について (PDFファイル: 309.7KB)
高齢者のQOL向上をめざす睡眠改善サービスを活用したフィールド実証を開始 (PDFファイル: 1.3MB)
令和4年度に実施した技術実証は、経費支援なく実施したものです。
この記事に関するお問い合わせ先
担当課:デジタル改革推進課 スマートシティ・DX推進係(新館4階)
郵便番号:675-8501
住所:加古川市加古川町北在家2000
電話番号:079-427-9373
ファックス番号:079-429-2265
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更新日:2025年04月18日