野口北小学校 研究推進【協同的探究学習を核とした授業研究】

更新日:2024年01月26日

研究主題

1 研究主題

 表現することを通して学びを深める子どもの育成ー「学び合い」で考えを深め、「わかる学力」を育む授業づくりー

2 主題について

 本校では、平成30年度から加古川市内全ての学校で取り組み始めた「協同的探究学習」の理念に基づき、授業研究と授業改善を柱として研究を推進している。「協同的探究学習」の理念には、学力は「できる学力」(知識及び技能)と「わかる学力」(思考力・判断力・表現力等)の両輪を成しているという考えがあり、バランスのとれた学力と学習に取り組む意欲を育むことをねらいとしている。

●「わかる学力」を育む授業の基本的な流れと考え

・導入問題(一人一人が主体的にアプローチでき、多様な考えや解法が可能な問題提示)

・個別探究1(児童の思考の過程と根拠や理由を大切にした一人一人の学び)

・協同探究(多様な考えや解法を根拠や理由とともに表現し、児童による関連づけや児童の気づき、新たな発見を出し合う)

(教師の追究型発問により児童の思考を深める)

(一人一人の考えや気づき、発見を表現し、異なる考え方も認め合うことで児童の自己肯定感を育み、よりよい学びを実現する)

・展開問題【個別探究2】(協同探究場面の思考の深まりを生かして自力解決を行い、学習内容の本質理解に迫る)

 教師一人一人が毎日の授業を大切にし、学校教育目標である「こころ豊かに 自らの力で未来を切り拓く子の育成」に向け、授業研究と授業改善に取り組んでいる。

協同的探究学習の理念に基づく授業研究のポイント〈野口北小学校ver2〉

 加古川市立平岡南小学校(平成30~令和元)と加古川市立中部中学校(平成30~令和2)の協同的探究学習パイロット校の先進的な取組、加古川市立平岡北小学校(令和3~令和4)の協同的探究学習研究推進校の継続した質の高い取組から学んだことを基に、本校において授業研究の視点として、「協同的探究学習の理念に基づく授業研究のポイントver1」をまとめた。また、この授業研究のポイントを基に、本校は単元計画及び授業計画を行い、授業後の研究協議でも議論を深める。さらにホームページでも広く公開し、他校の先生方とともに「協働的な学び」を実現する。

 令和4年12月初旬、上記の「協同的探究学習の理念に基づく授業研究のポイントver1」について、東京大学大学院教育学研究科藤村宣之教授にリモートでご指導いただいた。また、令和5年2月28日、藤村教授からご連絡いただき、授業研究のポイントや協同的探究学習に関する最新のお話など、多くのことをご教授いただいた。そして、令和4年度の本校の研究成果と課題、藤村教授からアドバイスいただいたことを反映させ、以前のものからバージョンアップした。 

 本校及び加古川市内の学校においては、児童生徒の苦手とする「わかる学力」の育成に向け、引き続き協同的探究学習の理念に基づき授業改善及び授業研究に取り組む。また、この「協同的探究学習の理念に基づく授業研究のポイント【野口北小学校ver2】」に基づき研究推進する。

協同的探究学習を核とした授業改善による成果と児童の様子

 本校では、平成30年度から「協同的探究学習」の理念に基づき、授業研究と授業改善を推進している。また、校内で広く授業公開し、教職員間で授業参観を行い、研究協議を重ねている。さらに、加古川市教育委員会の指導主事を招聘するなど、校内に限らず外部から講師を招いて研究協議を行い、指導助言いただくなど、全教職員で積極的に取り組んでいる。

 そこで、全国学力・学習状況調査結果及び児童生徒質問紙における本校児童の近年の傾向、児童の様子について、令和5年度の上半期を含め分析したことを下記のとおり報告する。(令和5年10月現在分析)

 ただし、協同的探究学習による授業改善の成果が全て分析結果に反映しているとは限らず、様々な課題も現状としてある。

 

1 全国学力・学習状況調査結果及び児童生徒質問紙における本校児童の近年の傾向

(1)無解答率は全国平均より低い傾向にある。

・難しい問題にもあきらめずに解答しようとしたり、自分の考えを整理して表現しようとしたりする意欲は高い傾向にある。

(2)「自分には、よいところがあると思いますか」「先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか」の質問に、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した児童の割合が全国平均より高い傾向にある。

・友だちや先生から自分の考えを認めてもらうことで、自分のよさに気付き、自己肯定感が高い傾向にある。

(3)「学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりすることができていますか」の質問に、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した児童の割合が全国平均より高い傾向にある。

・協同的な学びを実施することで、異なる考えを認め合い、新たな考え方に気付き、新たな発見があり、より深い学びができている。また、教師が的確に発問(追究型発問)することで、児童は更に深く考えて表現している。

 

2 児童の様子

(1)ノートやchromebookを使用し、自分の考えを整理して表現できる児童が増加している。

・導入問題を提示した後、児童一人一人が問題にじっくり取り組むことのできる時間を確保している。一人一人が問題に向き合い、自分の考えを書く(表現する)ことで、主体的に授業に参加している。

(2)自分の考えの根拠や理由を表現できる児童が増加している。

・「なぜそう考えたのか」「どこからそう考えたのか」「どうしてそう考えようと思ったのか」など、教師が問い返すことで、根拠や理由を明確にして発言できる児童が増加している。

令和5年度 授業実践事例(指導案及び単元指導計画表)

 令和5年度本校で授業実践した指導案及び単元指導計画表を一部掲載している。全ての教職員が授業公開を行い、多くの教職員で授業改善に向け協議した。下記の指導案及び単元指導計画表は、本校の全校授業として、多くの教職員が授業を参観し、放課後、授業改善に向け全ての教職員で協議した実践内容である。まだまだ研究途上で課題も残っているが、参考としてご覧いただければ幸いである。

 ( )の番号は、「令和5年度授業研究」に掲載している授業内容の番号である。

令和5年度 授業研究

(28)4年生音楽科授業において

 前時まで、「とんび」の楽譜や記号、旋律について学習し、歌詞や挿絵からとんびが鳴いている様子について想像を広げた。そして、今日の授業では、本時の本質(深い学び)を、「歌詞が表している情景や気持ちについて考え、自分の思いや意図をもって表現を工夫することができる。」と位置付けた。まず、導入問題で、「1番の歌詞の(4つの)『ピンヨロー』をいろいろな強さで歌ってみよう」と問いかけ、児童は「強く」「少し強く」「少し弱く」「弱く」の4段階を歌い分けしながら、1番の「ピンヨロー」の歌い方を考えた。協同探究場面では、「とんびがジグザグに飛んでいる様子を思い浮かべて『強く・少し強く・強く・少し強く』歌いたい。」という意見、「とんびが最初元気に歌っていたけど、少しずつ疲れてきた様子を思い浮かべて、『強く・強く・少し強く・少し強く』歌いたい。」という意見などが出された。意見を出した後、自分が提案した歌い方で「ピンヨロー」の部分を歌い、クラス全体で共有した。また、同じ「強く・少し強く・強く・少し強く」を選んだ児童でも理由が違い、「円を描くように飛んでいるから、近くに飛んできた時は強く、遠くに飛んでいった時は、少し強く歌ったらいい。」という意見も出された。そして、追究型発問で、「1番と2番の『ピンヨロー』は同じように歌ったらいいのかな」と問いかけた。児童は再度歌詞を見比べながら、歌い方を考えた。そして展開問題で、「2番の歌詞の(4つの)『ピンヨロー』をいろいろな強さで歌ってみよう」と問いかけた。児童は1番の歌い方を振り返りながら、歌詞の内容を比較した。児童から、「1番は誰かとんびに向かって言っているが、2番はとんび自身が飛んだり鳴いたりしているので、歌い方も変えた方がいい。」などの意見も出され、歌い方について考えた。最後は、それぞれ自分の思い浮かべたとんびの様子や気持ちを歌で表現した。

(27)6年生学級活動(食育)において

   食育の視点から本時のねらいを、「正しい知識や情報に基づいて、自分に合うおやつのとり方を選択できる能力を身に付ける」「自らの健康や生活を考えて、望ましいおやつのとり方を理解する」とした。まず、前提問題で、事前の児童アンケート結果や市販のおやつのカロリー、1日のおやつの摂取カロリーのめやすを確認した。そして、導入問題で「先生の1日分のおやつ(市販のおやつ【グミ・板チョコ・スナック菓子・アイスクリーム・サイダー】)を見て、アドバイスしよう」と問いかけた。また、考えの参考となる資料として、児童一人一人のchromebookに「おやつ表(各おやつのカロリーが記載されている)」「運動の消費エネルギー表(歩く・ランニングなど1時間運動した時の消費カロリーが記載されている)」を配布した。児童は2つの表を参考にしながら、改善点を考えた。協同探究場面では、「食べるおやつを7分の1にする。理由は1日のおやつの摂取カロリーのめやすに合わせて量を減らし、次の日も食べればいい。」「市販のおかしではなく、カロリーの少ないフルーツを食べる。」「食べる日と食べない日をつくる」「超えた分は運動で消費する」などの意見が出された。また、そもそもおやつをなぜ食べるのか、おやつの役割を考えた。児童は、「おいしいから」「少しお腹がすいたから」「簡単に食べることができるから」「ほどよく塩分や糖分が取れるから」など考えた。次に、おやつを選ぶ3つのポイント「量」「栄養」「心(好き・食べたいなどの気持ち)」を確認した。最後に展開問題で「自分の生活スタイルや健康に合わせて、明日のおやつを選ぼう」と問いかけた。児童は、「明日は体育も習い事もないので、グミだけにして食べる量を減らす」「一緒に食べると美味しくてカロリーも少ないので、羊羹とお茶にする」などの意見が出され、自分の生活や運動量などに合わせておやつのとり方を考えた。

(26)6年生外国語科授業において

 先日に引き続き、別のクラスでも授業研究を行った。このクラスでは、前提問題でテンポよく復習した後【できる学力】、本時のめあてを「修学旅行の写真をみて、思い出を文章にしよう」とした。そして、児童に修学旅行の写真を提示しながら、「Where is this?」「What is this?」と尋ね、児童は英語や日本語で答えた。次に、導入問題で「修学旅行の写真をみて、“I ”を主語にして4語以内で英文を書いてみよう」と問いかけた。また、英単語がわからなければ、日本語で書いてもいいことを条件とした。そして協同探究場面では、「I  went to 金閣寺」「I  ate 弁当」「I enjoyed 映画村」「I bought 八つ橋」などの英文が出された。そこで、児童が出した英文の共通点を尋ね、主語のI が最初にあることや、次に動詞があって過去形であることに気付いた。次に、今後、このような英文を手紙にするために、どのような工夫が必要か尋ねたところ、「感想を入れたほうが良い」「内容が書かれていないので詳しくする」「前に習った『It was enjoyed to ~』などを使ったらいい」などの意見が出された。そこで、本時までに学習した(のり付けの役割をもつ単語である)前置詞や接続詞の使い方を振り返った。そして最後に、展開問題で「のり付けの役割をもつ単語を使って文章を考えよう」と問いかけた。児童一人一人が再度自分の書いた英文を見返し、前置詞や接続詞を使い始めた。児童は、「I went to お化け屋敷 with my friends」というように、工夫して英文を発表した。

(25)1年生生活科授業において

 先日に引き続き、別のクラスでも授業研究を行った。前時までに学習したことを振り返りながら、朝ご飯を食べる場面に注目した。自分が朝ご飯を食べる時、家の人がしていることを発表した。(家の人は)「朝ご飯を作る」「箸とか用意する」「片付ける」「買い物に行く」など、家の人が多くのことをしていることに気付いた。また、学校の用意をする場面、服を着る場面、お風呂に入る場面を思い出し、付箋を動かすなど、家の人がしていることを整理した。その後、導入問題で「カード(付箋)を動かしてみて、見つけたことや思ったことを書きましょう」と問いかけた。児童はしばらく付箋を見ながら考えた。児童は「ママが優しいと思った」「ありがたいと思った」「自分も頑張りたいと思った」などの意見を発表した。また、家の人はなぜたくさんのことをしてくれるのか尋ねると、「子どものこと大事に思っているから」「子どものこと詳しい(よく知っている)から」などの意見が出た。さらに、家の人にしてもらってどんな気持ちになるのか尋ねると、「うれしい」「いい気持ち」「楽しい」「ありがたい」と、児童は家族の支えに感謝の気持ちを表現した。(時間の関係で、次の時間に展開問題「『   』のために、自分にもできると思うことを考えよう」について考えることとなった。)

(24)6年生外国語科授業において

   先日に引き続き、別のクラスでも授業研究を行った。このクラスでは、前提問題で復習【できる学力】した後、導入問題で「修学旅行の写真を見て、“I ”を主語にして4語以内で英文を書いてみよう」と問いかけた。また、英単語がわからなければ、日本語で書いてもいいことを条件とした。そして、協同探究場面では、「I  went  Kinkakutemple」「I  ate 八つ橋」「I  ate 弁当 デリシャス」「I enjoyed 映画村」などの英文が出された。次に、このような英文を手紙のように相手に伝えるためにはどのような工夫が必要か尋ねたところ、「感想を入れたほうが良い」「英文の順番を入れ替えたほうが良い」「4語より多くして詳しくする」など意見が出された。そこで、本時までに学習した前置詞や接続詞の使い方を振り返った。そして最後に、児童一人一人が自分の書いた英文に感想や日時、場所などを付け加えたり、修正したりしながら英文を膨らませた。また、英文を組み合わせて手紙を書き始めた。

(23)6年生外国語科授業において

 先日に引き続き、別のクラスでも授業研究を行った。このクラスも同様に、海外に転校した友達に手紙を送ることを目的に、6年生の思い出話を英語で表現する学習を行った。まず、前提問題で英語の絵本の暗唱にチャレンジし、英語に慣れ親しんだ【できる学力】。また、月名の言い方や動詞の現在形と過去形など、覚えた英単語を簡単に振り返った【できる学力】。次に、導入問題で「(絵や写真を見て)6年生の思い出を振り返り、4語以内の英語で文章を書いてみよう」と問いかけた。日本語だけで文章表現する児童、いきなり英語を書き始める児童がいた。日本語だけで文章表現した児童も、友達の力を借りながら英文に直した。その後、4語以内の英文では、手紙としてどのように感じるか尋ねたところ、児童から「読みにくい」「文がつながっていない」「具体性がない」「感想を入れたらいい」「場所や日付を入れたらいい」「前置詞をつけたらわかりやすくなる」などの意見が出た。そこで、本時までに学習した前置詞の使い方を振り返った。そして最後に、自分の書いた英文を推敲して、よりわかりやすくなるように語句を付け加えたり、文がつながるように次の文章を考えたり、児童一人一人が手紙を書き始めた。

(22)なかよし学級体育科授業において

 本時のねらいを、「自分の身体の動きを知り、身体の動きを意識して運動することができる」とした。前提活動として、次の運動につながる準備体操、走る、カードを使った運動を行い、心と身体をほぐした。カードを使った運動では、前時までに、例えば「赤・1・木の絵」は止まる、「青・2・牛の絵」は歩く、「黄・3・犬の絵」は走るというように、色や数字、絵で運動を分けてカードの動きを理解した。その上で児童にカードを見せ、瞬時に動いたり、止まったりする運動を行った。そして、導入問題で、新聞紙で作成した棒を使う運動において「2つの技(上下キャッチ・たてキャッチ)をさらに上達させるためのポイントを考えよう」と問いかけた。各自、ポイントとして挙げられた目線、手(腕)、足の使い方を意識して練習した。練習後児童は、「棒をよく見る」「手(腕)が少し曲がっている」「足をリズムよく曲げ伸ばししている」など、2つの技を成功させるための身体の動きのポイントや共通点を見つけた。そして最後に展開問題で、「自分が気をつけたいポイントを決めて、表現しよう」と問いかけ、話し合ったポイントを意識して、曲に合わせてすぐに実践した。

(21)3年生人権学習の時間において

 この度、本校3年生の授業研究の様子を、加古川市人権教育研究部会(小学校及び養護学校部会)の各校人権教育担当の先生方に公開し、研究協議を行った。また、加古川市人権文化センター相談・啓発係の記村係長には、本研究にご指導賜り、研究協議会においても授業を振り返り、丁寧にご指導いただいた。

 さて、今回の授業では、先日のクラスに引き続き、導入問題で、自分が「安心して生活するために大切にしたいカードを3枚選ぼう」とし、選んだ理由を児童が発表した。このクラスでも、多くの児童が「毎日平和に暮らす」のカードを選び、「戦争がなく平和な毎日になれば安心して過ごせる」「平和でなければ食べ物や寝るところもない」などの意見が出た。また、「休んだり遊んだりできる」のカードを選んだ児童も多く、「みんなで一緒に遊んだら仲良くなるし、幸せになれるから」というような意見も出た。いろいろなカードを選び、理由を発表する中で、「自分の考えを言うことができる」のカードを選んだ児童がいなかったので、「誰も選んでいないから、このクラスには必要ないかな」と問いかけた。すると、児童は、「他にもいろいろ選ぶものがあったから選ばなかっただけ」と答えた。また、「自分の考えを言うことができなかったら、困っている時に助けてもらうことができない」「相手と話をする時に、自分の考えを言えないと相手の意見も聞けないから」など、全てのカードが必要であると全児童が答えた。そして最後に、展開問題として「みんなが安心して生活するために、自分ができることを考えよう」と問いかけた。児童は、「叩いたり蹴ったりしない」「からかうのを注意する。理由は自分の名前や国籍を馬鹿にする人は許さない」など、一人一人自分にできる身近なことを考えた。また、児童は「これからずっと気を付けていく」と答えた。

(20)1年生生活科授業において

 先日に引き続き、別のクラスでも授業研究を行った。前時までに、学校に行くまでの間に自分が家でしていること、家の人がしていることを色分けした付箋に書いて分けた。そして、本時の導入問題で「学校に行くまでの自分がしていること、家の人がしていることを比べて、気付いたことを書こう」と問いかけた。児童はしばらく付箋を見ながら考えた。また、付箋やプリントだけでなく、家の人がしていることを調べたり、家の人の様子を見て気付いたりしたことを書いてもいいことを伝え、児童は気付いたことや新たに発見したことを書いた。児童は、「いつも僕のために大変そうに用意しているから、自分のことをしようと思った」「全然違うことをしていた(例)自分が着替えている時に、食器を洗っている」「いつも忙しいのに、妹や自分たちのためにご飯を作ってくれる」など、家族の支えに気付き、発表した。また、なぜ家の人は忙しい中大変なことを毎日しているのか尋ねると、「みんなのため」「弟、妹、兄、自分の子どものため」「大好きだから」など、家族に大切にされていることに気付いた。最後に展開問題で「自分にもできることを考えよう」と問いかけた。また、ワークシートには、「わたしは、(  )のために(  )をするよ」「どうしてかというと、(  )」と、(  )の空欄に児童が記入できるように工夫した。「わたしは、(おかあさん)のために、(しょっきあらい)をするよ」「どうしてかというと、(いつもたいへんそうで、ごはんたべおわって、あらってくれているから)」というように、多くの児童は、家族のために自分ができることを考え、お手伝いしてみようという思いをもった。

(19)6年生外国語科授業において

 この単元では、海外へ転校した友達に手紙を送ることを目的に、修学旅行での思い出話を英語で表現する学習を行った。まず児童は、「英単語しりとり」(chromebookを使って調べたり、知っている英単語を使ったりして、(【例】meet ⇒ today ⇒ year ⇒)英単語をつなげていく活動【できる学力】)に取り組んだ。今まで数回取り組んでおり、3分間で20個以上の英単語がつながった児童もいた。また、曜日や月の英単語や発音、動詞の現在形と過去形を振り返った【できる学力】。そして、導入問題で「修学旅行の写真を見て、いろいろな思い出話を文章で表現してみて」と問いかけた。児童はまず日本語で文章表現した。その後、chromebookを使って調べたり、知っている英単語を使ったりして英語に直した。わからないところは日本語のままでも良いとした。「I saw Kyoto Tower」「The great Buddha was very big」などの発表があった。そして次に、文章表現、手紙の内容を詳しくするにはどのような工夫が必要か児童に問いかけた。児童は、「とてもみたいな強調、veryは良い」「enjoyなどの感情や感想を加えると良い」「前に習った、前置詞toやatを使ったらどうか」など、発言した。最後に、自分の書いた英語の文章を見返し、既習知識や友達からのアドバイスを取り入れながら、再度推敲した。

(18)2年生国語科(書写・硬筆)授業において

 先日に引き続き、硬筆教材で授業研究を行った。本時の本質(深い学び)を「文字の中心になる画や部分を見つけ、中心を意識しながら、字形を整えて丁寧に書こうとしている」と位置付けた。本時では、児童が書写体操(首や指の運動)を行った後、前提問題として、既習事項の「正しい姿勢、点と画、筆順、おおよその形」を確認した。そして、中心がそろっていない「千」の漢字を教師が見せた。児童は口々に、「左に寄っている」「何かおかしい」とつぶやいた。そこで、導入問題で「自分の思う うつくしい『千』を書こう」と問いかけ、児童一人一人がワークシートに「千」の試し書きをした。また、気を付けて書いた部分に印をつけ、何に気を付けて書いたのかをメモした。協同探究場面では、書画カメラでワークシートを拡大しながら、気を付けたことを共有した。「まっすぐに縦画を書くことを意識した」「3画目を線に沿って書いた」「真ん中の点線のところに字の中心がくるように書いた」などの意見が出た。次に、「立」「会」の漢字も同様に、自分の思う美しい「立」「会」の試し書きをして、気を付けた部分に印をつけ、何に気を付けて書いたのかをメモした。同様に気を付けたことを共有した後、教師は追究型発問(設定型)で「3つの漢字、どの漢字でも一緒になっていることがあるけれど、気付いた人いますか」と問いかけた。児童は「縦棒とかが全部真ん中」、別の児童は黒板の3つの文字を指し示しながら、3つとも真ん中にきていることを発表した。「真ん中」と「中心」は同じ意味であることを黒板で確認し、児童は3つの漢字のまとめ書きをした。次に、展開問題で「中心を考えながら『牛』『金』『山里』『音楽』を書こう」と問いかけ、児童一人一人が、中心となる画や部分を意識しながら、漢字を書いた。児童は、自分の書いた漢字を見返しながら、中心を考えて書くことで「綺麗に書くことができる」「読みやすい」「書きやすい」など、実感したことを話した。そして最後に、自分の名前を再度書いた。全ての児童が、名前の漢字やひらがなの中心を意識しながら、字形を整えて丁寧に書いた。

(17)5年生「特別の教科道徳」授業において

 先日に引き続き、別のクラスでも「くずれ落ちただんボール箱」により授業研究を行った。前提問題として、物語の場面把握を行い、おばあさんを助けた動機を確認した。そして、導入問題で「『いいえ、いいんです。』とだけ言ったわたしたちは、どんなことを思いながらその場を立ち去ったのだろう」と問いかけた。こちらのクラスでも、店員さんへの不満やいら立つ気持ち、おばあさんに感謝されたので、店員さんに怒られたことは「まあ、いいかな」という気持ち、男の子が迷子にならず帰ってきたので安心した気持ち、周りの大人が見ていたのに手伝ってくれなかったり、店員さんに説明してくれなかったりしたので、周りの大人へのいら立つ気持ちなど、わたしたちの複雑な気持ちを発表した。また、「誰もやらなかったら、段ボール箱は片付けられていない。わたしたちがきれいにしたことには意味がある。」など、複数の児童が、親切にすることの大切さを話した。最後に展開問題で「笑顔の二人はどんなことを考えているのだろう」と問いかけた。児童は、怒られていら立つ気持ちより、助けて良かった気持ちに変化したことを発表した。

(16)3年生人権学習の時間において

 先日に引き続き、別のクラスでも授業研究を行った。導入問題で、自分が「安心して生活するために大切にしたいカードを3枚選ぼう」とし、選んだ理由を児童が発表した。このクラスでは、多くの児童が「毎日平和に暮らす」のカードを選び、次に「休んだり遊んだりできる」「誰からも大切にされる」「医療を受けられる」「誰からも差別されない」のカードを選んだ。どのカードも安心して生活するために必要なことであるという意見が出た。さらに、「いろんなカードが『毎日平和に暮らす』ことにつながっているのではないか」「『自分だけの時間や場所がある』ことも大切だが、人に言われて嫌な時、『自分の考えを言うことができる』がないと、やめてと言えないのは嫌だ」「『誰からも大切にされる』ことと、『毎日平和に暮らす』ことは同じではないか」など、カードとカードの関係性に注目した意見が多く出された。最後に、展開問題として「みんなが安心して生活するために、自分ができることを考えよう」と問いかけた。児童は、「自分のことだけでなく人を大切にし、みんなが大切にしようと思わないといけない」「自分にできることは、人の気持ちを考えること」など、一人一人自分にできる身近なことを考えて発表した。

(15)1年生生活科授業において

 前時までに児童は、自分が家でしていること、家の人がしていることを色分けした付箋に書いた。そして、本時のめあてを「自分がしていることと、家の人がしていることを比べよう」とした。例えば、自分は「ご飯を食べる」と家の人が「ご飯を作る」というように、付箋を動かしながら関連していることを近くにして左右に貼り分けた。その後、導入問題で「比べてみて、気付いたこと、思ったこと、こんな気持ちになったということを書いてみて」と問いかけた。児童はしばらく、左右に貼り分けた付箋を見ながら、ワークシートに記入した。児童は、「家の人はいろいろなことをしてくれる」「家の人はいつも大変そう」「毎日家の人がしていることがいっぱい」など、家族の支えに気付いた。また、なぜ家の人はこんなにたくさんのことをしてくれるのか尋ねると、「自分たちのため」「家族のため」「自分たちが大きく育ってほしいから」など、家族の支えがあって自分が生活できることに気付いた。さらに、思ったことを尋ねると、「いつもありがとう」「いつも手伝ってくれる」など、家の人へ感謝の気持ちを発表した。最後に展開問題で「家族のために、自分はどんなことができるか考えよう」と問いかけた。児童は、「洗濯たたみ」「お風呂掃除」「草抜き」「ハムスターのお世話」など、自分がお手伝いできそうなことを考えて発表した。

(14)5年生「特別の教科道徳」授業において

 先日に引き続き、別のクラスでも授業研究を行った。同じ教材「くずれ落ちただんボール箱」により、道徳的な判断力、心情、実践意欲を育む授業づくりを行った。導入問題で「『いいえ、いいんです。』とだけ言ったわたしたちは、どんなことを思いながらその場を立ち去ったのだろう」と問いかけた。「なぜ店員さんに怒られたのだろう」「自分たちは悪くないのに」というような店員さんへの怒りの気持ちや、「怒られたけど良いことをした」「おばあさんと男の子を助けて気分がいい」というような親切にして良かったと思う気持ち、周りのお客さんへの気持ちなど、様々な感情があることを発言した。また、「困っているおばあさんを見ている周りの人が、誰も助けないからもやもやして、そのままにしていられない気持ちになり、わたしたちは段ボール箱を整理し始めた」という意見も出された。展開問題で「校長先生の話(店員さんからの謝罪と感謝の手紙)を聞いて、二人は自分たちの行動についてどのようなことを思ったのだろうか」と問いかけた。児童は、親切な行動がもつ価値や思いを行動にうつすことの大切さを感じていた。

(13)5年生図工科授業において

 単元を通して、「3点の美術作品から1点作品を選び、選んだ理由をあげ、作品の良さを味わう」「美術作品について調べ、自分の見方・感じ方で鑑賞する」「友だちの考えや意見を認め合いながら、更に自分の考え、自分の見方・感じ方を広げたり深めたりする」ことをねらいとした。3点の美術作品は「1.優しい少女の表情を演出するための『ハイライト』を用いたフェルメール作『真珠の耳飾りの少女』」「2.目には見えない苦悩や葛藤を描いたムンク作『叫び』」「3.常に動き続けて決まった形のない波の一瞬を永遠の形に表現し、絵画のように見えるが版画である葛飾北斎作『富嶽三十六景・神奈川沖浪裏』」を児童は鑑賞した。事前にじっくり作品鑑賞したり、調べたりした内容を発表し合った。児童は、技法・色合い・形・構造・バランス・特徴・意図・気持ちなど、様々な見方で作者の工夫点や作品の良さを見つけ、感じたことを発表した。また、教師が補足説明した。その後、友だちの発表を聞いて新たな気付きや発見、新たな見方について意見を出し合った。

(12)5年生「特別の教科道徳」授業において

 本時のねらいを、「誤解されたわたしの心の動きを共感的に理解することを通して、相手が分かってくれなくても親切にすることの大切さに気付き、誰に対しても思いやりの心をもち、親切にしようとする道徳的実践意欲を培う」こととした。児童は話のあらすじを捉えながら、わたしと友だちの言動や気持ちを確認した。そして、導入問題で「『いいえ、いいんです。』とだけ言ったわたしたち(わたしと友だち)は、どんなことを思いながらその場を立ち去ったのだろう」と問いかけた。「親切に段ボール箱を直しただけなのに、どうして怒られたのかわからない」「言いたいことたくさんあるけど、役に立てた」「男の子が迷子にならず、おもちゃ売り場に行けて良かった」など、わたしたちの心の動きや葛藤を捉えながら発言した。児童は、(段ボール箱を直すことを)手伝わなければよかったという気持ちから手伝ってよかったという気持ちに変化していることに気付いた。そして、うれしそうに2人(わたしと友だち)で話をしている挿絵を見ながら、追究型発問で「2人はどんなことを話しているのかな」と問いかけた。「おばあさんに喜んでもらえた」「店員さんの誤解が解けて感謝され、わたしたちも喜んでいる」などの発言があった。また、感想の中にも「2人の勇気や優しさを学びました」「最初(誤解されて)ものすごく腹が立った。2人がおばあさんを助けたことは事実だから、その気持ちを大切にしていったらいいのかなと思いました」など、2人の親切な行動から児童は多くのことを学んだ。

(11)なかよし学級国語科授業において

 本時では、話し合い活動を通じて、他の児童の多様な意見を参考にしながら、自分の考えを整理することをねらいとした。まず、ICT機器を活用して、前時の学習の足跡(前時の黒板の写真)を大きく見せながら、振り返りを行った。そして、導入問題で「山小屋で楽しく過ごすために何を持って行くか考えよう」と問いかけた。川遊びをしたいから「ライフジャケット・浮き輪・水着・水鉄砲」を持っていきたい。バーベキューをしたいから「ガスバーナー・フライパン・ファイヤースターター・ガス缶」が必要だというような意見が出た。また、なぜ必要か考えたり、代用できる物がないか考えたり、意見を交流した。そして最後に、条件として荷物は全て持っていくことができなかったことを想起させ、展開問題で、友だちの意見を聞いて「持っていきたいものを5つ選びましょう。」と問いかけた。書く時間は短かったが、今日の黒板を見ながら、やってみたい遊びを選び、さらに持っていきたいものを厳選して表現した。

(10)2年生国語科(書写・硬筆)授業において

 先日に引き続き、硬筆教材で授業研究を行った。本時では、漢字の中心になる画や部分を見つけ、中心を意識しながら字形を整えて丁寧に書こうとすることをねらいとした。まず、前提問題として、前時までの学習を振り返り、「正しい姿勢・点と画・書き順・形」を意識して正しく丁寧に書いたことを確認する。次に、中心線からずれた「千」を掲示すると、「中心があっていない」「真ん中の線に沿っていない」「ばってんの所が真ん中にあっていない」など、おかしいと感じる部分について意見が出た。そして、導入問題で「自分の思うきれいな形で『千』をためし書きしてみて」と問いかけた。また、どんなことに気を付けて書いたかワークシートにメモさせた。ためし書きを終えた児童は、書画カメラを使いながら、「線の真ん中を中心にして書いた」「四角の中の中心に合わせて書いた」など、中心・たて画・中心線を意識して書いたことを発表した。続いて、「糸・金・立」のためし書きと気を付けて書いた部分について発表した。今回は時間の関係でまとめ書きはできなかったが、全ての児童が、「広・室・会・楽」の漢字にも挑戦し、漢字の中心を考えながら、字形を整えて丁寧に書いた。

(9)3年生人権学習の授業において

 人権学習の教材で協同的探究学習による授業研究を行った。本時の本質(深い学び)を「価値観や考え方は人それぞれ違うことに気付き、自他の価値を尊重しようとする態度を養う」と位置付けた。まず前時に、12枚の「大切なカード」(安心して生活するために、大切にしたいこと【例】「誰からも差別されない」「誰からも大切にされる」「自分の考えを言うことができる」などの言葉と絵が描かれたカード)の内容と言葉の意味を確認する。難しい言葉は、3年生にわかるように説明した。本時では、導入問題で、自分が「安心して生活するために大切にしたいカードを3枚選ぼう」とした。また、選んだ理由を児童一人一人が考え、発表した。多くの児童は「毎日平和に暮らす」「誰からも大切にされる」カードを選び、「安心して暮らせる」「平和じゃないとみんなが怖い気持ちになる」「いつもどおりの生活がしたい」というような意見が出た。さらに、全体を見て気付いたことを尋ねると、児童は「(選んだ人が)多い少ないは関係ない」「どれだけ考えて選んだかが大切」「全部大切で必要」という意見が出た。最後に、展開問題として「みんなが安心して生活するために、自分ができることを考えよう」と問いかけ、児童は考えた。「ルールを守る」「みんながみんなで仲良くする」など、自分が学校生活できることを考えたり、世界中の人々を捉えて自分ができることを考えたり、一人一人自分ができることを考えた。

(8)2年生国語科(書写・硬筆)授業において

 本校で初めて、硬筆教材で協同的探究学習の理念に基づく授業研究を行った。本時の本質(深い学び)を「漢字の概形には、おおよそ4種類あることを理解して既習の漢字を分類し、それぞれの形を意識して漢字を正しく美しく書こうとする」と位置付けた。本時では、めあてを「形に気を付けて美しく書こう」とし、前提問題として、4つの「月」の漢字を順番に見せた。(1)横長四角の「月」(2)三角のような「月」(3)真四角の「月」(4)縦長四角の「月」を順番に見ながら、(1)~(3)は、何か文字がおかしいと、ジェスチャーを交えながら説明した。そして、(4)を見た時、多くの児童が美しく見えると回答する中、導入問題で「自分の考える美しい『月』を書いてみて」と問いかけた。多くの児童は、(4)縦長四角の「月」を意識しながら、プリントに書いた。書いた後、複数の児童が意識して書いた部分を説明した。さらに、(1)~(4)の形で書かれた「山」「村」「四」の漢字を順番に提示し、どの形の「山」「村」「四」が美しく見えるか考えた。児童は「幅が太いからおかしい」「ガリガリだから変だ」「曲がっていて『風』に似ているけど違う」など、それぞれの字の特徴・概形を捉えて、美しい形を意識した。その後、教師が概形やとめ・はね・はらい、気を付ける部分を確認しながら手本で書き、児童は手本を見ながら、再度正しく丁寧に書いた。次に、8枚の漢字を(1)~(4)の形に分類し、分類した漢字の中にある4つの漢字を取り上げ、展開問題で「形を考えながら『目』『六』『花』『人』を書いてみよう」と声をかけ、一人一人がプリントに書いた。授業の最後に多くの児童は、形を意識して書くことで、「前よりも字がきれいになった」という感想を述べた。

(7)なかよし学級 特別活動において

 1学期に実施した夏祭りの経験を生かし、今回は「なかよし秋祭り~地球に優しく!みんなで楽しむ秋祭り~」を計画している。本時の導入問題で「『地球に優しく!』のテーマに合う屋台を考えよう」と問いかけた。児童は、どのような屋台を作りたいか具体的に考えた。「キャップレース」「ボーリング」「お面を作る」などの意見が出された。また、地球に優しいと考えたポイントも紹介し、「物を大切に使う」「ごみを捨てない」「新聞紙、空き缶、なかよしの教室にある軍手を丸めて使う」など、一人一人が工夫しているアイデアを出した。さらに協同探究場面で、一人一人がイメージしている屋台の細かな点を確認しながら、クラス全体で情報を共有し、疑問点を出し合った。児童から「面白そう」「やってみたい」という声が自然とあがった。さらに、展開問題で、今考えた屋台を「さらに『みんなで楽しむ』のテーマに合うものにするにはどうすればよいか考えよう」と問いかけた。児童は、屋台に参加する児童や保護者をイメージして、「うまくいかなくて怒るかもしれないから、声をかけて応援する」「お面が怖かったらいけないから、かわいいお面を作る」「ルールをひらがなで書いてあげる」など、お客さんである児童を気遣いながら、みんなで楽しむことのできる屋台、秋祭りを計画した。

(6)4年生学級活動(養護教諭研究授業)において

 本時の本質(深い学び)を「色や職業などにイメージ(性別や印象など)があることに気付くとともに、自分らしく過ごしていくことが大切であることを知る」と位置付けた。そして、導入問題で、例えば、自分の家族に弟がいたとして、「小学校入学前にピンクのランドセルを選ぼうとしている弟に、何と声をかけますか」と問いかけた。児童は「6年生になったら恥ずかしくなるかもしれないから、黒や紺はどうかな」「男の子だから黒色みたいな方が似合うのではないかな」という意見や、「ピンクでもいいよ」「自分がいいならそれでいいのではないかな」という意見も出された。また、消防士・大工・保育士・看護師の顔を伏せた写真を見せ、イメージを聞き、消防士や大工は「体が強い、力のある人、男の人が多い」などに比べて、保育士や看護師は「優しい、怖い人だと泣いてしまう、女の人が多い」などの意見が出された。女性の消防士や大工、男性の保育士や看護師の顔を披露した時、教室には「え~」という声があがった。その後、仕事をしている方の表情に注目し、イキイキと仕事をされている姿を見ながら、「なぜ、その仕事を選んだのかな」と問いかけると、「誰かの笑顔が見たいから」「男女関係なく仕事がしたいから」「自分の好きな仕事をして自分らしく生きる」という意見が出された。また、自分らしいとは「自分にできないことも伸ばす」「誰かに決められるのではなく自分で決める」などの意見が出され、自分勝手とは違い、他の人の気持ちを思いやることも必要であることに触れた。そして、展開問題で「自分らしく過ごすとはどういうことでしょうか、自分らしく過ごそうとしている人に、どんな声かけができると思いますか」と問いかけた。「男女関係なく自分らしく過ごすといいよ」「自分ができそうな仕事をしてみたらいいよ」というような応援する言葉がけを多くの児童が考えた。自分らしくいようとする周囲の人を認め合える授業となった。

(5)4年生社会科授業において

 先日から授業研究及び授業改善を重ね、4年生の別のクラスでも授業研究(全校授業)を行った。単元を通して「自然災害から地域の安全を守るための取組の意味を考え、社会への関わり方を選択・判断できる力、考えたことや選択・判断したことを表現する力を養う」「自然災害から地域の安全を守るための諸活動について、思考や理解を通して、地域社会に対する誇りと愛情、地域社会の一員としての自覚を養う」ことを目標として、授業を進めてきた。今回の授業では、導入問題で「地震や津波に備えてわたしたちができる取組を考えよう」と提示した。わたしたちの「たち(複数形)」の家族・学校・地域等、範囲をあえて提示せず、大きなくくりで課題を提示した。今までに学んだ、県・市・地域の取組を振り返る中で、わたしたちができる取組について考え始めた。協同探究場面では、友だちの意見を関連付け、整理しながら発言した。最後に展開問題で「野口北小学校の地域を災害に強い町にするにはどうすればいいだろう」と提示した。児童は、今まで学習してきたことを基に、「町の人と協力して防災訓練をしなければならない」「もっと地域の人のことを知る」「県の補助や協力で、丈夫な家を建てる必要がある」など、公助・共助・自助のつながりを意識した発言と自分たちの町についてもっと見直していきたいという思いが出された。

(4)4年生社会科授業において

 4年生の別のクラスでも授業研究を行った。導入問題で「地震や津波に備えて自分たちにできることを考えよう」と提示した。今までに学んだ、県・市・防災センター・自治会の取組を振り返る中で、自分たちも備えないといけないという思いと意見が自然と出された。「防災グッズをそろえる」「あらかじめ避難訓練を受けて真面目に行う」など、自分たちができそうなことを考えた。また、「自分たちができること、自治会や市、県も関係している」「全部が全部つながっている」という意見も出され、共助、公助とのつながりを意識して、自助を考える児童もいた。

(3)4年生社会科授業において

 先日に引き続き、別のクラスでも、導入問題で「地震や津波に備えて、私たちにどのような取組が必要なのかを考えよう」と提示し、個別探究を始めた。「家族会議をする」「設備がどこにあるか知っておく」「避難場所を覚えておく」など、様々な意見が出され、全ての意見が家族全員が知っておかなければならないこと、家族でできることであると、類似点を見つけた。また、私たちとは家族全員のことであると捉えた。さらに、私たち家族だけが備えるのではなく、「過去の出来事を伝えていかないと、未来の人はわからない」「自治会と相談して、高齢者や車いすの方も避難できるように訓練しないといけない」など、黒板を見直し、公助・共助・自助の視点から発言する児童も見られた。

(2)4年生社会科授業において

 前時までに、国・県・市の関係機関、自治会や地域の人々が、地震や津波などの災害から人々を守る活動や備えについて学習してきた。そして、本時では、導入問題で「地震や津波に対してわたしたちができる備えは何だろう」と提示し、個別探究を始めた。「避難場所を知ることから始めなければ」「食べ物や水、薬などを備えておかなければ」など、多様な意見が出された。児童の意見の中で、「普段持っているかばんに長持ちする食べ物を入れておく」という意見が出され、「普段」「長持ち」という言葉を使った理由をクラス全体で考えた。いつ地震が起きるかわからない、外出時に災害に遭うかもなど、友だちの考えを共有して深く考えた。また、関係機関や地域の人々、そして自分たちができる備えを行い、互いに連携することで、災害から身を守っていくことが大切であると学んだ。

(1)なかよし学級 特別活動において

 前時までに、実際に土に触れたり、土や地球についての絵本を聞いたりした。また、環境破壊やSDGsについて学習を積み重ねてきた。本時では、「感謝の気持ちをもって、自分にできる『地球に優しい』ことは何かを考え、みんなに伝える力」を育成することをねらいとした。導入問題で「やっていった方がいい、地球に優しいことは何かを考えよう」と児童に投げかけ、一人一人が考えた。「食べ物を残さない。理由は無駄になるから。」「にこにこ笑顔。理由はみんなが仲良くなるから。」(戦争に関する意見も出た)など、地球に優しい行動について、具体的な意見が出てきた。子どもらしい発想と発言で、学級全体で伝え合い、意見を聞き合う力が育まれた。

令和4年度 授業研究

(27)2年生国語科授業において

 先日に引き続き、別のクラスにおいても「スーホの白い馬」の教材で授業研究を行った。導入問題「スーホは馬頭琴を弾いているとき、どんなことを考えているのだろう」と児童に問いかけた。児童は既習事項を確認しながら、どんなことを思い出して弾いているのか考えた。また、その時どんな気持ちで弾いているのか考えるよう教師は話した。協同探究場面では、「うれしい、楽しい、悔しい、悲しい、温かい」など、スーホの複雑な気持ちを表現するとともに、今までの白馬との思い出や悲しい出来事、馬頭琴を作った理由やこれから先のことなど、スーホがどんなことを考えながら弾いているのか発表した。中には「楽しかった日々を思い出すから悲しい」「生きていたら遊べるけど、死んでしまったからできない」など、複雑な気持ちを児童の言葉で発表した。また教師も追究型発問「楽しい日々を思い出したら、楽しくならないの」「馬頭琴を弾いたら白馬を思い出すなら、弾かなかったらいいのでは」など、児童の思考を揺さぶる発問を行った。

(26)4年生音楽科授業において

 音楽科担当教師が、4年生音楽科で音階をもとにして音楽を作る授業を行った。

 前時に、児童一人一人がchromebookでバーチャルピアノを活用しながら2小節の旋律をつくり、自分が選んだ木琴・鉄琴・キーボードなどの楽器を使って演奏した。また、演奏している様子や音を動画で撮影し、発表ノートに貼り付けた。

 本時では、導入問題「『沖永良部の子守り歌」の音階をもとにまとまりのある旋律をつくろう」とし、前時につくった2小節の旋律に続きの旋律をつくり、まとまりのある音楽を完成させることとした。まず、友だちのつくった前時の旋律をお互いに鑑賞し、音の動きや曲の感じについて気付いたことを出し合った。また、矢印や「あがる、さがる、ジャンプ」などの言葉を使いながら、旋律の工夫や曲の感じの面白さを発表した。そして、教師が追究型発問で「旋律の最後がドになると、どのような感じがするか」問いかけ、教師が実際に演奏した。すると、児童は「ドの方がまとまりがある」「他の音にすると少し違和感がある」など、最後を「ド」にした旋律の特長を発表した。最後に、展開問題「まとまりのある旋律を完成させよう」とした。児童は、協同探究場面で出し合った工夫や気付き、「ド」にした旋律の特長を意識し、前時の2小節も修正しながら2小節を付け加えて完成させた。一人一人が自分の伝えたい思いを旋律に表現した。

(25)4年生算数科授業において

 先日に引き続き、4年生において、伴って変わる2つの数量の関係を整理して、変化や対応の特徴、数の規則性について考える授業を行った。

 こちらのクラスでは、導入問題「1辺が1cmの正方形を並べて、下のような(※ワークシートには図がある)階段を作っていきます。段の数とまわりの長さの変わり方には、どんなきまりがあるか調べましょう。」について考えた。個別探究では、他のクラス同様、表に数値を記入して表を上下左右に見て、数の規則性を見つける児童も多くいた。また、表に矢印や数値をメモし、言葉の式や立式をワークシートに記入した児童もいた。協同探究場面では、ワークシートを書画カメラで拡大しながら、2つの数量の関係や数の規則性を説明した。展開問題では「正方形の1辺の長さが、1cmから5cmまで1cmずつ大きくなります。1辺の長さとまわりの長さの変わり方には、どんなきまりがあるか調べましょう。」とし、1辺の長さが1cmずつ増えるとまわりの長さがどのように変化するのか、一人一人が考えた。そして、児童は表や言葉の式、立式などから、問題は違うが変化や対応の特徴、数の規則性は同じことにすぐに気付いた。そこで教師は、追究型発問「なぜどちらも4ずつ増えているのか」と児童に投げかけると、両方の問題に共通する4ずつ増えることについて、児童はホワイトボードの磁石を動かしながら丁寧に説明した。説明を聞いていた多くの児童から「なるほど」「わかった」というような声があがった。

(24)4年生算数科授業において

 別のクラスでも、伴って変わる2つの数量の関係を整理して、変化や対応の特徴、数の規則性について考える授業を行った。

 こちらのクラスでは、導入問題「1辺が1cmの正方形を並べて、下のような(※ワークシートには図がある)階段を作っていきます。段の数とまわりの長さの関係のきまりを見つけよう」について考えた。個別探究では、表に数値を記入し、表を上下左右に見て、数の規則性を見つけた。また、表に矢印や数値をメモし、言葉の式や立式をワークシートに記入した。協同探究場面では、「段の数」「まわりの長さ」という言葉を使い、2つの数量の関係や数の規則性を説明した。展開問題では「正三角形の1辺の長さとまわりの長さの関係のきまりを見つけよう」とし、1辺の長さが1cmずつ増えるとまわりの長さがどのように変化するのか、一人一人が考えた。表や図、矢印や言葉の式など、一人一人がワークシートに自分の考えを整理して説明した。

(23)4年生算数科授業において

 先日に引き続き、別のクラスでも伴って変わる2つの数量の関係を整理して、変化や対応の特徴、数の規則性について考える授業を行った。

 こちらのクラスでは、導入問題「1辺が1cmの正方形を8段並べて階段の形を作ったときの、まわりの長さを調べよう」について考えた。個別探究では、表に数値を記入する児童、立式して計算で求める児童、変わり方のきまりを言葉の式で記入する児童など、答えを求めるだけではなく、2つの数量の関係や変化の規則性を考えて表現した。協同探究場面では、表を左右や上下に見て、2つの数値の関係や変化の規則性を考え、児童は、「段の数が1つ増えるごとに、まわりの長さが4cmずつ増えること」、「段の数を4倍したらまわりの長さになること」などに気付いて発表した。教師は答えの正誤にこだわるのではなく、「なぜそのような考え方で答えを導いたのか」、「共通点である4という数値は何なのか」など、学級全体の児童に問いかけ、考えを深めた。

(22)2年生国語科授業において

 本時は「スーホの白い馬」の教材で授業研究を行った。導入問題「スーホはどんな気持ちで馬頭琴をひいたのか考えよう」と児童に問いかけ、さらに、気持ちだけではなく、どんなことを思い出してそのような気持ちになったのか、理由も考えるよう教師は話した。個別探究の場面では、児童一人一人が、理由(思い出している場面)と馬頭琴をひいている時のスーホの気持ちを想像してワークシートにまとめた。そして、協同探究場面では、「うれしい、楽しい、幸せ、心を込めて、悲しい、悔しい」など、スーホの複雑な気持ちを表現した。既習場面を一人一人振り返りながら、叙述を基に発表した。なぜ馬頭琴を作ったのか、なぜ馬頭琴をひき続けたのかを問いかけながら、児童はスーホの白馬への思いについて考え深めた。

 そして、最後に展開問題「スーホは馬頭琴を聞く人たちに何を話したのだろう」と児童に問いかけた。児童は、楽しいことや悲しいことがたくさんあったけれど、大切な白馬のことを思いながら馬頭琴をひき続けていることを、スーホに同化して表現した。

(21)4年生算数科授業において

 本時は、伴って変わる2つの数量の関係を整理して、変化や対応の特徴、数の規則性について考える授業であった。

 まず児童は、導入問題「1辺が1cmの正方形を並べて、階段の形を作っていきます。段の数とまわりの長さの関係を調べよう。」について考えた。また、問題の意味を確認するため、段の数が1段の時はまわりの長さが4cm、段の数が2段の時はまわりの長さが8cmと、黒板の図を使いながら学級全体で確認した。個別探究では、図にメモしながら表に数値を記入する児童、言葉で気付いたことを記入する児童、文字式で表す児童など、2つの数量の関係を表現した。協同探究ではホワイトボードを使いながら、変化や対応の特徴、数の規則性を出し合った。児童は意見を出し合う中で、共通する数字の4に気付いた。そこで、教師は「共通する数字の4は何を意味しているのか(追究型発問)」と、児童に問いかけた。児童なりに深く考え、表現しようとしていた。

(20)4年生図工科授業において

 図工科担当教師が4年生図工科で「ポーズのひみつを探ろう」というめあてにより、美術作品2点を鑑賞する授業を行った。

 まず、児童は、1点目の現代アートの作品を、chromebookでじっくり鑑賞した。ICT機器の特長を生かし、児童は作品を指で拡大して細部にわたり鑑賞した。その後、一人一人がムーブノートを使って、根拠を基に想像したことや感じたことを表現した。児童が注目した点として、人物の「顔(表情)、前髪、頭のタオル」そして「腕を組んでいる」というポーズなどがあった。ポーズやその他の部分から、一人一人が協同探究場面で人物の気持ちや時代背景、作品の物語を表現した。

 次に2点目の作品を鑑賞した。1点目と違い19世紀に描かれた有名な名画である。しかし、児童は見たことがない様子で、より想像力をかき立てられた。人物の「帽子、服装」だけでなく「背景の街並み、動物」などから時代背景と人物の生活を想像した。また、「指で何かを差している、何か拾っている」というポーズに注目し、周りの風景や人物の人数、人物のポーズや様子から作品の物語を表現した。

 最後にどちらの作品にも、描いたポーズには作者の思いがあり、描き方を工夫していることを意見交流した。

(19)1年生国語科授業において

 先日に引き続き別のクラスでも「たぬきの糸車」の教材で授業研究を行った。前時に、導入問題「糸を紡いでいる時のたぬきの気持ちを考えよう」と児童に投げかけ、一人一人がじっくり考えたことを発表した。糸車を回すことができたうれしさやおかみさんへの思いを児童の言葉で表現した。また、黒板を見ながら出された意見を関連づけ、整理する中で、自分(たぬき)のことを考えている意見とおかみさんのことを考えている意見に分かれることに児童は気づいた。さらに、糸車を回すことができて、自分(たぬき)も楽しいがおかみさんのために糸を紡いでいるので、「全部楽しい」と答えた児童もいた。

 次に、たぬきの楽しい気持ちやうれしい様子が表れている言葉を教科書から見つけ出し、「ぴょこんと外にとび下りる」「うれしくてたまらない」「ぴょんぴょこ踊りながら帰る」部分に注目した。これらの言葉を実際に動作化する中で、児童は「うれしい気持ちでいっぱい」「すごくうれしい」「もっともっとうれしい」など、帰る時のうれしくてたまらない気持ち、うれしさが増していることに気づいた。

 そして、最後に展開問題「踊りながら帰っていく時のたぬきの気持ちを考えよう」と児童に投げかけ、うれしくてたまらない気持ちを児童は考えた。高まったうれしい気持ちを自分の言葉で表現した。

(18)1年生国語科授業において

 先日に引き続き別のクラスでも「たぬきの糸車」の教材を使い、国語科において授業研究を行った。大まかな話の流れや内容を振り返った後、糸を紡ぎながらたぬきが考えていたことを出し合った。児童は、糸車を回して楽しかった思いとおかみさんへの思いを出した。おかみさんへの思いとして「喜ばせよう、早く帰ってきてほしい、迷惑かけてしまった、謝らないと」など、自分のことだけでなく、たぬきがおかみさんのことも考えていたことに気づいた。また、「わなにかかった時に助けてくれたから、糸をいっぱい紡がないと」というような意見も出され、他の児童からも「助けてくれてありがとう」という意見や、短くまとめて「感謝の気持ち」という言葉も出された。さらに、「踊りながら帰っていくたぬきの気持ちを考えよう」と児童に投げかけた時には、「糸車を回させてくれてありがとう」「助けてくれてありがとう」と同じ感謝の気持ちにも違いがあることに気づいた。児童はたぬきと同化し、たぬきの行動や様子、挿絵の表情からおかみさんに対する様々な気持ちを読み深めた。

(17)1年生国語科授業において

 前時の最後に、導入問題として「糸を紡いでいる時のたぬきの気持ちを考えよう」と児童に投げかけ、教科書のたぬきの行動や気持ちを表す文章や挿絵を基に、一人一人がたぬきの気持ちを想像しながら吹き出しに書いた。

 本時は、最初に吹き出しに書いたたぬきの気持ちを出し合った。児童は、糸車を回して楽しかった思いとおかみさんへの思いを出した。そして、次の場面につなぎ、展開問題として「踊りながら帰っていくたぬきの気持ちを考えよう」と児童に投げかけた。そして数名の児童に、実際に踊りながら帰る様子を動作化させ、その様子を見ながら、一人一人がたぬきの気持ちを考えた。うれしくてたまらない気持ち、踊りながら帰る時の気持ちに注目させ、児童はさらに様々なうれしさと楽しさがあることに気づいた。

(16)3年生体育科授業において

 この度、本校3年生の研究を、加古川市体育科研究部会(小学校及び養護学校部会)の各校体育担当の先生方に授業公開し、研究協議を行った。また、兵庫教育大学筒井茂喜教授には、本研究にご指導ご鞭撻を賜り、研究協議会においても授業を振り返り、丁寧にご指導いただいた。

 さて、この授業では、まずウォーミングアップで、児童は紅白しっぽ取りを行い、心と体を解放させて体育館の中を走り回った。相手チームの児童から逃げる際にスペースを見つけ、動きやスピードに変化をつけ、楽しくみんなが体を動かした。

 次に、既習の4対2のゲームを想起しながら、導入問題で「4対3の問題点を考えながらやってみよう」と教師は声をかけた。実際に4対3でゲームをしながら、パスを受ける味方にDFが全員ついていたのでパスが出せなかったり、パスをもらう動きに戸惑いを感じたり、多くの問題点を実感した。そして、児童は実感した問題点を出し合う中で「もらうスペースが狭くなった」ということにも気づいた。そこで、教師は「どうすればスペースを作ることができるかな」と切り返し、児童は「誰かおとりになる」「フェイントをかける」という考えを出した。この児童の意見や考えをヒントにしながら、本時のめあて「スペースを見つけてパスを出し、ゴールに向けてつき進もう!」を確認した。

 その後、再度4対3でゲームを行いながら、DFを横に揺さぶったり、フェイントをかけたりしながら、児童はスペースを作った。また、DFの前に出る動きに気づき、実践する児童もおり、様々な動きや味方の動きを組み合わせてスペースを作った。まだ、組み合わせてできるスペースを意識して動けなかったり、スペースを見つけて走る人とパスを出すタイミングが合わなかったり課題はあるが、今後も教師の声かけにより、チーム内で様々な考え(作戦)を基に動きを組み合わせながら意識して実践させたい。また、チームや学級の中に、運動の得意な児童や苦手な児童、言葉に出す児童や黙々と取り組む児童など、様々な個性や多様な考え方があり、異なる意見もチーム内のみんなで調整して組み合わせ、よりよいチームや学級づくりに向けて、みんなで楽しくよりよい学びを進めていきたい。

(15)3年生体育科授業において

 先日に引き続き別のクラスでもアルティメットの授業研究を行った。こちらのクラスの本時のめあては「チームで協力して得点を決めよう」とし、チーム内で協力方法や得点方法を具体的に考えた。最初は「オフェンスの空いている所に行ってパスをする」とだけ作戦ボードに書いていたチームも、ゲームをしたり、チーム内で気付いたことを出し合ったりする中で、「空いているところに行く」「みんなの位置を確認する」など、具体的なアイデアが増え、ゲームの中でみんなが声を出し合い実践した。

(14)5年生算数科授業において

 先日に引き続き別のクラスでも台形の面積の求め方について児童一人一人が考えた。児童はクロムブックを使いこなし、デジタルの図形の上に、指やタッチペンで線や矢印を書いたり、色分けしたり、文字入力したりしながら思考の過程を表現した。また、協同探究場面では、大型モニターや各自のクロムブックを見て、多様な求め方について意見を出し合い、一人一人の考えについて理解を深めた。さらに、全員の考え方の共通点について考えた。児童は、みんな足したり分けたりして形を変えて計算できる形にしていること、台形の公式を求めなくても台形の面積は求められることに気付いた。

(13)3年生体育科授業において

 昨日に引き続き別のクラスでもアルティメットの授業研究を行った。本時のめあてを「ゴールまでパスをつなげよう」とし、導入問題で、児童はパスをつなげるための作戦(動きなど)を具体的に考えた。オフェンス(※3年生児童が理解して使用した言葉)はディフェンス(※同様)の前でパスをもらわなければいけない。投げる前にディフェンスがどこに動くか確かめてから投げる。言葉で言うとバレるので、目で合図してお互いによく見ておくなどの発言があった。また、ゲームの途中でパスがよくつながっているチームを全員で見学した。見学時の気付きにも、ディスクを持っていない人がよく動いている。集まっているところから抜け出していた。キャッチした瞬間ゴールをねらっていたなど、児童はオフェンスの動きに注目して新たな作戦を立てた。

(12)3年生体育科授業において

 今回3年生は体育の時間に「ゴール型ゲーム アルティメット」を初めて導入した。ディスクはドッヂビーを使い、ドッヂビーをパスし、最終ゴールにいる味方にシュート(パス)して得点とした。本時の授業では、ゲームとゲームの間に中間発表を行い、ゲームで気づいたことや意識したことを共有した。相手がいない場所に味方が来た時にパスを出すようタイミングを工夫した児童、パス&ラン(パスをしたらすぐに動いてまたパスをもらう)を使って得点した児童、声を出し指示を出し合った児童など、シュートチャンスをつくるために、個人やチームで工夫したことを出し合った。中間発表後のゲームでは、共有したことが生かされ、児童の動きに変化が見られた。

(11)6年生算数科授業において

 導入問題に入る前におよその形が捉えやすいキャラクターの写真を提示した。児童はテンポよくキャラクターの形を面積を求めやすい別の形に自然と見立てた。その後、加古川市の地図を提示し、児童一人一人が面積を求めやすい別の形に見立て考え始めた。中でも、できるだけ誤差を少なく正確に求めようと工夫している児童がおり、加古川市を三角形と平行四辺形と長方形に見立てた児童、加古川市全体がおさまる大きな長方形に見立て、長方形から余分な部分のマス目の面積を数え、差し引いて求めた児童の2名がほぼ正解であった。この2名の児童の共通点を他の児童が見つけ、「無駄な部分が少ない」「はみ出ている部分が少ない」など、およその形を捉える場合やおよその面積を求める場合でも、できるだけ誤差を少なく形を捉え、面積を求めるために工夫することを学んだ。

(10)5年生算数科授業において

 先日に引き続き別のクラスでも、台形の面積の求め方について児童一人一人が考えた。児童はクロムブックを準備し、教師がデジタルで配布した図形の上に、指やタッチペンを使い、補助線を引いて図形を分けたり、色分けをして図形を移動させ形を変えたりするなど、ムーブノートを使いこなして自分の考えを表現した。また、協同探究場面では、大型モニターや各自のクロムブックを見て、自分の考えと比較しながら熱心に発表者の考えを聞いた。全体の共通点として、台形の形を長方形や正方形、平行四辺形や三角形などに変えると面積を求めることができると気付いた。

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(9)なかよし学級の授業において

 先日に引き続き、別のクラスで校外学習で出かける日岡山公園での遊びについて、児童一人一人が考えた。遊ぶ場所の様子をより具体的にイメージできるよう、今回は動画で公園内の様子を確認した。鳥の鳴き声や場所の広さに気付くなど、季節感や遊ぶ空間を考えながら、みんなで楽しむことができる遊びを考えた。また、学校の休み時間を提示し、実際に遊ぶことのできる時間についても児童は考えた。遊ぶ場所の広さや時間、みんなで楽しむことができるルールなどを考えながらクラスで意見を出し合った。

(8)5年生算数科授業において

 本時のめあてを「台形の面積を求める方法を考えよう」と確認した。児童は台形の面積の求め方を考え、ワークシートとムーブノートに書き表した。三角形(直角三角形)2つと長方形に分けて考える児童、三角形2つに分けて考える児童、同じ台形を逆さにして横に重ねて大きな平行四辺形にして考えた後に2で割る児童(写真参照)、台形の上の部分を切り取って逆さにし、下の部分に組み合わせて長方形として考える児童など、一人一人が工夫して台形の面積の求め方を考えた。いろいろな面積の求め方に共通する点として、補助線を引いて分けたり組み合わせたりすると、今まで習った形(長方形・正方形・三角形・平行四辺形)に置き換えることができることに気付いた。

(7)6年生算数科授業において

 先日に引き続き、別のクラスでも「およその形と大きさ」の学習をした。協同探究場面では、3名の児童の求め方を比較しながら、「3人とも限りなく加古川市の形に近づいている」「ギリギリの所まで線を引いて計算している」など、およその形と大きさでも、正確に求めようと工夫していることに気付いた。次に、答えにまだ正解との誤差があるので、教師が「どのようにすれば正解との誤差をより少なくできるか」と問いかけ、一人一人が自分の考えを見直した。「いらない所が足されていた」「大きく見積もりすぎた」「余っている所を引いていなかった」など、誤差を少なくする方法を考えた。最後に個別探究2では、兵庫県のおよその面積をさらに工夫して考え始めた。

(6)なかよし学級の授業において

 本時のめあてを「みんなで楽しいと思える遊びを考えよう」と児童に伝え、導入問題でこれから校外学習で行く日岡山公園での遊びについて、一人一人が考え始めた。具体的にイメージできるように遊ぶ場所の様子を写真で確認し、みんなで楽しく遊ぶことができる遊び、季節に合った遊びを考えた。協同探究場面では、児童一人一人が考えた遊びを提案した。先生をみんなの中に入れて考える児童、遊具や場所にあった遊びを考える児童など、工夫した遊びを提案した。今後、1年生から6年生までいる友だちのこと、みんなが楽しむことができる遊び方やルール、準備物などを児童に確認しながら、校外学習へのワクワク感が向上するような声掛けや問いかけを行う。

(5)6年生算数科授業において

 本時のめあてを「加古川市のおよその面積を調べよう」とし、導入問題で提示した加古川市の地図を見て、一人一人が様々な図形に見立てて面積を求め始める。大きな1つの長方形に見立てて考える児童、長方形2つに見立てて考える児童、大きな長方形から地図に入らない部分を引いて考える児童、いろいろな凹凸部分を組み合わせて、台形やひし形に見立てて考える児童など、加古川市をいろいろな形に見立てておよその面積を求めようとしていた。さらに、教師から「誤差を少なく、より正確に面積を求めるにはどのようにしたら良いか」と問いかけ、できる限り凹凸部分を組み合わせて簡単な形にすること、凹凸部分の組み合わせ方、形の捉え方は多様にあることに児童は気付いていた。

 

(4)1年生学級活動(食育)において

 「しょっかんからっぽだいさくせん」と題し、児童は残さず食べることがなぜ良いのか理由を考えた。「食べ物を残すともったいない」「給食を作ってくれた人がもっと食べてくれたらうれしい」など多くの意見が出た。授業の中でICTを活用し、給食調理員さんの1日の仕事を動画で見ながら、「へえー」「すごーい」など新たな発見や気付きが多くあった。実際に配膳する時の重さを体験することで、給食を作る大変さを体感した。今後、給食を食べるときに、一人一人が実践できそうなことを提案し、食べ残しゼロをめざしていこうという気持ちを表現していた。

(3)1年生学級活動において

 好きな物や好きなことは性別に関係なく一人一人異なることを理解し、互いに認め合うことの大切さに気付くことができるよう、傘のイラストに色を塗って、児童の考えやイメージの傾向をみんなで考えた。知らず知らずのうちにある男の人と女の人のイメージの違いに気付き、「男の人の傘はピンクがない」「あのテレビ番組は女の子しか見ない」など、男女でイメージがあることに気付いた。最後に自由に自分の好きな色を塗った傘は、個性あふれる傘になっていた。

(2)なかよし学級の授業において

 協同探究場面において、児童一人一人が今年のミュージカルでやってみたいお話、選んだ理由を発表し、みんなの意見を聞いて自分もやってみたいと思った発表に、「いいねカード」を貼り付ける。一人一人の発表を大切にし、ミュージカルでみんなが活躍できるお話になりそうか児童に問いかけ、一人一人の良さを生かしたミュージカルづくりに向けスタートした。

(1)6年生算数科授業において

 本時のめあてを「三角柱の体積の求め方を考えよう」とし、導入問題で提示された三角柱の体積の求め方を一人一人が考え始める。直方体の半分で求めることができると考える児童、三角形の底面積を積み上げていくと求めることができると考える児童など、一人一人が式や簡単な図、短い言葉で各自の思考の過程を表現した。

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