令和5年度予算案記者会見(令和5年2月16日)

更新日:2022年02月15日

市長プレゼンの様子

プレゼンテーション資料

発表内容

会見要旨

【市長】

本日もありがとうございます。令和5年度の当初予算についてご説明いたします。

先日、加古川駅周辺の再整備につきまして記者会見させていただきました。また、志方中央地区を産業用地として新たに検討していきたいという案件や、性の多様性に関するパブリックコメントをしている件のことなど、記事提供で発表させていただいているものもあります。今回の発表と重複するところもありますが、よろしくお願いします。

発表全体について、あえて一言で言えば「加古川ならではの魅力づくり」です。

令和5年度の施政方針

まず、市民の感じる幸福感の向上を目指します。これは、以前から申し上げているとおり、私たちが市政運営をしていく上での理念として、追求していきたいものと位置付けています。ご存じのとおり、昨今は、人口や実質的なGDP等の経済指標の総数を大きく膨らませていくことは非常に難しい時代になっています。これらを下げ止めるということも一つの目標としてはありえますが、なかなか心が湧き立たない目標になります。やはり原点というか、一人一人の幸せをより増進させていくことに立ち返り、自分たちの取り組みを年々アップデートしていきたいと思っています。これまでもこのような考え方に基づき市民意識調査を実施してきました。45以上の分野について、市民満足度調査や、市民の皆さんが重要だと考えておられることを調査し、それらを改善することが幸福感の向上に間接的につなげられると考えてきました。そのような中、国の方でもデジタル田園都市国家構想の中で、いろいろな取り組みの成果を測るものとして、国民の幸せの増進を位置付けられ、そのLWCI(Liveable Well-Being City Indicator:市民の幸福感を高めるまちづくりの指標)のアンケートも実施されています。専門家を集め、総合的に幸福への因子を洗い出しておられます。今後さらにアップデートされていくでしょうが、私たちもそのような項目を、全国で一番早いと言われていますが、市民意識調査の項目に足し込み、昨年11月~12月に調査を実施しました。速報値を分析していますが、正直に申し上げると、例年やってきた市民意識調査の満足度については数値が軒並み減少しており、私たちとしては残念な結果になりました。まだ個々の要因は分析できていませんが、軒並み下がるというのはこれまでないことなので、社会全体として幸福感や満足感が下がっている状態を反映しているのかもしれないと思いながらも、自分たちの取り組みの見直しにつなげないといけないと謙虚に受け止めています。LWCI項目についても、今後分析し、経年変化も見ていきたいと思っています。

次に、『加古川ならではの魅力づくり』ということで、「身近な自然を活かした魅力づくり」、「駅周辺のにぎわいづくり」、「産業誘致による雇用の創出」の3つを掲げています。

そして、社会の共通する課題に市として率先してチャレンジしていきたいということで、「スマートシティ・デジタル化の推進」、「カーボンニュートラル社会の実現」、「誰一人取り残さない地域づくり」の3つを挙げています。これらは、ちょうど一年前の令和4年度当初予算の発表時から同じように掲げてきた項目です。

今回プラスしているのは、「子育て支援、教育環境の充実」という項目をあえて挙げています。これはもちろん社会の共通課題の一つですが、出生率をどうやって高めていくのか、また子育て世代にどういったサポートを充実させるのかという話が非常に大きな話題になっているところですので、特出しで来年度予定していることを紹介したいと思い、一項目としております。

令和4年度市民意識調査の速報値は参考資料です。先程も触れましたが、こういった調査を続けており、毎年公開しています。

身近な自然を活かした魅力づくり

まず、「身近な自然を活かした魅力づくり」です。かわまちづくりを挙げています。イメージ図を公表していますが、一言でいえば河川敷をこのような状況にできるようハード整備等を進めていきたいと考えています。河川敷の広場や駐車場、グラウンドなどの詳細設計やわんどになっていて遊べるところの協議を進めていることころです。来年度の秋頃には、メインの場所でもある堤防上に、民間の創意工夫とアイデアで水面を見下ろせるカフェなどの施設を誘致するためのプロポーザルによる募集が開始できるよう、要件の整理や募集要項の作成を進めていきます。来年度は、事業者を選定する委員会を立ち上げていくことになります。

次は、みとろフルーツパークです。これも既に記事にもしていただいていますが、民間事業者において再整備が始まっています。たまたま昨日、仕事で現地に行くことがありましたが、5年度中には8月に最初の部分的なオープン、秋頃には2段階目のオープン、3段階目がグランドオープンということで、6年度の4月に全面オープンする方向で整備を進めています。

次に権現総合公園、日岡山公園についても再整備を進めていくことにしています。権現総合公園は既に発表していますが、山陽自動車道の権現湖パーキングエリアから降りられるところに公園を作ります。遡りますと、前々市長の故・木下元市長の頃からのプロジェクトで、ネクスコ西日本さんと話し合い、規模を縮小してようやく完成を目指しているところです。大きな遊具を設置したり、兵庫県が整備している高砂から北播磨に至る自転車道の途中の場所にもなりますので、サイクリングされる方の休憩や憩いの場所にもしていきたいということで、自転車を入れられるロッカーやシャワーなども設置していく予定にしています。

駅周辺のにぎわいづくり

2つ目の項目は駅周辺のにぎわいづくりです。5年度につきましては、地権者はもちろん、商工会議所さんや関係者の方々とまちづくりの検討会を立ち上げ、先日発表した我々のたたき台の案を一緒に議論してアップデートしていくような場をつくりたいと思っています。また、駅に面したところだけでなく、先程の河川敷なども含めて、広く回遊していただけるような面的なにぎわいづくりを目指していますので、そのような広いエリアで見渡したエリアビジョンを策定していくための業務委託費なども、5年度予算は計上させていただきます。

次に、東加古川駅周辺整備です。これも長い年月を要する取り組みになりますが、事業自体は兵庫県が担っており、JRさんと一緒に東加古川駅の東西3.7キロメートルに渡って加古川駅のように線路自体を持ち上げる高架化事業が動いています。下の道路も含めて全てが完成するのは15年を超える年数になると思いますが、しっかりビジョンを持って進めていきたいと考えています。事業自体は兵庫県ですが、市としても主体的にやるべき部分の役割を担っていくことになります。例えば、高架の側道や、駅南北の広場をどうしていくかなど、市としては、北側の総合文化センター等があるエリアも含めて、どこかのタイミングでリニューアルをしていきたいと思っています。5年度の予算案の中では、側道の交差点に関する設計業務委託などが入っています。

産業誘致による雇用の創出

「加古川ならではの魅力づくり」の3つ目は、産業誘致による雇用の創出です。いつも申し上げていますが、東播磨エリアは企業の皆さんから産業用地の問い合わせがよくある非常に関心が高い地域だと思っています。その受け皿となれる場所づくりを市としても積極的に取り組んでいきたいということです。既に水足の戸ヶ池周辺地区の造成が終わり、誘致・分譲に向けて受託されたダイワハウスさんが活動をされているところだと聞いております。その後に続いていくのが、旧公設地方卸売市場の跡地です。こちらは、最後まで残られている2社が来年度中にも退去される見込みですので、5年度中に解体設計などを始めていきますし、最後に退去される方々への移転の補償費などが5年度予算に計上されています。もう1つは、冒頭にも申し上げました志方の中央地区も新たな企業誘致場所として検討していきたいと思っています。5年度には、どれくらい関心があるのかというサウンディング調査を予定しています。いくつかのディベロッパーさんに、どこか来てくれそうなところがあるかヒアリングしたり、アンケート調査などもしていきたいという予算です。また、市としましても、用地を取得して造成し、誘致する場合の採算性がどうなのかも検証しなければいけませんので、コスト算出等も含めた検討業務委託の費用が5年度に入っています。

スマートシティ・デジタル化の推進

続きまして、「社会の共通課題にチャレンジ」について説明いたします。

1つ目は、「スマートシティ・デジタル化の推進」で、いろいろな取り組みを積み重ねてきましたが、今後は、見守りカメラの更新が必要になってきます。5年度から3年間かけて、今設置している1,475台を更新していきます。5年度はまず300台の想定で、その後700台、500台と3年間かけて更新していこうとしています。高度化カメラの運用は、今年度中に補正予算で計上させていただき、1月~3月にかけて設置します。国のデジタル田園都市国家構想交付金を2億円ほどいただき、機能を高度化したカメラを150台設置します。

その他、行政手続きオンライン化の推進は、自治体で競って進めているところですが、我々としましては、来年度末までには1,100程の手続きがオンラインで出来る状態を目指しています。もちろん、スマホ等を使えない方もたくさんいらっしゃいますので、従来の対応もしっかりできるようにします。

3つ目は、これも既に取り組みが始まっているものですが、書かないワンストップ窓口の充実です。市役所にお越しになった方が、これまでは記載台で専用の用紙に記入し、窓口に持ってきていただいていましたが、書かない窓口では、職員が申請書類等を作っていきます。できる限りワンストップで、あちこち回っていただかなくてもいいように、それぞれの部単位でもより利便性を高めるような努力をしていく方向です。

GIGAスクールでは、他の市町にはないような通信環境が整ってきています。BAN-BANネットワークスさんの地域BWAを使い、携帯電話と同じような通信ができる状態を既に始めていますが、学校で皆一斉に端末を開くとどうしても動きが重たくなることがあったので、学校の教室ごとに光回線を引き込むことに取り組んでいます。他の自治体でも校舎ごとに光回線を引くことは多いと思いますが、加古川市では教室ごとに一本ずつ引き込みますので、他にはない通信環境になります。今後、国の方針でデジタル教科書を同時に開くことになっていきますので、動作が重たくて端末が動かないということが起きると思っていますので、そのことに対していち早く準備をしています。この光回線での接続は、BAN-BANネットワークスさんとも相談しながら、今年度は南部の大規模校を中心に進めており、5年度は北部の小規模な学校を順次進めていきます。

また、ペーパーレス議会の導入として、議会から以前より要望のあったことですが、議員の皆さんや、出席する私たち市側もタブレット端末によるペーパーレスでの本会議を運営していきます。

カーボンニュートラル社会の実現

2つ目は、「カーボンニュートラル社会の実現」です。環境省の旗振りで各自治体が競っている状態で、決して1番を走っている訳ではありませんが、市としてできることをやっていこうとしています。

1つ目は、省エネ家電買替補助をもう1回させていただきたいと思っています。今年度は12月の中旬から2月までの予定でさせていただきました。年末年始の購買意欲もあり、ものすごい売れ行きで、予算を流用して1月も対応してきましたが、前倒しで1月下旬に締め切ることになりました。来年度はどの家電を対象にするのか、またどれくらいの助成額にするのかということも含めて急ぎ内容を決めて開始をしたいと思います。予算は1.5億程ですが、詳細が申し上げられず、申し訳ないと思っています。

2つ目は、ゼロカーボン・パートナーシップ制度の創設です。これは、民間企業の方々で、率先して温室効果ガスの削減に取り組もうとされている方々と市がパートナーシップを締結して、一緒にさらに広めていこうという制度です。市としては、先程の省エネ家電の買い替えや、EV車の購入補助をしてきましたが、その補助金によって買い替えが進んだものによってCO2が何キログラム、何トン減ったかと言われると、まだまだわずかな数字でしかありませんが、やはり一人一人の皆さん、一団体、一企業ごとの皆さんの行動変容をどう促すことができるかが一番大事なところだと思っています。そのようなことから省エネ家電買替補助や、ゼロカーボン・パートナーシップ制度の創設等をしていきます。

3つ目は、充電ステーション整備補助です。今年度もEV車、PHEV車の購入補助をしながら、充電ステーション設置補助金を設けていましたが、今年度の実績は正直ゼロでした。国の補助の締め切りもあって、残念ながら付けられなかった方もおられたと聞いていますので、もう1年度この補助制度を残したいと思っています。

4つ目は、「公用電気自動車の購入」と「庁舎照明のLED化」です。市としても、公用自動車の買い替えとして、来年度は5台分EV車を購入させていただこうと思っています。EV車につきましては、本来は今ある全ての公用車をどれくらいの年数をかけて買い替えていくのか言えればいいのですが、いろいろな議論がまだ残っていると思っています。本当に全部EV車でいいのかという議論も当然ありますし、業界の方と話していても、PHEV車が最後に生き残っているかもしれませんし、水素自動車が追い上げてくるのかもしれませんし、過渡期だと思っています。ちょうど買い替えしないといけないものをEV車にしながら、時代の流れをよく見極めてやっていきたいと思っています。

庁舎照明のLED化は、本館と議場棟の一部分をLED化させていただこうと思っています。

誰一人取り残さない地域づくり

次は「誰一人取り残さない地域づくり」です。これも「社会の共通課題にチャレンジ」です。

1つ目は、「性の多様性の尊重に関する取組」です。市としては、パートナーシップ・ファミリーシップ制度を来年度に導入していきたいと思っており、今はその方針案についてパブリックコメントをさせていただいているところです。7月1日から制度をスタートできればと考えています。

2つ目は、「生活困窮者エアコン購入費等助成事業の拡充」です。今年度も実施しています。市民税非課税世帯等向けに、エアコンがない方の購入を補助しようとするもので、来年度はもう少し対象を広げて使いやすくする形にしようと思っています。

3つ目は、「加古川市ボッチャ交流大会の創設」です。インクルーシブな社会に向けてボッチャ大会を市主催で行います。200人くらい募集して参加してもらいたいとイメージしています。

4つ目は、「不登校児童生徒への支援の拡充」です。市としても、市教育委員会としても、一つのモデルとなるような取り組みにしていきたいという思いでやっています。内容としては、今年度試行してきた少年自然の家を使って自然の中で過ごすという、民間のフリースクールでされているような環境で、来年度は週2回、水曜日と金曜日に行います。また、今年度平岡公民館で試行した、もう少し勉強にも軸足を置いたような遊びと勉強が出来る居場所づくりです。月曜日・火曜日・木曜日に、平岡公民館、尾上公民館、加古川北公民館でやっていこうとしています。今、教育委員会で把握している人数でも600人近い小中学生がいわゆる不登校状態の定義に当てはまっており、それぞれ所属されている学校の空き教室で別対応させていただいているところに出てきている子もいますが、先程の600人の内、3、4割にはアプローチできずにいるほど最近増えていますので、なんとかきっかけを作りたいということです。まずは3公民館に広げて、全地域に広げていくこともありえると思います。学校では別教室対応の提供を続け、地域では公民館で勉強やカードゲームをして仲間を作ったり、自然体験に軸足を置いた少年自然の家での場があるという形にして、ニーズを把握していきたい。ニーズがあるところをもっと広げていきたいと思っています。

 最後はこどもの居場所づくり推進事業です。こども食堂は民間主体でしていただいていますが、9カ所あります。中学校区でいうと8カ所ですので、市内12中学校区で最低1つはある状態にすべく社会福祉協議会と協力し進めていこうとしています。

結婚、出産と子育て支援

結婚、出産と子育てを別出しにしています。来年度の主な項目です。一つは、公立幼稚園や公立保育園の統廃合で、加古川幼稚園と鳩里幼稚園、保育園を統合して、令和8年4月に新しくオープンできるよう地域と調整を始めているところです。5年度は、測量や土質調査の委託料や、設計の委託料を予定しています。

2つ目の結婚新生活支援事業は、国の旗振りでやっているもので、39歳以下のご夫婦で所得要件を満たしていれば、30万円までの上限で引っ越し費用などをお出しするものです。国において要件を拡充されていますので、例えば29歳以下でしたら上限を60万円にするなど市としてやっていきます。財源は国と市で折半する形です。

3つ目は割と大きな話です。妊娠された方の健康診査費が結構かかるということで、各自治体で助成させていただいています。本市も、数年前に合計9万6,000円にしていましたが、他の自治体もどんどん増額され、今は県平均9万9,593円で、本市は平均を少し下回るようになっていました。来年度からは12万4,000円までアップさせていただこうと思っています。近隣でも、今年度姫路市が12万1,000円にし、神戸市も12万ぐらいですので、それよりも少し上になります。

4つ目は、国関係のものですが、伴走型の相談支援をしていきます。妊娠届のあった方へ5万円、出生届のあった方へもう5万円、合計10万円の給付も行います。

5つ目は、これも面白い取り組みで、ファミリーサポートセンターです。子育て世代の方々の子どもの送り迎えのサポートなどのサービスをしているところですが、出産直後の6カ月未満児の対応ができていませんでした。こども部職員からの提案によるもので、6カ月未満の子どもさんの沐浴や調乳などの家事のお手伝いをさせていただきます。まずはお試しで使っていただきたいということで、6時間分の無料券をお渡しして、実際に試していただこうと考えています。

教育学習環境の整備

教育環境です。市としての特色として協同的探究学習があります。東京大学大学院の藤村宣之教授に度々足を運んでいただいたり、オンライン会議をしながら、現場の先生方が教育指導手法を学ばれて自分の授業の中に導入しています。来年度も研究推進校や、実践協力校を位置付け、藤村先生が作るテストを1学期と3学期にやってもらい、その変化を比べてみるなど、効果を見るということもやっていきます。もちろん、取り組み結果の発表会も開かれていくと思います。

両荘みらい学園は、6年度に向けて建設工事がピークにきますので、予算としては19億くらいになります。

3つ目は、12月の補正予算で債務負担行為を計上させていただきましたが、市内40小中学校にそれぞれプールがあります。今後更新をしていくには莫大な予算がかかりますので、いろいろ比較検討した結果、バスで民間のスポーツクラブに行って水泳の授業を受ける、または、1つの学校プールに周辺の学校から集まってもらい、そこにインストラクターを派遣して指導を受ける形を試行し、改修するプールの数を減らしていくことができないか検討します。

4つ目は、部活動の地域移行の試行をする対象校の拡充です。今年度は両荘中学校と志方中学校、神吉中学校の3中学校の陸上部に西神吉の陸上競技場に集まってもらい、外部の方に指導いただくという試行をして大変好評でした。また、県の取り組みで別府中学校の吹奏楽部でも同じようなことをして、これも非常に好評でした。他の部につきましても、対象を拡げていきたいと思っており、決まり次第発表させていただきたいと思います。

その他の取組

 その他の取り組みです。1つ目は、田園まちづくり地区への移住定住促進です。これは4年度の当初から取り組んでいることですが、調整区域の中で家を建てられる要件等を市独自で緩和しています。その要件の緩和をもっと大胆にしたのが4年度の取り組みです。例えば、北部の志方・上荘・平荘・八幡地区では、子育て世帯であれば他の地域から転入して家を建ててもらえるとか、新しく事業をする人も認めるとか、また、空き家を使って転入してくれる人を受け入れるとか、そこに補助金の制度も紐づけてご利用いただけるようにしてきました。市外から北部4町に移住してくれる方には、上限50万円までの補助をします。空き家を使って入ってきてくれる方には、工事などにかかる費用の3分の1、上限100万円まで補助をします。実績としては、それぞれ4件ずつぐらいあったと聞いています。来年度はさらにPRをして活用していただこうと思っています。

2つ目は、乳がん・子宮がんの検診の受診率が加古川市は平均値よりも少し低いので、より受診しやすい状態にしようとするものです。

3つ目は、コミュニティ交通の充実です。長年の課題ですが、来年度の新たな取り組みとしては、平荘地区においてもチョイソコを導入したいと思っています。これは既に八幡で導入しているもので、乗り合いのデマンドタクシーです。また、平岡北地区でかこバスミニという、ミニバンを使いタクシー会社の運転手さんに運転していただくものですが、来年度中に導入を予定をしております。

5つ目は、庁舎内の案内表示をより分かりやすくしようということで、床の上にサインを付けたりします。これは職員提案制度の中で職員から提案があったものの一部分を実現しようとするものです。具体的には、本館の1階2階、新館の1階に行き先が分かりやすくするようなサインを付けるとか、新館の2階にはプロジェクターで床に投影するような形でサインを設置してみようとしています。

また、SDGsの普及に向けて、フォーラムを開催することも考えています。

私からは以上とさせていただきます。ご質問があればお願いします。

質疑応答

(記者)

子育て教育の分野を特出しされたということで、特に力を入れていかれようという意図かと思いますが、国で今少子化対策の議論が熱を帯びている中、このような子育て教育に市の当初予算として力を入れられる思いというものを改めてお聞かせください。

【市長】

私たち加古川市としましては、他市さんにならい、まずは医療費の窓口負担の無料化を高校生世代まで所得制限なしで実施しています。来年度の各自治体の当初予算案を見ていましたら、今年度それをされるところが結構相次いでいますので、そこは一歩先行してこれたのかなと思っています。ただ、給食費を無料とか、0~2歳の保育料とか、無料化競争の余地があることはよくわかっていますが、今国において児童手当等の対象の話や年齢の話も議論されている最中ですので、まずはその部分を注視させていただこうと思っています。ただ大事なのは、経済的に大変な子育て世代にいくら予算を投じるかという観点ももちろん大事ですが、出生率は何をすれば高められるのかという議論にみんなで立ち返らないといけないと思っています。これは積年の課題で、先進諸外国で出生率が回復したという研究も多くされていても、なかなか特効薬がなく苦戦しているというのが日本の姿です。今一度そこをしっかり議論していかなければと思っています。我々もこども部の職員も中心になって、ずっと議論しています。まずは来年度分厚くできるところはしていこうと考えています。先ほど申しあげたような項目を並べていますので、まずはこの形で来年度をスタートさせていただき、国や県の動きを見ながら、出生率を上げるために本来すべきことを市としてやっていきたいと思っています。

もう一つ、教育環境の充実も私たちはセットにすべきものだと思っています。知事も高校のことを発表されましたが、私たちは市立小中学校を責任もって対応しており、義務教育のプロセスが加古川はすごいなとか、勉強環境がすごいな、自習室もいいものがあるなとか、そう言ってもらえる子育て環境であるということは、間違いなく子育てとセットだと思います。入りたい学校に引っ越してくることもあるので、教育環境の充実は教育委員会と率先して取り組んできており、他市町と比べていただいてもいい教育環境になりつつあると思っています。そこを我々としてはセットで取り組んでいきたいと思っています。

 

(記者)

今回の予算で言うと、光回線が全校で完了するということもあり、子育て支援をするなら教育環境の充実もセットでする必要があるという意図が今回の当初予算には入っていらっしゃると。

 

【市長】

そうですね。不登校児童生徒対策もかなり踏み込んでやっていこうとしています。協同的探究学習は何年も取り組んでいますが、ここの義務教育は違いが目に見えて出てきているというのを早く数値でお示しできるよう、発表もしていきたいと思っています。これは個々の先生が指導を変えられて、いい授業作りをされている部分なので、非常に大事な部分です。

 

(記者)

街路事業のところで、国道の4車線化など県事業の事業負担であるとか、中津水足線の供用開始などは、先に発表された加古川駅周辺の魅力づくりに大きく関わってくるところだと思います。その観点から、この街路事業に対しての期待、思いを改めてお聞かせください。

 

【市長】

そうですね。産業振興を考えた時に、企業に立地いただき、人に住んでもらい、満足感を高めていただこうと思うと、最低限基幹となる道路等の工事は不可欠だと思っています。この中津水足線が5年度末には開通できる見通しで、東西の中津水足線、南北の平野神野線により環状の形ができます。さらにその先に、橋が架かります。

 

(記者)

今の通過交通はバイパスもありますが、通過交通が分散され中心部の渋滞解消により魅力アップにもつながるということですか。

 

【市長】

はい。本格的には神吉中津線の橋が完成しましたら、西部や北部から来ている人の交通も間違いなく分散しますので、大きな効果が出てくると思っています。

 

(記者)

みとろフルーツパークは、市長が1期目の公開事業評価が発端だったと思いますし、日岡山公園も市長が1期目の時の公約ですよね。そういう意味で言うと、1期目の頃から種をまいてきたのがようやく実現し始めるというか、ようやく花を開くことに向けて動き始めるのかなという気がしますが、長年の構想が実現に向けて動き出しているということについての思いをお願いします。

 

【市長】

そうですね。1期目から申しあげてきたことがようやく工事などにつながってきたということは、感慨深いものがあります。1期目は最初のチャレンジの選挙で、中に入ってみないとわからないこともいっぱいあって、背伸びをした公約もありましたが、加古川が人口減少社会に入っていく中、加古川ならではの魅力づくりをしていく意味では欠かせないパーツだったんだということを自分自身でも再確認でき、ほっとしているところもあります。なんとか形になって、できれば市外からも人が来てくれるような場所になればと思います。

 

以上

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