償却資産の申告においての注意点
1. 申告の対象となる資産・ならない資産
申告の対象となる償却資産
令和7年1月1日現在、加古川市内に所有する資産が申告の対象です。
以下の資産も申告の対象になりますので、ご注意ください。
償却済資産 | 耐用年数が経過し減価償却が終了している資産 |
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少額減価償却資産 | 国税において、取得価額20万円未満であっても、個別償却している資産 |
即時償却資産(租税特別措置法特例) | 国税において、取得価額30万円未満の資産で、全額損金算入した資産 |
大型特殊自動車 | 車種別番号が「0」、「00から09」、「000から099」、「9」、「90から99」、「900から999」のフォークリフト、ショベルローダー等の資産 |
簿外資産 | 贈与された資産又は帳簿に記載されていないもので、事業の用に供することができる資産 |
建設仮勘定の資産 | 建設仮勘定で経理されている資産であっても、その一部又は全部が1月1日現在事業の用に供している資産 |
遊休未稼働資産 | 現在は稼動していないが、事業の用に供しうる状態にある資産 |
割賦購入資産 | 割賦金の完済していないものでも、既に事業の用に供している資産(売主が所有権を留保している場合でも、買主の方が申告してください。) |
貸付資産(リース資産) | 資産の所有者が、事業を行う他の者に貸し付けている資産(貸付を業としている場合は、事業用・非事業用にかかわらず申告が必要です。) |
資本的支出 | 改良費のうち、資本的支出として資産計上した資産(本体部分とは別の新たな資産として取り扱います。) |
信託により譲渡を条件に賃貸されている資産 | 当該資産について借受人が納税義務者とみなされますので、借受人の方が申告してください。 |
生物 | 観賞用、興行用のもののみ(備品として申告してください) |
建物附属設備 | テナントが設置した設備のみ申告対象 |
申告の対象とならない償却資産
上記の内容にかかわらず、以下の資産は申告の対象になりません。
少額資産 | 使用期間が1年未満又は取得価額10万円未満のもので、国税において一時に損金(必要な経費)に算入された資産 |
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少額のリース資産 | 取得価額が20万円未満のリース資産(契約終了時に所有権が移転しないもの)貸主・借主どちらも申告不要です |
一括償却資産 | 取得価額20万円未満の資産で、国税において3年間の一括償却を行っている資産 |
自動車税、軽自動車税の対象となる車両等 | 自動車税、軽自動車税の対象となる車両及びそれらに付随するカーラジオ、カーナビゲーション等の資産 |
小型特殊自動車 | 小型特殊自動車は軽自動車税の対象です。
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無形固定資産 | 特許権、ソフトウェア等の無形固定資産 |
他市町村の資産 | 他市町で事業の用に供している資産(加古川市に所在しない資産は、加古川市に申告の必要はありません。) |
建物 | 家屋として固定資産税が課されているもの |
2. 法人税・所得税との相違点
法人税・所得税(国税)と固定資産税(地方税)の制度の違いにより、申告の対象となる償却資産の取扱いにも相違点があります。
項目 | 国税(法人税、所得税) | 固定資産税(償却資産) |
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償却計算の期間 | 事業年度 | 暦年(賦課期日制度) |
減価償却の方法 | 建物以外の一般の資産は定率法・定額法の選択制度 |
定率法のみ (旧定率法での償却率と同様) |
前年中の新規取得資産 | 月割償却 | 半年償却(2分の1) |
圧縮記帳 | 制度あり | 制度なし |
特別償却・割増償却 (租税特別措置法) |
制度あり | 制度なし |
増加償却 | 制度あり | 制度あり |
評価額の最低限度 | 備忘価額(1円) | 取得価額の5% |
改良費(資本的支出) | 原則区分評価、一部合算も可 | 区分評価(改良を加えられた資産と改良費を区分します。) |
任意償却 | 法人税のみ制度あり 所得税は制度なし |
原則法定耐用年数 10万円未満のもののみ任意耐用年数 |
3. よくある申告誤り等
1:種類別明細書の記入誤り
個別資産の取得価額、取得年月、耐用年数等の項目は、償却資産の計算に関する明細書(固定資産台帳)等の内容に基づいて記入してください。法人税等の申告内容と異なる場合、原則、償却資産の修正申告が必要になります。
2:申告漏れの多い資産
- 減価償却が終了している資産(資産がある間は申告が必要です。)
- 土地に定着していない(基礎のない等)建物
- 受変電設備、屋外照明設備、屋外給排水配管等の建物附属設備
- アスファルト舗装路面、外構設備、フェンス、緑化施設等の構築物
- 即時償却資産( 取得価額30万円未満の資産について、租税特別措置法の規定により、国税上、全額損金算入したもの)
3:その他
- 特定の生産用又は業務用ではない自己所有家屋の電気、給排水、衛生、ガス、空調設備等の建物附属設備
上記設備は家屋となりますので申告の必要はありません。建物附属設備においては、家屋と償却資産を明確に区分し、償却資産(固定資産税)を申告してください。
- 他市町村で事業の用に供している資産
本社が加古川市にあっても、加古川市に所在しない資産は申告の必要はありません。
申告誤りの課税について
適正に申告されている納税者との均衡性や課税の公平性から申告誤り等について、加古川市では地方税法第17条の5の規定により5年間さかのぼり課税いたします。
申告がない場合について
前年度以前に申告があり今回申告がない場合は、「みなし課税」という方法で課税されます。みなし課税とは、地方税法第383条で定められた申告がない場合、償却資産の増減がなく、前回の申告時と同様の償却資産を所有しているとみなして課税する方法です。この方法はあくまでも償却資産の所有状況を推定するものです。また、地方税法第354条の2の規定に基づき国税資料の閲覧を行い、「推計して課税」する場合もあります。
いずれも申告があったとみなすものではありませんので、未申告の場合は申告してください。
申告されない又は虚偽の申告をされた場合について
正当な理由がなく申告されない場合は、地方税法第386条の規定により過料を科せられることになるほか、同法第368条の規定により不足税額に加えて延滞金を徴収されることになりますので、期限までに必ず提出してください。
また、虚偽の申告をされますと、地方税法第385条の規定により罰金等を科せられることになります。
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更新日:2024年11月15日