農地の納税猶予

更新日:2024年02月05日

このページでは農業委員会で取り扱っている手続きについて説明させていただきますが、手続きの方法及び書類等についての詳しい内容につきましては、農業委員会事務局までお問い合わせください。
また、租税特別措置法の規定による納税猶予制度については所管の税務署へお問い合わせください。

1 相続税の納税猶予の特例制度について (租税特別措置法第70条の6第1項)

 農家が相続税の支払いのために農地を部分的に手放すなど細分化されることを防ぎ、農業経営の維持を図るために創設された制度です。
 制度の概要は、農業を営んでいた被相続人(亡くなった人のことをいいます。)又は特定貸付を行っていた被相続人から相続人が一定の農地を相続し、農業を営む場合又は特定貸付を行う場合には、農地等の価格のうち農業投資価格(国税局長等が決定)を越える部分に対応する相続税については、一定の要件のもと納税猶予期限までその納税が猶予されるとともに、納税猶予期限まで納税が猶予された相続税は原則として免除されるというものです。

  • この納税猶予期限は、次のうちいずれか早い日です。
  1. その農業相続人が死亡した場合には、その死亡の日
  2. その農業相続人が、その農地等について贈与税の納税猶予が認められる生前一括贈与をした場合には、原則としてその贈与があった日
  3. 平成21年12月15日(改正農地法施行日)以前に発生した相続の場合、その相続税の申告期限後20年間農業を継続した場合には、20年目の日
  4. 平成21年12月15日(改正農地法施行日)以後に発生した市街化区域内の農地の相続の場合、その相続税の申告期限後20年間農業を継続した場合には、20年目の日

2 特例を受けるための要件

被相続人の要件

次のいずれかに該当する人であること

  • 死亡の日まで農業を行っていた個人
  • 農地等の生前一括贈与をした人(死亡の日まで受贈者が贈与税の納税猶予又は納期限の延長と特例の適用を受けていた場合に限られます)
  • 死亡の日まで相続税の納税猶予の適用を受けていた農業相続人又は農地等の生前一括贈与の適用を受けていた受贈者で、障害・疾病などの事由により自己の農業の用に供することが困難な状態であるため賃借権の設定する等一定の要件を満たした人

相続人の要件

被相続人の相続人で次のいずれかに該当する人であること

  • 相続した農地について、相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後も引き続き農業経営を行うと認められる者
  • 生前に農地等の生前一括贈与を受けた受贈者で、特例付加年金又は経営移譲年金を受給するため、贈与を受けた農地等を推定相続人の一人に使用貸借する等一定の要件を満たし、贈与者の死亡後も引き続き納税猶予の特例の適用が認められた者
  • 生前に農地等の生前一括贈与を受けた受贈者で、障害、疾病などの事由により自己の農業の用に供することが困難な状態であるため賃借権の設定する等一定の要件を満たし、贈与者の死亡後も引き続き納税猶予の特例の適用が認められた者
  • 相続した農地について相続税の申告期限前に特定貸付を行った者

特例農地等の要件

 次のいずれかに該当するものであり、相続税の期限申告内にこの特例の適用を受ける旨の記載されたものであること

  • 被相続人が農業の用に供していた農地等で、相続税の申告期限までに遺産分割協議により取得した農地。
  • 被相続人が特定貸付を行っていた農地等で、相続税の申告期限までに遺産分割協議により取得した農地。
  • 被相続人が営業困難時貸付を行っていた農地等で、相続税の申告期限までに遺産分割協議により取得した農地。
  • 被相続人から生前一括贈与により取得した農地等で、被相続人の死亡時まで贈与税の納税猶予または納期限の延長の特例の適用を受けていた農地
  • 相続や遺贈によって財産を取得した人が相続開始の年に被相続人から生前一括贈与を受けていた農地。

特定貸付とは、農業経営基盤強化促進法の規定による一定の貸付をいいます。

納税猶予の打ち切り

 納税猶予期限が到来する前に、相続税の納税猶予の適用を受けた農地等を譲渡した場合や、転用などをした場合または適用農地を耕作していると認められない場合などの事由が生じた場合にはその時点で納税猶予が打ち切りとなり、猶予を受けていた相続税の全部または一部を利子税も合わせて納付することとなりますのでご注意ください。

改正後の農地の相続税納税猶予制度について(まとめ)

1.対象農地

調整区域

 自作農地+農業経営基盤強化促進法による貸付農地

市街化区域

    自作農地

2.免除要件

調整区域

 自作または農業経営基盤強化促進法による貸し付けにより農地としての利用を終身継続

<既適用者(平成21年12月15日法改正前)に対する経過措置>

引き続きすべてを自作する場合は、従来どおりの要件(20年自作)を適用

適用対象農地を貸し付けることも可能(すべての農地を終身継続利用すること)

市街化区域

 20年自作で納税免除

3.身体障害等により将来にわたって営農が困難となった場合の適用の有無

【調整区域】【市街化区域】とも

 農地を貸し付けても猶予継続(貸し付け等せず、耕作放棄した場合は猶予打ち切り)

<既適用者にも適用>

4.農地利用目的の20パーセント超の譲渡の場合の猶予の適用

調整区域

 農用地区域内の農地を農業経営基盤強化促進法により譲渡した場合は、20%超を譲渡しても譲渡部分のみ打ち切り

<既適用者にも適用>

市街化区域

すべて打ち切り

 

3 相続税(贈与税)の納税猶予に関する農業委員会の各種証明について

 農地の相続税・贈与税の納税猶予を受ける場合には、申告の際に農業委員会が発行する「相続税(贈与税)の納税猶予に関する適格者証明書」が必要となります。

相続税(贈与税)の納税猶予に関する適格者証明書

 毎月下旬に開催する月次総会で審議するために、受付は毎月10日が締切日(12月については5日、締切日が閉庁日にあたるときはその後の開庁日)となっています。受付から月次総会までの間に、農業委員により現地調査および相続人の方への面談(営農の意思の確認)を行います。 通常、証明願を受け付けてから証明書をお渡しできるのは、月次総会で審議後の月末となります。

申請書類

  • 証明書(2部)
  • 位置図、公図、遺産分割協議書(写し) 各一部

相続税の納税猶予に関する適格者証明書様式(Wordファイル:80.5KB)

相続税の納税猶予に関する適格者証明書様式(PDFファイル:201.7KB)

相続税の納税猶予に関する適格者証明書様式(記載例)(PDFファイル:291.8KB)

  • 贈与税の納税猶予制度(租税特別措置法第70条の4第1項)については、相続税の場合と同じような制度ですが、適用を受ける要件等については異なります。
  • 贈与税の納税猶予に関する適格者証明願の提出方法や証明にかかる農業委員会の処理日程等については相続税の場合と同じです。ただし、農地を贈与する際には農地法第3条許可が必要となります。

贈与税の納税猶予に関する適格者証明書様式(Wordファイル:73KB)

贈与税の納税猶予に関する適格者証明書様式(PDFファイル:182.8KB)

 

相続税(贈与税)の納税猶予の特例の適用を受けられた方へ

 納税猶予期間中、税の申告期限から3年目ごとに「引き続き納税猶予の特例の適用を受けたい旨の届出書」(継続届出書)を税務署に提出することが必要です。その際、農業委員会発行の「引き続き農業経営を行っている旨の証明書」を添付する必要があります。

引き続き農業経営を行っている旨の証明書

「引き続き農業経営を行っている旨の証明書」は、現地調査等を行った後の発行となるため、申請後、概ね1週間から10日前後日数がかかりますのでご注意ください。

申請書類

  • 証明書(2部)
  • 特例の適用を受けた農地の位置図、 公図 各1部

引き続き農業経営を行っている旨の証明書様式(Wordファイル:55.5KB)

引き続き農業経営を行っている旨の証明書様式(PDFファイル:157.8KB)

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:農業委員会事務局(新館9階)
郵便番号:675-8501
住所:加古川市加古川町北在家2000
電話番号:079-427-9369
ファックス番号:079-427-9029
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