報恩寺の釈迦三尊十六善神像/県指定文化財

名称
釈迦三尊十六善神像(しゃかさんぞんじゅうろくぜんじんぞう)
数量
1幅
種類
絵画
材質及び技法
絹本著色、掛幅装
寸法
縦 150.3センチメートル、横 88.8センチメートル
時代
鎌倉時代/13世紀
所有者及び所在地
報恩寺(平荘町山角466-1)所蔵
指定年月日
平成16年3月9日県指定(平成4年10月6日市指定)
解説
釈迦十六善神像は、国土安穏、除災招福のため『大般若経』を転読する大般若会の際の本尊となるものです。わが国では、12世紀には、釈迦十六善神像を祀った大般若会が行われていたことが記録に残り、鎌倉時代以降は多くの作例があります。中央には、説法をするように右手を胸前に左手を膝上に置く釈迦如来が配され、その周りに十六善神が描かれます。十六善神とは、大般若経とその受持者を守護する一六種の夜叉善神で、四天王などが含まれています。
本図は、報恩寺に伝わる釈迦十六善神像で、左右脇侍の配置が逆であることを除けば、一般的な構図といえます。中央の朱や緑青で彩色された蓮台上には肉身部が黄淡色の釈迦如来、左脇侍に騎象普賢菩薩、右脇侍に騎獅文殊菩薩が配されています。また、その左右に、それぞれ八体の善神、下部中央に功徳天と僧形(迦葉または常諦か)、大般若経を積んだ笈を背負う玄奘三蔵と、般若の守護神である深沙大将、頭上には天蓋が描かれ、左右対象とした整然とした構図になっています。本図では、十六善神は、十二神将と四天王で表現されています。
獅子や善神をはじめ、それぞれの表情は生気に満ち、描き方も彩色豊かで精緻であり、形式化が進んでいません。残念なことに画面全体に褪色しており、周縁が裁断されているため20枚あったと思われる短冊形が15枚しか確認できなくて、いずれも剥落のためほとんど判読できません。
報恩寺には、宝治元(1247)年書写の大般若経も残っていて、また、本図の表現が鎌倉時代前半期のものとできることと合わせ、13世紀中頃の作と考えられます。
地図情報
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更新日:2025年04月30日