大野常楽寺の石造宝塔並びに五輪塔2基/県指定文化財

更新日:2022年02月20日

常楽寺の宝塔並びに五輪塔

名称

石造宝塔1基、石造五輪塔2基(せきぞうほうとう1き、せきぞうごりんとう2き)

数量

3基

種類

建造物

材質及び技法

石造宝塔 花崗岩製、
石造五輪塔 凝灰岩(竜山石)製

寸法

石造宝塔 現高236.5cm、
石造五輪塔(右) 現高183.5cm、
石造五輪塔(左) 現高172.8cm

時代

石造宝塔 鎌倉時代/正和4(1315)年、
石造五輪塔 鎌倉時代/14世紀

所有者及び所在地

常楽寺/加古川町大野

指定年月日

昭和36年5月12日 県指定

解説

 常楽寺の墓地に建つこの石塔群は、鎌倉時代後期に造立されたもので、現在は延べ石の基壇上に3基並んでいます。宝塔の両脇に五輪塔を置く形は珍しく、各部のよく整った石塔群であることも含めて、加古川市を代表する文化財として注目されます。
 宝塔は、相輪の宝珠と請花を欠失しているほかは残存状況も良く、木造建築における宝塔を細部まで表現しています。基礎は、各面の輪郭を二区に分け、それぞれに格狭間を入れています。正面の下端には奉籠孔とみられる孔が穿たれています。塔身は、軸部・框・勾欄・首部を一石で造っています。軸部には扉形を精巧に刻んでおり、特に、中央の桟には扉金具を浮き彫りで表しています。軸部正面の扉形の間には、「正和四年乙卯八月日」「願主沙弥道智」の銘文があります。笠は、屋根の降棟(くだりむね)を二段で造り、軒下には二重の垂木形を設け、隅垂木が彫り出されています。相輪は、第9輪目より上を欠失しています。
 2基の五輪塔については、形式や手法からみて宝塔とほぼ同時に造立されたものと考えられています。各部は全て切り離しの素面で、梵字や銘文は刻まれていません。2基の形状は統一感がありますが、基壇に造られた反花や、笠の軒の反り具合などに若干の違いがみられます。
 常楽寺は鎌倉時代後期の真言律僧である文観上人ゆかりの寺院です。近世の地誌『播磨鑑』では、この石塔群について「文観慈母堂」と記載しており、宝塔は文観の母の墓塔、両脇の五輪塔は仲間の供養塔であると伝えています。

地図情報

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:文化財調査研究センター
郵便番号:675-0101
住所:加古川市平岡町新在家1224-7(中央図書館2階)
電話番号:079-423-4088
ファックス番号:079-423-8975
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