ノロウイルスによる感染性胃腸炎について
ノロウイルスによる感染性胃腸炎について
ノロウイルス感染の予防法について
- 手をしっかり洗いましょう
調理や食事の前、トイレの後などには必ず手を洗いましょう。 - 加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱しましょう。
- 患者のふん便や吐ぶつの処理は、素手で行わないようにしましょう
患者のふん便や吐ぶつには大量のウイルスが存在します。使い捨てのマスクや手袋を着用し、ウイルスが飛び散らないように、速やかにペーパータオル等でふき取りましょう。使用したペーパータオル等はビニール袋に密閉して廃棄しましょう。
ノロウイルスに関するQ&A
ノロウイルスはどうやって感染しますか?
このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような場合があると考えられています。
- 患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから、人の手などを介して二次感染した場合
- 家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところで、ヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合
- 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
- 汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
- ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を、消毒不十分で摂取した場合などがあります。
特に、食中毒では、3のように食品取扱者を介してウイルスに汚染された食品を原因とする事例が、近年増加傾向にあります。
また、ノロウイルスは、3、4、5のように食品や水を介したウイルス性食中毒の原因になるばかりでなく、1、2のようにウイルス性急性胃腸炎(感染症)の原因にもなります。この多彩な感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。
どんな時期にノロウイルス食中毒は発生しやすいのですか?
我が国における月別の発生状況をみると、一年を通して発生はみられますが、11月くらいから発生件数は増加しはじめ、12月から翌年1月が発生のピークになる傾向があります。
ノロウイルスに感染するとどのような症状になりますか?
潜伏期間(感染から発症までの時間)は24時間から48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これらの症状が1日から2日続いた後に治癒し、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
発症した場合の治療法はありますか?
現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。このため、通常、対症療法が行われます。特に、体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には、病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。
止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので、使用しないことが望ましいでしょう。
食品中のウイルスを失活化するためには、どうすればよいですか?
ノロウイルスの失活化の温度と時間については、現時点においてこのウイルスを培養細胞で増やす手法が確立していないため、正確な数値はありませんが、同じようなウイルスから推定すると、食品の中心温度85度以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされています。
手洗いはどのようにすればいいですか?
手洗いは、調理を行う前(特に飲食業を行っている場合は食事を提供する前も)、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後(手袋をして直接触れないようにしていても)には必ず行いましょう。常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄します。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。
感染が疑われる場合は、最寄りの保健所や、かかりつけの医師にご相談下さい。
ノロウイルスに関する詳しい情報は厚生労働省のホームページをご参照ください。
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更新日:2022年11月24日