国民健康保険料の見直しを行いました

更新日:2024年03月26日

 社会全体の医療費・介護費が年々上がり続けていることから、社会保険などすべての医療保険の保険料率が引上げられています。国民健康保険においても、医療費などの負担を賄うために必要な財源として国・県から示される保険料率が年々上昇しています。

【一人当たり医療費の推移】
一人当たり医療費の推移

※令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響による通院控え等により一時減少

 一方、本市においても以前から料率を県からの提示に合わせ引き上げる必要がありましたが、収入の不足に対して黒字分の貯えである基金を活用することで、長期間改定することなく他市町と比較して低い保険料額を維持し運営してきました。

【不足額と基金残高の推移】
不足額と基金残高の推移

 現行の料率で算定した保険料収入と医療給付に必要な金額との差が不足額です。

 その不足額については、基金で充当することで赤字を解消してきました。

例)令和2年度

   (基金残高)16.7億円ー(不足額)2.4億円= 14.3億円

 この14.3億円が、令和3年度の基金残高です。この充当を繰り返してきた結果、令和6年度当初の残高は4.7億円となる見込みであり、不足額を充当するための基金が不足してしまいます。

県内他市町との比較

 次の世帯を例として、令和5年度の各市町の保険料率を用いて計算した年間の試算額で比較します。

世帯構成:世帯主 45歳/妻 43歳/子 18歳/ 子15歳

       世帯収入 400万円(営業所得)

各市町比較

【各市町料率による試算額の比較】

 このように、基金を活用することで県内他市町と比べても低い保険料収入で運営してきました。

兵庫県下市町の保険料水準の統一について

 国民健康保険は、他の社会保険や共済保険といった被用者保険と比較して年齢構成が高く、それにより医療費水準が高くなっているうえ、所得水準が低く、所得に占める保険料負担が重くなっています。また、市町単位のため、小規模保険者が多く、財政的に不安定となっています。

 今後さらに被保険者の減少が見込まれる中、これらの問題の解消策として、平成30年度より国の制度改正による都道府県化が開始し、兵庫県においても県が財政の主体となっています。さらなる健全運営のため、地域内の同一サービス、同一料金化を進めるにあたり、兵庫県国保運営協議会において、県・市町で協議を重ねた結果、令和4年度に「兵庫県における保険料水準の統一に向けたロードマップ」が採択され、令和9年度からの県下保険料水準の統一が決定しました。

 また、令和5年度には国民健康保険法が改正され、都道府県単位での保険料水準統一が求められています。

 そのため、令和9年度以降は本市においても県下統一の保険料率を適用する必要がありますが、現行の保険料率が県下の中でもかなり低い水準であるため、大幅な引き上げが必要となる見込みです。

令和6年度の保険料率について

 このような状況の中、本市はなんとか保険料率を維持してきましたが、このままでは医療費の7割負担などみなさまの保険給付を維持することができなくなってしまいます。

 基金がなくなってしまう以上は、本来充てるべき保険料収入にて国民健康保険の運営を行う必要があります。

  物価高騰など厳しい状況ではありますが、保険制度維持のため、何卒ご理解いただきますようお願いいたします。

保険料

(年額

全加入者

40~64歳の

加入者

全加入者

医療分

介護分

後期支援分

所得割額

令和5年中の基準総所得金額

× 7.00%

令和5年中の基準総所得金額

× 2.71%

令和5年中の基準総所得金額

×3.01%

加入者

× 29,769

加入者数

× 13,972

加入者数

× 12,506

平等割

1世帯あたり

19,511

1世帯あたり

6,999

1世帯あたり

8,196

限 度 額

650,000

170,000

240,000

令和5年度と令和6年度の保険料率の比較
R5R6差分

保険料への影響について

今回の改定による保険料額への影響は以下のようになります。

<ケース1>

  世帯構成:世帯主 45歳 /妻 43歳 /子 18歳 / 子 15歳

  世帯収入:営業所得400万円(基準総所得金額 357万円)

  令和5年度 令和6年度
所得割 均等割 平等割 所得割 均等割 平等割
医療分 278,460 102,400 22,800 249,900 119,076 19,511
介護分 85,680 19,000 5,400 96,747 27,944 6,999
後期分 64,260 27,200 5,400 107,457 50,024 8,196
合計 610,400 685,600
現行保険料からの上昇額 75,200
同上昇率 12.32%
一人当たり上昇額/月 1,567
一世帯当たり上昇額/月 6,267

  ※医療分・介護分・後期分はそれぞれ合算した後、100円未満切捨て。

<ケース2>

  世帯構成:世帯主 70歳 /妻 66歳

  世帯収入:年金収入 世帯主 240万円/妻 40万円 (基準総所得金額 87万円)

  令和5年度 令和6年度
所得割 均等割 平等割 所得割 均等割 平等割
医療分 67,860 40,960 18,240 60,900 47,630 15,608
介護分 0 0 0 0 0 0
後期分 15,660 10,880 4,320 26,187 20,009 6,556
合計 157,800 176,800
現行保険料からの上昇額 19,000
同上昇率 12.04%
一人当たり上昇額/月 792
一世帯当たり上昇額/月 1,583
   ※均等割・平等割は2割軽減適用。
   ※医療分・介護分・後期分はそれぞれ合算した後、100円未満切捨て。

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:国民健康保険課 保険料係(新館1階)
郵便番号:675-8501
住所:加古川市加古川町北在家2000
電話番号:079-427-9229
ファックス番号:079-424-1371
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