2012年9月号(特集・ミニ特集・タウンタウンなど)

更新日:2019年12月23日

平成24年9月号目次

  • 特集 睡眠 よく眠れていますか?
  • タウンタウンこんにちは「北条鉄道の女性運転士」川田なつ子(かわたなつこ)さん
  • 市民リポーターの調査ファイル「地域学講座」
  • ぶらり「永田耕衣(こうい)の句碑(尾上町)」
  • グラフ加古川
  • 情報コーナー 別ページに掲載しています。
  • 第23回 加古川ツーデーマーチ
  • えんぴつ(編集後記)

睡眠 よく眠れていますか?

睡眠は、食事や運動と並んで心身の健康に欠かせないものです。しかし、市民の約5人に1人が「睡眠による休養を十分にとれていない」と感じています。あなたは「睡眠」で気になることはありませんか。長く続く睡眠障害は、病気の前兆かもしれません。

加古川市民の健康づくりに向けたアンケート調査(平成19年7月実施)。

睡眠障害は万病のもとです

 人は目が覚めている間、脳を活発に働かせているため、徐々に疲れがたまってきます。疲れた脳を休ませたり、心身の疲労を回復させたりするためには睡眠が必要です。
 疲労の回復に必要な睡眠をとることができないと、昼間に眠気に襲われる、体がだるい、頭痛がするなどの身体的な症状や、ちょっとしたことでイライラする、仕事に集中できないなどの精神的な症状が現れることがあります。さらに、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めたり、体の免疫力が低下して風邪などの感染症にかかりやすくなったりします。
 心と体の健康を守るために、よい睡眠のポイントを確認しましょう。

快眠度チェック!

あなたは快適な睡眠をとることができていますか?
当てはまる項目が多いほど、快眠度が低くなっています。

  • 昼間に強い眠気を感じる
  • 床に入っても、30分以上寝つけない
  • 夜中に何度も目が覚め、再び眠るまで時間がかかる
  • 朝早く目覚め、そこから眠れない
  • 休日は起床時間がとても遅くなる
  • 長時間眠ったはずなのに、寝た気がしない
  • 朝、すっきりと起きられないことが多い
  • いつも何となく体がだるい
  • 就寝前にお酒を飲む習慣がある

よい睡眠をとるためには

「長さ」ではなく「質」を重視する

 日本人の平均的な睡眠時間は6~8時間ですが、必要な睡眠時間には個人差があります。時間が短くても熟睡感があり、昼間に眠気に襲われることがなければ、質のよい睡眠であると考えられます。

朝の光を浴びるようにする

 朝の光を浴びることで体のリズムが整います。うまく整えることができないと、夜になっても眠たくならない、寝つきが悪くなるなどの悪影響があります。休日も、起床する時間が普段より遅くならないように心がけましょう。

眠たくなってから就寝し、眠れなければ一度起きる

 眠ろうと焦れば焦るほど目がさえてしまうものです。眠たくなってから床に入る習慣をつけましょう。また30分以上眠れないときは、一度起きて自分なりにリラックスできる方法を試してください。

昼寝は30分を目安にする

 昼間に強く眠気を感じる場合は、昼寝をするのも心身のリラックスには効果的です。ただし、夜の睡眠に影響を与えないよう、午後3時までに、30分を目安にしてください。

就寝前のカフェインやお酒は避ける

 コーヒー、紅茶、清涼飲料水、チョコレートなどに含まれているカフェインには、覚醒作用があります。寝つきのよくない人は、就寝する約4時間前から摂取を控えましょう。また、寝る直前のお酒は、眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりするので避けましょう。

眠れない日が続く それは心の病気のサインかも

 眠れないなどの睡眠障害が2週間以上続くようであれば、それはうつ病のサインかもしれません。うつ病は自分では気づかないうちに症状が進行してしまう場合も少なくありません。また、睡眠障害が続くことで発症する場合もあります。

 うつ病は適切な治療を受け、しっかり休養をとることで治すことができる病気です。気になるときは一人で悩まず、相談窓口や専門医に相談してください。

こころの相談窓口

健康課

  • 電話 427-9215
  • 月曜日~金曜日 9時00分~17時00分

加古川健康福祉事務所地域保健課

  • 電話 422-0003
  • 月曜日~金曜日 9時00分~12時00分、13時00分~17時00分

兵庫県いのちと心のサポートダイヤル

夜間に相談できる窓口です。

  • 電話 078-382-3566
  • 月曜日~金曜日 18時00分~翌日8時30分 土曜日・日曜日、祝日は24時間対応。
  • 問い合わせ先健康課(電話 427-9215)

タウンタウン

こんにちは 地域の人に親しまれる運転士を目指して

北条鉄道の女性運転士

加古川町  川田 なつ子(かわた なつこ)さん(25歳)

 「まさか自分が列車の運転士になるとは思っていませんでした」と話すのは、川田なつ子さん。この夏、小野市と加西市を結ぶ第三セクターの北条鉄道に誕生した二人目の女性運転士だ。

 高校で簿記やパソコンを勉強したという川田さん。地元での就職を考えていた時に、北条鉄道の経理社員募集を見つけ応募したという。「その頃は特に鉄道に関心があったわけではなく、高校で学んだ知識が生かせるかな、という思いでした」と話す。

 入社後は、経理や総務として伝票作成や決算などの事務処理を担当。「鉄道の知識が全くなかったため、伝票に書いてある列車や踏切の部品名がわからず事務作業も大変でした」と振り返る。当初から、運転士にとの誘いもあったが、人を乗せて列車を運転するのは怖いと乗り気ではなかった。しかし、二年目を迎え経理の仕事にも慣れてきた頃、もっと鉄道に関する専門的な知識を得たいとの思いが出てきて運転士を目指すことに。同期入社した女性が先に運転士の免許を取ったことも決断を後押ししたそうだ。

 運転士を目指すと決めた昨年の秋から、今年三月に行われた学科試験に向け勉強を始めたが、慣れない専門用語に非常に苦労したという。「列車の構造や法律、理論など初めは全然頭に入ってきませんでした」と振り返る。学科試験合格後は、隣に指導者を乗せ実際の線路を使った実技研修。事故や故障を想定した練習など、約二カ月で四百時間の研修が必要なため、泊まりこみで行ったそうだ。「ブレーキを使い、車両をホームの停車位置にピタリと止める作業に一番苦労しました。思ったよりブレーキが弱く通り過ぎてしまったり、逆に強すぎて衝撃が伝わってしまったり。そのタイミングをつかむまでに時間がかかりましたね」と話す。ハードな研修に音を上げそうにもなったが、応援してくれる会社のためにも、運転士になって役に立ちたい! と頑張ることができたという。

 六月に無事、国家資格のディーゼル車運転免許を取得した川田さん。七月十五日の初運転には家族も駆け付け記念すべき列車に乗車した。「一人で運転台に座ったとき、いつも横にいてくれていた人がいないことに心細くなりましたが、列車が進み始めると、私が運転してお客さんを運んでいるんだなぁと実感しました」と話す。今では一日に三~五往復の運転をこなすなどすっかり運転士の顔だ。「顔見知りのお客さんが増えてきて声をかけてくれたり、沿線から子どもたちが手を振ってくれたりすると嬉しいですね」と笑顔を見せ「これからも安全第一で、地域のみなさんの日々の生活を支えていきたいです」と決意を込めた。

(写真掲載キャプション)

  • 運行前に行う出庫点検。ブレーキやエンジンを指差し確認して安全をチェックします。
  • 運転する時の必需品。ブレーキハンドルと懐中時計、時刻表。

市民リポーター 大西 恵理子の「調査ファイル」

no.29 地域学講座

市内12の公民館で「地域学講座」という講座が開催されていると聞きました。地域のことを学ぶだけではないようですが、一体どんな講座なのでしょう? さあ、それでは調査開始!

「地域学講座は地域の文化や歴史、産業などを学ぶだけにとどまらず、ふるさとへの愛着を深め、学んだことを周りの人や子どもたちに伝えていってほしいという思いから、各公民館で開催しています」と話してくれたのは、社会教育・スポーツ振興課の前川副課長。誰でも参加できて、講座を通して地域の魅力を存分に学ぶことができるとのこと。座学だけでなく、現地に出かけての見学もあるので、今まで気付かなかった「わがまち」のようすを再発見できるのだとか。また、公民館ごとに趣向を凝らした内容になっているので、その地域ならではのエピソードを聞くことができるそうです。

 さて今回は、加古川公民館で開催している講座に参加することにしました。ここでは、町内会や高齢者大学、郷土史家などが委員会をつくって座学や現地見学など全10回の講座を企画しています。この日は木造の家屋が残り昭和初期の雰囲気が漂うニッケ社宅や、その昔加古川城があったといわれる称名寺周辺を現地見学。前回座学で学んだことを実際に現地に行ってゆっくり確認していきます。みなさんに受講理由を聞くと、退職を機に地元のことをもっと知りたくなった、称名寺の近所に引っ越したことがきっかけとなったなどさまざま。説明を聞きながら歩いていると、質問も出てきて話がどんどん膨らんでいきます。現在白い壁のニッケ社宅倶楽部という洋館は、約100年前に建築された当初はピンク色の壁だったことや、約90年前の加古川河川改修には、東京スカイツリー建設よりも多くの費用がかかったことなど、本には載っていないようなことを知ることができて大興奮。見学が終わる頃には学んだことを早く周りの人に伝えたい! という気持ちが湧いてきて自分でも驚きました。
 加古川公民館では受講生OBが「案内人の会」を立ち上げ、学んだことを周りの人に伝えていく取り組みを始めています。昨年は加古川小学校4年生の「まち歩き」の授業で、まちを案内するガイドをしたそう。なかでも、加古川に首都を移そうという話が過去に2回もあったことを聞いた子どもたちの「加古川ってすごいところやん!」といった素直な感想が印象的だったとか。「地域学講座で学んだことを伝えていくことは、子どもたちの郷土愛を育てるのにもいい方法だと思います。まずは気軽に楽しみながら受講して、家庭や地域などの身近な場で話題にしていただけたら」と前川副課長。住んでいるまちをもっと知って、たくさんの人にその魅力を伝えていけたらいいな! と思った調査となりました。

調査を終えて

調査後、講座で知ったことを息子とその友だちに早速披露。「おばちゃん、よう知っとるなあ。おばあちゃんみたいやな!」というコメントに、うれしいような、ちょっと悲しいような気持ちになったのでした。

(写真掲載キャプション)

  • 現地を見て歩きながらの講師の話にみなさん興味津々。
  • 野口公民館の講座。郷土に詳しい人たちを講師に招き、いろんな角度から地域のことを学びます。
  • 地域学講座の参加者を募集 10月から始まる地域学講座の案内は、情報コーナー19ページに掲載しています。

ぶらり 加古川史跡放浪記

永田耕衣(こうい)の句碑(尾上町)

 本市ゆかりの著名な俳句作家を三人あげるとすれば、活躍時期が十八世紀前半の瀧瓢水(たきひょうすい)、同世紀後半の松岡青蘿(せいら)、そして昭和から平成にかけての永田耕衣であることに異論は少ないと思います。そこで、今回は現代俳句で著名な耕衣を取り上げました。

 耕衣の生涯に関しては、自伝的評論集「耕衣自伝―わが俳句人生」や城山三郎の小説「部長の大晩年」が参考になります。それらによると、耕衣は明治三十三(一九〇〇)年に現在の尾上町今福に生まれ、長じて高砂の製紙会社に就職しました。その三年後、作業中に右手の指が機械に挟まれるという労働災害に遭い、自宅療養を余儀なくされました。そのとき、近くの泉福寺(せんぷくじ)で禅問答に接したことが契機となって、禅哲学に関心を深めていきます。晩年、俳句の哲学者(俳哲(はいてつ))と呼ばれるようになった耕衣独自の句風が生まれた原点を、そこに求めることができます。二十歳のころから、新聞の俳句欄や俳句誌に投稿を続け、会社内では俳句サークルを立ち上げるなど創作に励みました。昭和二十四年には耕衣を指導者とする俳句誌「琴座(りらざ)」が創刊され、それは四十八年後の平成九年まで続いています。

 五十五歳で定年退職したあとは、神戸市須磨区に転居し、自宅を田荷軒(でんかけん)と称して活発な創作活動を行いました。九十五歳のとき阪神・淡路大震災で自宅が全壊したものの、奇跡的に救出され、半月後大阪府寝屋川市に転居したのち、平成九年八月に九十七歳で永眠。「枯草の大孤独居士(だいこどくこじ)ここに居(お)る」が最後の句となりました。

 耕衣の生誕百年にあたる平成十二年二月、菩提寺でもある泉福寺の塀の外側に「永田耕衣の会」によりこの句碑は建立されました。耕衣の全体像を表す独自なモニュメントを求めた同会の意向を踏まえた、造形作家・今井祝雄(のりお)氏の他に例をみないユニークな作品です。耕衣が主宰した俳句誌「琴座」にちなみ竪琴をイメージした主碑と、三角柱形の副碑で構成されています。主碑のうち直径約二メートルの円環と句集を表現した部分はブロンズで、弦にあたる部分は表と裏に俳句が刻まれた七枚のステンレス製の板から成っています。主碑の前に立ち、向かって右に移動すると七つの句が見え、左に移動すると弦のすき間を通して、副碑に描かれている耕衣の立像が見える仕掛けになっています。

 この斬新な句碑を前に、一句ひねられてはいかがでしょうか。

  • 副碑の句「夢の世に葱(ねぎ)を作りて寂しさよ」

JR加古川駅からかこバス尾上公民館前行で約20分「今福南」下車徒歩約5分

グラフ加古川

加古川まつり

 7月~8月に市内20会場で開催された「おまつり広場」と、8月5日に加古川河川敷で開催された「花火大会」のようすの一部を紹介します。

金魚って逃げ足速い!

 7月22日、ウェルネスパークで「全国金魚すくい選手権予選加古川大会」が開かれ、大勢の人でにぎわいました。すばしっこく泳ぐ金魚に参加者は悪戦苦闘。3分間の決戦は、多くのところで金魚に軍配があがりました。

本の貸し出しにチャレンジ

 中央図書館で行われた「図書館一日体験隊」では、12人が書架整理やカウンターでの作業を体験。参加した子どもたちは緊張した面持ちでカウンターに座り、無事に貸し出しができた時はホッとした表情を見せていました。

第23回 加古川ツーデーマーチ

11月10日(土曜日)11日(日曜日)

参加者募集

 心と体の健康づくりを目指して開催するウォーキングフェスティバル「加古川ツーデーマーチ」。加古川の自然や文化にふれながら、楽しく歩いてみませんか。

雨天決行 荒天の場合、中止することがあります。

第1日目 水と緑・自然を歩く
西北コース(40・20・10・5キロメートル)

第2日目 歴史と文化を歩く
東南コース(40・20・10・5キロメートル)

参加費

  • 一般 1,500円(グル割20 1,200円)
  • 中学生 800円(グル割20 600円)
  • 小学生以下 無料

1日参加、両日参加とも同額です。
小学生以下の人は、保護者同伴(申し込みが必要)で参加してください。

申込方法

申込書に必要事項を記入し、参加費を添えて、加古川ツーデーマーチ実行委員会事務局か各市民センターへ。
申込書は市役所案内と各市民センターにあります。
10月1日以降は、事務局でのみ受け付けします。
インターネットからも申し込みができます。

お得なグループ参加割引「グル割20」

20人以上のグループで申し込むと参加費が安くなるグループ参加割引「グル割20」を始めました。
趣味や職場、近所の仲間を誘って、みんなでウォーキングをお楽しみください。

代表者が申し込みや支払いなどの全ての手続きを一括して行ってください。
参加費払込の前に専用申込用紙を提出してください。
インターネットからの申し込みはできません。

障がいのある人に参加費を助成します

 市内に住んでいるか、市内の学校や施設に通学・通所している障がい者(児)に参加費の一部を助成します。申込方法などくわしくは、障がい者支援課(電話 427-9210 ファックス 422-8360)へ。 9月中に申し込むことが必要。

マイカップを持ってこよう

 環境にやさしいエコウォーキングを目指し、紙コップの配布は行いません。マイカップを持って参加してください。

BAN-BANラジオで実況生中継

 当日のようすをBAN-BANラジオ(FM86.9メガヘルツ)で生中継します。
放送時間 11時00分~13時00分、14時00分から午後4時(両日とも)

仮装ウォーカーを募集

 大会を盛り上げてくれる仮装ウォーカーを募集します。仮装ウォーカーには記念品をプレゼントします。
申込・問い合わせ先 加古川ツーデーマーチ実行委員会事務局(ウェルネス推進課内 電話 427-9180)

えんぴつ

ロンドンオリンピックで燃えた今年の夏。私もご多分にもれず、繰り広げられる熱戦に寝不足の毎日でした。オリンピックの主役は選手たちですが、その開催は多くの人に支えられていることがテレビを通して伝わってきます。特に世界中から集まる人たちの言葉の架け橋となる通訳の活躍は、さまざまな場面で見ることができました。
表紙で紹介した「ENJOYチャレンジ」ではALTと積極的に会話をする子どもたちの姿が印象的でした。いつか日本でオリンピックが開かれるとき、活躍するのかもしれませんね。(ゆ)

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