2011年1月号(特集・ミニ特集・タウンタウンなど)

更新日:2019年12月23日

特集

新春座談会

魅力あるウェルネス都市めざして

加古川市は「いつまでも住み続けたいウェルネス都市」を目標としてまちづくりを進めています。今回は、将来に向けて文化活動やスポーツを通して、だれもがいきいきと豊かに暮らすことのできる「ウェルネス都市」づくりをどのように進めていけばよいか話し合ってもらいました(司会は小林広報協働課長)。

樽本 つぐみさん

昭和43年生まれ。加古川市出身。兵庫大学健康科学部講師。実業団駅伝などで陸上中長距離選手として活躍し、24歳のときに10キロメートルで当時の日本最高記録を樹立。現在は、運動方法論を研究しながら選手の育成に力を入れる。市体育指導委員も務めている。

井上 慶太さん

昭和39年生まれ。西神吉町在住。日本将棋連盟棋士。小学校3年生から若松政和七段に将棋を教わる。19歳で四段に昇格しプロ棋士となり、33歳のときに八段に昇段。プロ棋士として活躍しながら若手の指導・育成にも努めている。

樽本 市長

昭和15年生まれ。尾上町在住。昭和38年に加古川市役所採用後、市民部長、企画部長、助役などを歴任し、平成14年7月から市長に就任。「一生懸命」を信条に、いつまでも住み続けたいウェルネス都市加古川づくりを進める。

神吉 市議会議長

昭和21年生まれ。東神吉町在住。平成6年に初当選後、建設水道常任委員長、議会運営委員長、議長などを歴任し、平成22年7月に第60代市議会議長に就任。加古川市の発展とだれもがいきいきと暮らせるまちづくりに力を注ぐ。

ウェルネスに欠かせない文化・スポーツ

司会 明けましておめでとうございます。昨年は、加古川市にとって市制施行六十周年を迎えた節目の年となりました。みなさんにとって昨年はどのような一年でしたか。
樽本 昨年から新しく大学の女子駅伝部ができ、指導にあたるようになりました。また、自分の経験や専門的な学習などから得てきたものを地域のみなさんにも還元したいと思って指導を始めた「マラソン講座」を、昨年も開催できました。駅伝の指導やマラソン講座を通して選手へのサポートの方法など多くを学んだ一年でした。
井上 昨年は、私の弟子の一人がプロ棋士に昇格し、加古川ゆかりの棋士が五人にもなり喜んでいます。十一月には将棋タイトル戦の「竜王戦」も行われ、市民会館で行われた大盤解説会では立ち見の人が出るほどの盛況でした。昨年は将棋熱の高まりを感じた一年でしたね。
議長 昨年は、市制六十周年記念として、竜王戦をはじめツーデーマーチやマラソン大会など多くの文化・スポーツのイベントが行われました。川との共生を考える「川サミット」も開催されましたね。どれも多くのみなさんの参加があり、大きなエネルギーをもらいました。これからの加古川市の発展に弾みをつけられた年ではなかったでしょうか。
市長 さまざまな記念事業を通じて、市制六十周年を市民のみなさんと一緒に祝うことができたように思います。これをきっかけに、これからの加古川市の躍進につなげたいですね。
また、市では昨年三月に、今後十年間のまちづくりの道しるべとなる基本構想をつくり、将来都市像を「いつまでも住み続けたいウェルネス都市加古川」と定めています。「ウェルネス」とは、一言で言えばだれもがいきいきと毎日を過ごすことなんです。
樽本 いきいきと過ごすには、体の健康ももちろんですが、スポーツや文化などを楽しむ心の健康も必要ですね。
井上 そうですね。共通の趣味を持つ人との出会いがありますし、活動そのものが生きがいにつながることもあります。
市長 ウェルネスには、体の健康とともに生きがいや人間関係の充実も大切な要素です。将棋をはじめとする文化的な活動も、マラソンなどのスポーツも、どちらも欠かせませんね。

文化活動で広がる人とのつながり

司会 市では昨年の竜王戦をはじめとして将棋の催しが多く行われています。六十周年を記念した文化的イベントも多数開催されました。今後も、文化のまちづくりを進めていくために、どのようなことが必要だと思いますか。
井上 昨年行われた竜王戦に引き続いて、二月には同じく将棋タイトル戦の「王将戦」が予定されています。竜王戦の盛り上がりを見ていると、今年も楽しみです。
また、五年前から開いている将棋教室では子どもたちの参加が年々増えてきています。このような活動も、盛り上がりにつながってきているのではないかと感じています。
市長 竜王戦などスポット的に大きなイベントを行うことも活性化には必要ですが、昨年六十周年記念事業として実施した「加古川ゆかりの音楽家リレー演奏会」などのように、地域で活動する人に発表の場を提供することも大切だと考えています。そのような場がたくさんあることが、市の文化活動の活性化につながるのではと思っています。
議長 地域の活動の場としては公民館もありますね。大正琴や民謡など、各公民館の登録団体が行っている文化活動も年々盛んになってきていると感じています。文化発表会などでは、会場に座りきれないほどの人出があるそうですよ。身近に元気な文化活動がある。そのような環境を大事にしていくことで広がりが生まれてくるのではないでしょうか。
樽本 私の家族も公民館での活動に継続して参加しています。そのようすを見ていると、行動範囲が広がったり、話題が増えたりとますます元気になっているなと感じます。文化活動を通じて気持ちを若く保つことができるのでしょうか。心の健康にもつながっていると思いますね。
井上 私は他市から転入してきたのですが、加古川は公民館や町内会など地域での文化活動がとても盛んだと思います。このような活動を通して世代間の交流もしやすくなっていると感じていますね。将棋という分野でも地域の活動にもっと参加していきたいと思っています。
議長 身近な活動に参加することで新しい友人ができ、世界が広がります。こうしてできた仲間同士で「あの人最近来ていないんだけどどうしたんだろう」と、安否を気遣ったりしているという話も聞きました。地域の中で交流も深まっているように思います。そのような人と人との「つながり」ができることも、文化活動の魅力ですね。

スポーツによる心と体の健康づくり

司会 市ではツーデーマーチや加古川マラソンなどのイベントをはじめ、身近な施設で運動したり、トップレベルの試合を見たりすることができる事業を行っています。スポーツによる心身の健康づくりにはどのようなことが必要だと思いますか。
樽本 最近、兵庫大学の近くの池周辺をウォーキングしたり、ジョギングしたりする人が増えてきています。あいさつをすると「頑張れ」と声をかけてくれたり、すごく元気をもらえます。ウォーキングやジョギングは道具もいらない気軽にできるスポーツです。市内でツーデーマーチや加古川マラソンなど参加しやすいイベントが行われているのはうれしいですね。
議長 そうですね。私もよく平荘湖周辺を歩くのですが、グループで楽しそうに歩いている人たちをよく見かけます。ツーデーマーチのようなウォーキングイベントは、だれもが気軽に参加できるので、これからも継続して、さらに充実させて欲しいと思っています。
市長 市で行うイベントの多くは、地域からのボランティアに「支え」られています。ツーデーマーチや加古川マラソンにも、たくさんの人が協力してくれていて、本当にうれしく思っています。みなさんが参加できるイベントや市のスポーツ施設など「する」場の提供、ラグビーやバレーボールのトップリーグなど「見る」場の提供と合わせて「する・見る・支える」が、スポーツの盛んなまちづくりには必要です。
井上 私も対局前などに、リフレッシュするために地元を歩くことがあります。加古川は自然も多く、歩いたり走ったりすると楽しいですね。こうした環境も、ウォーキングなどが盛んな要因だと思います。また、バレーボールなど身近に一流選手の試合を見る感動があることによって、スポーツへの関心も高まりやすいのではないでしょうか。
樽本 加古川マラソンのように参加しやすいイベントで、トップ選手を見ることができるのはいい刺激になっていると思います。一流選手の走る足音は、一般の人とぜんぜん違うんです。どのようなスポーツでも、トップのプレーは「音」が違います。実際に見て、感じて欲しいですね。
議長 加古川の河川敷では毎週のようにソフトボールの試合が開催され、幅広い世代の人が取り組んでいますね。スポーツを通して、子どもたちが全力で取り組むことの大切さなどを学ぶことは、健全な成長につながるのではと考えています。
市長 総合体育館やウェルネスパークなど市内の各施設では、ペタンクなどのニュースポーツやヨガなど、だれでも気軽に参加できるスポーツの教室が多く開催されています。ぜひ参加して、自分に合った方法を見つけて健康づくりをして欲しいと思います。

地域からはじまるウェルネスなまちづくり

司会 ウェルネスなまちづくりには、地域で活動している市民のみなさんと、それをサポートする行政が協力していくことが大切です。加古川市をよりよいまちにしてくために、どのようにしていけばいいでしょうか。
市長 スポーツでは、例えば加古川総合スポーツクラブのような取り組みがあります。だれでも参加でき、市内十二エリア三十一団体で、野球やサッカー、バレーボールなど多くの種類のスポーツが行われています。こうした活動を続けてもらうことによって、地域全体にスポーツが広がっていくのではと思っています。
議長 文化では、ウェルネスパークや総合文化センターをはじめとする市の施設や各公民館などをもっと活用してもらうことで、文化的な下地も固まってくるのではないでしょうか。
樽本 地域の活動をサポートするために、指導者も必要だと思います。スポーツでは、トップで活躍してきた人やそのスポーツに長年携わってきた人から知識を教わることで、より深くそのスポーツを理解して楽しむことができます。これまで第一線などで活躍してきた人が、地域で市民と接することのできる場がもっと増えればと思っています。
井上 将棋の魅力の一つに、小さい子どもから高齢者までが一緒に楽しめるということがあります。経験豊富な人が子どもたちと一緒にやってあげることで、楽しみ方も伝わりやすいのではと思っています。ほかの文化活動でも同じことが言えるのではないでしょうか。経験豊富な指導者と市民が気軽に交流することで、さらに盛り上がっていくと思いますね。
議長 指導者と身近なところでふれあえることは、地域から市全体を盛り上げることにつながりますね。経験豊富な人にはどんどん地域に入っていって欲しいと思います。私たち市議会議員も指導者の育成をはじめ、スポーツや文化活動が地域から活性化していくように、市民のみなさんの声を聞きながらまちづくりを進めていきたいと思います。
市長 これからも、将棋やツーデーマーチなどのイベントをはじめ、地域での文化活動やスポーツ教室など身近な活動を支える取り組みなどによって、心も体も健康な「ウェルネス都市」を目指したいと思っています。まちづくりの主役は市民のみなさんです。いつまでも住み続けたいウェルネス都市づくりのために、ともに頑張っていきましょう。

(写真掲載キャプション)

  • 昨年11月に開催された将棋タイトル戦「竜王戦」の大盤解説会には、多くの観客が集まりました。
  • 心と体の健康づくりを目指して毎年11月に開催しているウォーキングフェスティバル「加古川ツーデーマーチ」。
  • 毎年12月23日に開催されている加古川マラソンでは、加古川河川敷のマラソンコース「加古川みなもロード」を約5,000人のランナーが快走します。

ミニ特集

平成22年加古川市政10大ニュース

昨年はみなさんにとって、どのような1年でしたか? 市でもさまざまなことに取り組みました。このページでは、その中から選んだ「市政10大ニュース」を紹介します。

加古川市民病院と神鋼加古川病院の統合・再編を決定(1月)

加古川市民病院と神鋼加古川病院の統合・再編が1月に決まりました。今年 4 月には「地方独立行政法人加古川市民病院機構」として統合・再編し「加古川西市民病院」と「加古川東市民病院」として運営します。今後とも安定した地域医療を提供できる魅力ある病院づくりを進めていきます。

加古川市基本構想を策定(3月)

今後の10年間を展望したまちづくりの指針となる「加古川市基本構想」を策定しました。この基本構想では、まちづくりの基本理念を「ひと・まち・自然を大切にし、ともにはぐくむまちづくり」、将来の都市像を「いつまでも住み続けたい ウェルネス都市 加古川」と定めました。このまちに住むだれもがいきいきと暮らす活気のあるまち、いつまでも住み続けたいと思えるまちを目指し、市民と行政との協働によるまちづくりを進めていきます。

かこがわ教育ビジョンができました(3月)

国・県の教育振興基本計画や市基本構想をふまえ、かこがわ教育ビジョン(加古川市教育振興基本計画)を作りました。この計画では「ともに生きるこころ豊かな人づくり」を基本理念に、次代を担う子どもたちを育成するため、平成32年度までの市の教育の方向性を示しています。

野口保育園を新築移転(4月)

野口保育園は4月に移転が完了し、新たな施設での保育をスタートしました。新しい園舎は旧園舎の約2.6倍の広さとなり、定員も40人増の130人となりました。また、専任の看護師と保育士を配置した市内で 3 カ所目となる病後児保育室を開設し、保育環境の充実と子育て支援の拡充を図りました。

紙パック・雑がみ・蛍光灯・乾電池の分別収集が始まる(4月)

ごみの減量化・資源化を進めるために、4月から新たに「紙パック」「雑がみ」「蛍光灯」「乾電池」の分別収集を始めました。正しく分別し、再び資源として利用することで、ごみになるものを減らし、循環型社会にしていくことができます。今後ともみなさんのご協力をお願いします。

「認知症相談・支援マップ」を作成して市内全戸に配布(6月)

市内の認知症相談医や地域包括支援センター、居宅介護支援事業所などをまとめ、認知症の人や家族が困ったときに相談できる窓口を紹介した「認知症相談・支援マップ」を作りました。10月には、認知症による徘徊で自宅が分からなくなった場合などに備え、地域で協力して見守る「徘徊(はいかい)SOSネットワーク」も始まり、安全で安心な認知症にやさしいまちづくりに取り組んでいます。

市制施行60周年を迎える(6月)

6月15日に加古川市は市制施行60周年を迎えました。6月19日には記念式典を開催し、多くの参加者とともに60周年を祝いました。また、 9 月には全国川サミットin加古川や全国市町村交流レガッタを、10月には市内で初めてジャパンラグビートップリーグの試合を開催するなど、 4 月から12月までさまざまな記念事業を行いました。さらに、市内の美しい自然や名所を50カ所選定した「わがまち加古川50選」に、新たな10カ所を追加し「わがまち加古川60選」を選定しました。

市長・市議会議員選挙が実施され樽本市政3期目がスタート(7月)

6月13日の市長選挙で樽本庄一市長が再選され、3期目のスタートを切りました。同日行なわれた市議会議員選挙では、31人の議員が選出されました。

JR神野駅に北改札口とコミュニティルームを開設(10月)

10月2日に、車いすの利用が困難であるなどの課題があったJR神野駅に北改札口がオープンしました。駅舎の建設に合わせ、地域のまちづくり活動や防犯パトロールの活動拠点とするためのコミュニティルームや、市民トイレも設置されました。今後、自転車駐車場、隣接する道路の整備なども行い駅の利便性の向上などを図っていく予定です。

「棋士のまち加古川」盛り上がる(11月)

市にゆかりのある将棋のプロが 5 人もいる加古川市。11月25日・26日には将棋 7 大タイトル戦の一つである第23期竜王戦の第 4 局が、鶴林寺を舞台に開催されました。前夜祭では渡辺竜王と羽生名人を迎え、市にゆかりのある棋士も集まり市民のみなさんと交流しました。一般参加のトーナメント戦や大盤解説会などにも多くのファンが集まり、大いに盛り上がりました。今年 2 月には加古川市出身の久保二冠がタイトルを持つ王将戦を開催するなど、引き続き「棋士のまち加古川」を全国にPRしていきます。

タウンタウン

市民リポーター 大西 恵理子の「調査ファイル」

no.9 公民館の高齢者大学

市内の名所を紹介した手作りの「わがまち加古川かるた」を見つけました。作ったのは加古川公民館の高齢者大学のみなさんだそう。高齢者大学…? 名前は聞いたことがありますが、いったいどんな学校なのでしょうか? さあ、それでは調査開始!

「市では、満六十歳以上の人を対象に、市内の九つの公民館で高齢者大学を開講しています。名称や内容は各大学でさまざまですが、四年間の学習や活動を通して、地域のみなさんとの交流を深めながら、地域の活性化に貢献してくれる人を育てることをねらいとしています」と話してくれたのは、加古川公民館の高瀬館長。高齢者大学では、学生のみなさんが主体となり、自分たちの希望を取り入れながら学習計画を立て、自主運営で活動しているとのこと。「大学」という名前から、一般の大学と同じように、カリキュラムがはじめから組まれていて、それに沿って単位を取っていくのかと思っていた私。具体的にどのような活動をしているのか、もっと知りたくなってきました。

さて、高齢者大学のようすを知るため、加古川公民館の「寿大学」の学生の人から話を聞くことに。一年生から四年生まで各学年二クラス、総勢百七十人もの人が学んでいるそうです。活動は基本的に月二回で、政治・人権・健康などの講座もあれば、運動会や新春のつどいなどの行事もあり、調査日にはバス旅行に出かけていくクラスもありました。そのほか脳トレーニングや音楽療法など、世代の違う私も興味があるものばかり。大学での活動以外でも、サークルやボランティア活動で活躍している人も多いそうです。なかでも学生のみなさんの一番の楽しみは、四年前から始まった加古川小学校六年生との「スポーツ交流大会」なのだとか。私の見つけたかるたは、この日交流する小学生への記念品にと約半年かけて作られたものだと知ってびっくり! 子どもたちはうれしさと感動でいっぱいだったようで、修学旅行に持って行く子もいたとのこと。学生のみなさんにとっても「子どもたちに喜んでもらいたい!」という共通の目標に向かって、みんなで作業していくその過程が本当に楽しかったそうです。

交流をきっかけに、町で出会う子どもたちの方から声をかけてくれるようにもなったそう。大学での活動が地域のふれあいにもつながっているんですね。「一人ではできないこと、不可能だと思っていることでも、大学ではみんなで励まし合いながら力を合わせれば、何でもできるんですよ」といきいきした表情で話す学生さんを見て、何だかとてもうらやましくなりました。まだまだ若い(?)私も高齢者大学のみなさんの活躍に負けないように、何でも挑戦して輝いていきたいなあ! と思った調査となりました。

調査を終えて

調査日帰宅後、おじいちゃん・おばあちゃんのイメージを息子に聞いたところ「おばあちゃんのごはんがおいしい!」と即答。やっぱり食べ物のことかあ…。まずは毎日の「もっとおいしいごはんづくりに挑戦!」と誓うのでした。

(掲載写真キャプション)

  • 企画から飾り付けまで学生のみなさんが行い、輪投げやペタンクなどで盛り上がったスポーツ交流大会。
  • 和気あいあいと話をする学生のみなさんは本当に元気いっぱいです。

ぶらり・・・加古川史跡放浪記

飛翔(ひしょう)の碑(志方町)

播磨富士とも呼ばれている高御位山は、ハイカーに人気のある市内では最高峰の山で、元旦にはここで初日の出を迎えようとする人の列が続きます。標高三○四メートルの頂上付近に「飛翔」と名づけられた立体造形をのせた記念碑があります。高砂市出身で美術団体「二科会(彫刻部)」審査員、加古川市美術展の審査員六回をはじめ近隣都市の芸術振興に大きな功績を残した東村正久の作品です。志方町の「番茶くらぶ」という文化サークルの会員や有志が発起して、昭和三十六年に建設されました。

台座の碑文に「先覚があった。彼を渡辺信二といった。(中略)関西における実に最初の飛翔であった」と記念碑建設の趣旨が記されています。志方町に生まれた渡辺は、十一歳であった明治四十四(一九一一)年に大阪でアメリカの飛行団を見学して以来飛行機に関心を持ち続け、後年播州鉄道に勤務しながらグライダーの試作を繰り返しました。そして遂に大正十(一九二一)年十月十七日、自作のグライダーに自身が搭乗し、高御位山山頂付近から約三百メートルを滑空したのでした。機体をけん引するのではなく、崖から飛び降りて風をとらえるような飛行だったようです。『志方町誌』によれば、このグライダーは翼が八メートル、機体の長さが四メートルくらいの大きさでした。分解した機体を地元の青年たちが力を合わせ山上までかつぎ上げています。関西で初のグライダー飛行は、地域あげての快挙であったともいえるでしょう。

渡辺はのちに、念願の飛行士になったものの、搭乗機が神戸沖に炎上墜落して二十六歳で帰らぬ人となりました。入手は困難ですが、阿部牧郎が小説「飛翔記」(別冊文芸春秋一三七、昭和五十一年)で渡辺のグライダーにかけた情熱を活写しています。

渡辺が滑空してから九十年。飛翔の碑から条件がよければ、はるかかなたに神戸空港に発着するジェット旅客機をとらえることができます。

登山口へは、JR宝殿駅からかこタクシーで「成井」下車

グラフ加古川

次の一手は?

11月21日、第23期竜王戦第4局に先立ち「渡辺竜王杯トーナメント」が行われました。年齢制限なく棋力別で参加できるこの催し。各クラス3位までの入賞者は竜王戦前夜祭で渡辺竜王から表彰されることもあり、遠くは沖縄から178人の参加がありました。敗者のうち希望者70名が抽選で、プロ棋士による指導対局にも参加。憧れの棋士との対面に少し緊張しながらも、真剣な表情で指導に聞き入っていました。

思わず息のむ華麗なプレー

11月28日、総合体育館でV・プレミアリーグ女子加古川大会が開催されました。この日は「2010世界バレー」で32年ぶりのメダルに輝いた日本代表メンバーも出場。地元小学生による選手エスコートや観客へのファンサービスなどもあり、会場には約2,200人もの観客が駆けつけました。目の前で繰り広げられる世界レベルのプレーの数々に、観客席からは大きな歓声があがり、会場は大きな盛り上がりをみせました。次回の加古川大会は、1月22日に開催されます。

交差点右見て左見て安全発進!

環境にやさしい自転車のすばらしさをもっと知ってもらおうと「サイクルecoフェスタ」が、11月20日に市役所前広場で開催されました。集まった子どもたちは、初めて見る最新の電気自転車やユニークな形の自転車などに大喜び。警察官の指導による模擬信号機や横断歩道を使った交通安全教室など、自転車に乗るためのルールやマナーを楽しみながら学べる催しも行われ、お天気にも恵まれたこの日は大勢の人でにぎわいました。

第23回 加古川カップ綱引大会の参加者を募集

毎年、本格派チームから、職場やサークル、ご近所仲間などで結成した初心者チームまで、さまざまなチームが参加して熱戦が繰り広げられます。今回は特別部門として、市内小学校チーム(1校1チーム)による対抗戦を行います。綱の引き方やルールなど、分からないことがあれば説明しますので、初心者でも大丈夫! みなさんぜひ参加してください。

とき 3月6日(日曜)午前8時45分から
ところ 総合体育館

  • 部門 男子チャンピオンの部(600キログラム以下)
  • 競技人数 8人
  • チーム編成 8から10人
  • 参加費 3,000円 / 1チーム

 

  • 部門 男子一般の部
  • 競技人数 8人
  • チーム編成 8から10人
  • 参加費 3,000円 / 1チーム

 

  • 部門 女子一般の部
  • 競技人数 8人
  • チーム編成 8から10人
  • 参加費 3,000円 / 1チーム

 

  • 部門 男女混合の部
  • 競技人数 8人
  • チーム編成 8から10人(男4人・女4人) ※女子4人以上も可。
  • 参加費 3,000円 / 1チーム

 

  • 部門 小学生の部
  • 競技人数 8人
  • チーム編成 8から15人 ※男女混合も可。
  • 参加費 100円 / 1人

 

  • 部門 市内小学校対抗戦の部
  • 競技人数 8人
  • チーム編成 8から15人 ※1校1チーム。男女混合も可。
  • 参加費 100円 / 1人

 

  • 部門 一般チャレンジ男子の部(初心者向け)
  • 競技人数 4人
  • チーム編成 4から6人 ※男女混合も可。
  • 参加費 2,000円 / 1チーム

 

  • 部門 一般チャレンジ女子の部(初心者向け)
  • 競技人数 4人
  • チーム編成 4から6人
  • 参加費 2,000円 / 1チーム

 

  • 部門 親子ペアの部(初心者向け)
  • 競技人数 2人
  • チーム編成 小学生とその保護者
  • 参加費 500円 / 1チーム

 

  • 申込方法 1月28日(必着)までに、申込用紙に必要事項を書き、参加費を添えて市体育協会事務局へ。
    ・市内小学校対抗戦の部は、1校2チーム以上の申し込みがあった場合などは事務局で調整します。
    ・申込用紙は、市役所案内、各市民センター・公民館、日岡山体育館、総合体育館などにあります。

問い合わせ先 市体育協会事務局(市教育委員会社会教育・スポーツ振興課内 電話427-9704)

えんぴつ

今年の新春座談会は「ウェルネス都市」がテーマでした。ウェルネスとは、だれもがいきいきとした生活を送ることです。そのために、文化やスポーツは重要な要素です。それぞれの分野で活躍されているお二人の話は、人と人とのつながりを大切にされていることも感じられ、とても印象に残るものでした。
新年にあたり、私もあらためて軽い運動でも、自分に合ったものを続けていこうと思っています。
みなさんも、気軽に続けられることから始めてみてはいかがですか。(こ)

この記事に関するお問い合わせ先

問合せメールはこちら

みなさまのご意見をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか。
このページは見つけやすかったですか。