2008年11月号(特集 ミニ特集 タウンタウンなど)

更新日:2019年12月23日

平成20年11月号目次

  • 特集 平成19年度決算
  • ミニ特集 市民病院の中央診療棟が完成
  • ミニ特集 防災について考えてみませんか
  • タウンタウン こんにちは「かこがわ育農塾の第一期修了生 烏山 弘子さん」
  • 市民リポーターの「行ってきまーす!」「ウォーキング協会」
  • グラフ加古川
  • 情報コーナー  別ページに掲載しています。
  • 加古川まちかどミュージアム
  • えんぴつ(編集後記)

特集

平成19年度決算

市では、市民のみなさんにより一層、市政に関心を持ってもらえるよう、定期的に市の財政状況を公表しています。このページでは平成19年度決算を見ながら、みなさんが納めた税金がどのようなことに、どれだけ使われたのかを紹介します。

次世代を担う子どもたちが健やかに育つまちづくりに力を入れました

市の会計には、一般会計、特別会計、企業会計の三つがあります。一般会計は、福祉や教育をはじめ、道路や学校の整備、消防など市の基本的な事業をまとめた会計です。特別会計は、国民健康保険の保険料や下水道の使用料など特定の収入で特定の事業を行う会計です。企業会計は民間企業と同じような経理を行うもので、水道事業と病院事業の二つの会計があります。
一般会計で使ったお金(歳出)の総額は73,764,410,000円。前年度に比べ、685,030,000円増えています。これは、子どもの医療費の助成や児童手当の増額などによる民生費の増加が主な理由です。
市では、「次世代へつながるいきいきとしたまちづくり」を目指して、子育て支援や、安全 安心のまちづくりに力を入れました。子育て支援としては、小学校三年生までの医療費負担をなくし、あわせて保護者の所得制限もなくしました。また、児童手当のうち三歳未満の子どもに対する手当を一律月額10,000円に増額しました。そのほか、子育て支援の新たな拠点としてJR東加古川駅北側に「東加古川子育てプラザ」を開設しました。安全 安心のまちづくりとしては、緊急地震速報システムを学校や公民館などの公共施設へ設置しました。また、都市機能の充実として、JR加古川駅南広場やJR東加古川駅周辺を整備しました。

歳出総額
737億6,441万円

民生費
196億5,891万円(26.6パーセント)

土木費
138億3,458万円(18.8パーセント)

総務費
99億510万円(13.4パーセント)

公債費
86億9,359万円(11.8パーセント)

衛生費
71億9,873万円(9.8パーセント)

教育費
65億194万円(8.8パーセント)

消防費
35億8,960万円(4.9パーセント)

労働費
17億2,509万円(2.3パーセント)

商工費
10億9,656万円(1.5パーセント)

農林水産業費
10億2,406万円(1.4パーセント)

議会費
5億3,625万円(0.7パーセント)

歳入総額
739億7,385万円

市税
391億7,427万円(53.0パーセント)

市債
71億9,817万円(9.7パーセント)

国庫支出金
65億4,710万円(8.9パーセント)

地方譲与税など
43億9,867万円(5.9パーセント)

県支出金
36億5,715万円(4.9パーセント)

地方交付税
28億3,464万円(3.8パーセント)

その他
101億6,385万円(13.8パーセント)

特別会計

区分 歳入 歳出

  • 国民健康保険事業 241億1,957万円 244億138万円
  • 老人保健事業 168億6,854万円 170億5,516万円
  • 介護保険事業 118億7,567万円 116億1,486万円
  • 生活安全共済事業 8,318万円 5,783万円
  • 公設地方卸売市場事業 1億2,838万円 1億2,838万円
  • 公共下水道事業 122億3,128万円 122億6,559万円
  • 公園墓地造成事業 3億7,024万円 2億372万円
  • 夜間急病医療事業 4億942万円 3億3,369万円
  • 緊急通報システム事業 1,872万円 1,653万円
  • 駐車場事業 1億3,910万円 2億561万円
  • 歯科保健センタ-事業 1億829万円 7,591万円
  • 農業集落排水事業 4億2,910万円 4億2,866万円
  • 財産区 4億682万円 2億7,348万円

合計 671億8,831万円 670億6,080万円

企業会計

病院事業
市民病院では、中央診療棟増築工事や最新医療機器の導入など、地域の医療ニーズの実現を図り、より一層みなさんに信頼される病院を目指しています。

収入 90億8,875万円

入院収益
48億4,054万円(53.3パーセント)

外来収益
33億4,403万円(36.8パーセント)

その他
9億418万円(9.9パーセント)

支出 90億6,672万円

人件費
38億5,846万円(42.6パーセント)

材料費
27億6,553万円(30.5パーセント)

経費
14億1,575万円(15.6パーセント)

減価償却費
5億2,338万円(5.8パーセント)

その他
5億360万円(5.5パーセント)

水道事業
水道局では、より一層の経営効率化とお客さまサービスの向上に努めるとともに、安全で良質な水を安定して送り続けるため、浄水場や配水管の整備 更新を進めていきます。

収入 55億5,793万円

水道料金
44億3,053万円(79.7パーセント)

分担金
2億8,939万円(5.2パーセント)

その他
8億3,801万円(15.1パーセント)

支出 50億375万円

受水費
16億8,994万円(33.8パーセント)

維持補修工事費
3億8,057万円(7.6パーセント)

人件費
5億2,096万円(10.4パーセント)

減価償却費
10億1,145万円(20.2パーセント)

支払利息
4億3,423万円(8.7パーセント)

動力 薬品費
2億1,136万円(4.2パーセント)

その他
7億5,524万円(15.1パーセント)

用語解説

歳入

  • 市税 市民税や固定資産税など
  • 市債 道路や学校などを整備するために借り入れたもの
  • 国庫支出金、県支出金 特定の事業を行うため国や県から支出されるもの
  • 地方譲与税 国の税の中から一定の基準で配分されるもの
  • 地方交付税 自治体間の財政的な不均衡を調整するため国から支出されるもの

歳出

  • 民生費 高齢者や障害者、子どものための福祉など
  • 土木費 道路や河川、公園の整備など
  • 総務費 税務事務や市役所の全般的な事務など
  • 公債費 市債などの借入金の返済
  • 衛生費 ごみ、し尿処理や予防接種など
  • 教育費 学校や公民館の整備など
  • 消防費 消火 救急活動など
  • 労働費 労働者への福利厚生など
  • 商工費 産業、工業の振興や観光など
  • 農林水産費 農業や水産業の振興など
  • 議会費 議会の運営など

財政健全化の指標を公表します

実質赤字比率

  • 加古川市 赤字なし
  • 早期健全化基準(パーセント) 11.3パーセント
  • 財政再生基準(パーセント) 20.0パーセント
  • 一般会計などの実質赤字額が標準財政規模に占める割合

連結実質赤字比率

  • 加古川市 赤字なし
  • 早期健全化基準(パーセント) 16.3パーセント
  • 財政再生基準(パーセント) 30.0パーセント
  • すべての会計の実質赤字額の合計が標準財政規模に占める割合

実質公債費比率

  • 加古川市 10.9パーセント
  • 早期健全化基準(パーセント) 25.0パーセント
  • 財政再生基準(パーセント) 35.0パーセント
  • 借入金(地方債)の返済額及びこれに準じる額が標準財政規模に占める割合

将来負担比率

  • 加古川市 112.4パーセント
  • 早期健全化基準(パーセント) 350.0パーセント
  • 財政再生基準(パーセント) 設定なし
  • 借入金(地方債)や将来支払っていく可能性のある負担などが標準財政規模に占める割合

資金不足比率

  • 加古川市 不足なし
  • 早期健全化基準(パーセント) 20.0パーセント(経営健全化基準)
  • 財政再生基準(パーセント) 設定なし
  • 公営企業の資金不足額が事業規模に占める割合

早期健全化基準を上回ると、計画を作成し自主的な改善が義務付けられる「財政健全化団体」、財政再生基準を上回ると、国の管理のもと確実な再生が求められる「財政再生団体」となります。
標準財政規模とは、地方公共団体が通常の行政活動を行う上で必要となる一般財源の規模。

収入の確保に取り組んでいます

市税は、福祉や教育などさまざな行政活動を進める上で大切な財源です。市税の滞納者には、文書や電話 、戸別訪問による納税指導を行っていますが、それでも納付されない場合は、給与 預金 不動産を差押えるなどの債権の確保を行っています。これらの費用も本来まちづくりに使われる財源から支出されることになり、市民にとって大きな損失となります。また、保険料や保育料、上下水道料金などの納付も同様です。納期内の納付にご協力ください。

  • 問い合わせ先 市役所財政課(電話 427-9116)へ。
    決算資料は市ホームページまたは市役所行政資料室で閲覧できます。

ミニ特集

加古川市民病院に中央診療棟ができました

11月4日オープン

加古川市民病院に、放射線 手術 救急部門を備えた中央診療棟が完成しました。このページでは、地域医療のさらなる充実を目指し11月4日にオープンする中央診療棟の機能や特徴を紹介します。

中央診療棟の特徴

  • がん診断 治療の設備を充実
  • 手術室を8室に増設
  • 救急車専用の受け入れエリアを設置
  • 重症患者を治療 看護する集中治療室を設置
  • 地震に強い免震構造
  • 救急患者の受け入れから手術、術後のケアまでをスムーズに行うことができる構造
  • 落ち着いた配色の室内とゆとりあるスペースを確保

 

  • 地下1階 放射線部門
  • 1階 放射線部門、救急部門
  • 2階 ICU HCU部門
  • 3階 手術部門
  • 4階 機械室

放射線部門

近年患者が増加している「がん」の診断 治療の最新機器として「PET―CT」と「リニアック」を新たに導入しました。
放射線部門すべてを本館から中央診療棟に移すとともに、すべての放射線機器を最新鋭のものに更新しました。また、検査の待ち時間を短縮するため、CTを2台に増設し、来年度にはMRIも2台に増設する予定です。

PET―CT

PETは、がん細胞が普通の細胞に比べて約3から8倍のブドウ糖を消費する性質を利用して、ブドウ糖に似た検査薬を体内に注入し、その薬の集まり具合を画像化して、がんの有無や進行度を調べる装置です。これをCTと合体させることにより、がんのある位置や範囲をより正確に診断することができます。
これまで見つかりにくかった数ミリメートル単位の小さながんを発見できる可能性があり、一度の検査で全身をチェックすることができる上、検査による痛みなどもありません。

リニアック

体の外側から、がんのある部分に向けてエックス線などの放射線を照射し治療する装置です。メスを入れることなく治療できるため、体の負担は軽くすみます。
今回導入した装置は、さまざまな角度からピンポイントで放射線を照射できるだけでなく、放射線治療前に治療台に横たわった状態でCT画像が取得でき、さらに正確に照射位置を確定できる特殊な機能を持っているので、より精度の高い治療が可能です。
来年1月ごろから治療に導入予定。

手術部門

手術件数の増加に対応するため、手術室を5室から8室に増設しました。
内視鏡手術を専門的に行える部屋を2室、脳神経外科の開頭手術や整形外科の人工関節の手術などに必要な無菌手術室(バイオクリーンルーム)を2室設置。また、モニターや高度な精密機器を配置しても、手術がスムーズに行えるよう手術室の広さを約2倍に広げました。手術室を増設したことにより、手術待ちの期間が短縮されます。

ICU HCU部門

重症患者に集中的な治療 看護を行うICU(集中治療室)を6床、HCU(高度治療室)を8床新設しました。
ICUは、急性の重篤症状により生命の危険にさらされている患者を24時間体制で集中的に治療 看護する部門、HCUは、ICUで治療を受け、症状が安定した患者に対して、一般病棟に移動するまでの間、経過観察や看護をする部門です。これらの部門は、診療科を問わず集中看護の必要な患者が収容され、中央診療棟内にある手術部門や救急部門と連携し、高度な治療 看護を行います。

救急部門

救急車専用の受け入れエリア、救急外来専用の診察エリアを設けました。
これまでは、救急患者を一般患者の出入り口から受け入れていましたが、プライバシーに配慮した救急車専用エリアを設置しました。専用エリアから受け入れられた患者は、救急専用処置室にて速やかな診察 処置を受けることができます。また、救急外来には、スムーズに救急外来患者を受け入れたり、地震などの災害時に多くの患者を処置したりすることができるよう、広い待合室を備えました。

診療開始時間を変更します

中央診療棟のオープンに合わせ、これまで 9時00分から開始していた診察開始時間を、 8時45分からに変更します。受付は、これまでどおり 8時00分から開始します。

加古川市民病院 石田 院長
加古川市民病院は、昭和25年の開設以来、東播磨地域の中核病院として貢献してきました。しかし近年、当院を取り巻く環境は変化し、施設の老朽化に加え、医療の高度化、救急体制の確立、手術室不足による手術待ちの長期化、救急患者受入時のプライバシーの問題などについて、早急な対応が求められていました。このたび、市民病院の念願であった中央診療棟が完成し、これらの課題への対応や機器の整備を行うことができました。中でも、新たに導入した最新の放射線機器は、がん診断 治療の分野で大きな効果が期待されています。
病院を取り巻く状況は厳しいですが、市民病院の基本理念である「患者本位 良質医療 地域貢献」のもと、今後さらに安全で質の高い医療を地域のみなさんに提供できるよう、職員一丸となって努力していきます。

  • 問い合わせ先 市民病院総務課(電話 432-3531)へ。

平成21年度採用予定の看護職員(助産師 看護師)を募集 募集人数 20人程度 資格 昭和45年4月2日以降に生まれ、交代勤務が可能な人  来年の国家試験で免許取得見込みの人を含む。 受付期間 11月17日まで 試験日 11月29日(土曜日) 申込方法などくわしくは、市民病院総務課(電話 432-3531)へ。

ミニ特集

災害に強いまちをめざして
防災について考えてみませんか

市消防本部では、火災や救急 救助など、災害が発生したときに出動することはもちろん、一人ひとりが安全で安心して暮らせる、災害に強いまちづくりに向けて、さまざまな情報を発信しています。このページでは、市消防本部が行う催しや講座、一昨年6月に設置が義務付けられた住宅用火災警報器について紹介します。

消防フェスティバル2008を開催!

「119番の日」にちなみ、11月9日に消防フェスティバルを開催します。楽しいイベントが盛りだくさん。みなさんぜひお越しください。

11月9日(日曜日)
13時00分から 16時00分
雨天のときは、屋内で展示 相談コーナーのみの開催となります。

グリーンプラザべふなごみ広場
(イトーヨーカドー加古川店)

ステージコーナー

  • はしご車からの救助隊員降下訓練ショー
  • 消防活動服のファッションショー
  • 寸劇「AEDで人命救助」
  • 大声コンテスト(参加賞 ハローキティグッズ)

展示 相談コーナー

  • 住宅用火災警報器の展示
  • 消防に関する相談コーナー

体験コーナー

  • 煙避難体験
  • 訓練用水消火器での消火体験

ご利用ください
市消防本部の出前講座

市消防本部では、火災の予防、救命率の向上などを目指し、さまざまな出前講座を実施しています。PTAや少年団など団体単位での講習を受け付けているものもありますので、防災について気軽に学ぶ機会としてご利用ください。

自主防災組織の指導育成
大規模災害が発生したとき、まず「自分の身は自分で守ること」、そして「近所や地域で助け合うこと」が最も重要となります。そこで、地域のみなさんによる自主防災組織を対象に、防災訓練の指導や講習会を行っています。

応急手当の普及啓発
もし人が倒れたら、救急車が到着するまでの時間に、現場に居合わせた人が適切に応急手当を行うことで、救命率を向上させることができます。大切な人の命を守るため、AEDの使用方法を含む心肺蘇(そ)生法などの救命講習会を開催しています。

火災予防広報
毎年、火災によって多くの尊い命が奪われています。火災から生命 財産を守るために、火災を起こさない工夫、初期消火の方法、住宅用火災警報器の必要性などについての啓発活動を行っています。

おしえて! 消ちゃん先生
消防職員が、小学校に出向き、現場での体験談を話したり、体験学習を行ったりする講座です。加古川市 稲美町 播磨町の小学校三年生を対象に、「命の大切さ」「命を守るために何ができるか」を伝えています。

夏休み親子防災体験教室

夏休み期間中に防災センターで行う、楽しみながら親子で防災の大切さを学べる特別講座です。救助や放水の訓練、煙避難や水消火器の体験、着衣水泳などを行っています。

取り付けていますか?住宅用火災警報器

平成18年6月の消防法の改正により、すべての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。これにより、新築の家は必ず、既存の住宅は平成23年6月1日までに設置しなければいけません。

寝室と階段に必ず設置を
火災で命を落とさないためには、火災にいかに早く気付いて逃げられるかが重要です。就寝中の火災による逃げ遅れを防ぐため、寝室には必ず警報器を取り付けなければいけません。また、寝室が一階など容易に避難できる階以外にあるときは、階段の最上部の天井か壁面にも取り付けることが義務付けられています。

NSマーク付きの煙式火災警報器の取り付けを
寝室と階段には、より早く異常を察知し伝えることができる煙式火災警報器を取り付けてください。警報器は最寄りの電器店、ガス取扱店、ホームセンター、消防設備取扱店などで販売されています。購入には、正常に作動することが保証されている「日本消防検定協会」の鑑定マーク(NSマーク)が付いた商品をおすすめします。早めに取り付けて、火災から大切な命を守りましょう。

11月9日から15日
秋の全国火災予防運動

火のしまつ君がしなくて誰がする
これからの季節、ストーブやこたつなどの暖房器具を使用する機会が多くなります。使用前には、必ず点検をしてください。

秋の防災展
「火災から身を守るには」

参加無料

  • とき 11月9日(日曜日) 11日から15日 9時00分から 17時00分
  • ところ 防災センター
  • 内容 住宅用火災警報器や防災パネルの展示、防災ビデオの上映など
  • 問い合わせ先 防災センター(電話 423-0119)へ。

問い合わせ先 市消防本部予防課(電話 427-6532)へ。

住宅用火災警報器の設置が義務付けられたことに便乗する悪質な訪問販売が発生しています。市消防本部などの公的機関が直接または業者に委託して、警報器や消火器などを販売することは一切ありませんので、ご注意ください。 問い合わせ先 市消費生活センター(市役所生活 交通安全課内 電話 427-9179)へ。

タウンタウン

こんにちは
農業を始めて膨らんだ夢
かこがわ育農塾の第一期修了生

烏山 弘子(からすやま ひろこ)さん (42歳)

加古川町在住

「自分で育てた野菜は愛情がわきますね。できる限り大切に使い切りたいと思うんです」と話すのは烏山弘子さん。烏山さんは、市とJAが協力して設立した農業法人「ふぁーみんサポート東はりま」が将来の市の農業を担うリーダーを養成するため開いた「かこがわ育農塾」の修了生だ。今年九月に一年間の実習を終え、現在は無農薬で野菜を栽培しながら、以前から続けてきたパン作りにも励むという多忙な日を過ごしている。
烏山さんが農業に興味を持ったきっかけは、勤めていたパン屋で使っていた無農薬野菜を農家に行って購入していたことからだ。「直接会って仕入れをする中で、その野菜がどんな思いで、どのように作られているのかを知りました。そうするうちに私も安心して食べてもらえる野菜を自分の手で作ってみたいと思うようになったんです」と振り返る。農業経験がまったくなかったため、一から農業を学べる仕事を探していた烏山さん。育農塾のポスターを見つけ、地元加古川で学べることにも魅力を感じ、思い切って入塾した。
育農塾では、一年を通して、米作りや野菜の栽培、農業機械の使い方など実践を中心に農業に関する幅広い技術や知識を学んだ。「何もかもが初めてで不安もありましたが、実習先の農家の人など周囲の人たちが支えてくれたので、最後まで実習を続けられました」と話す。ただ「やってみたい」という思いで始めた農業。実習を重ねるうちに、学んだ技術や知識を生かし、これからもずっと「やっていきたい」という思いへと変わっていった。
実習中もパン作りを続けていた烏山さん。今年三月からJAの直売所にパンの出荷を始めた。そのパンにはレーズンや旬の野菜から作った自作の天然酵母が使われていて、独特のもっちりとした食感が楽しめる。「天然酵母を使ったパン作りは無農薬の野菜作りと似ているかもしれません。どちらも時間や手間がかかるけれど、安心して食べてもらいたいという思いでじっくりと取り組んでいるんですよ」と語る。現在、自分で育てた野菜を使った新たなパンを考案中だそうだ。
今年五月から約十アールの土地を借り、本格的に野菜の栽培を始めた。「失敗することもあり、試行錯誤を繰り返す毎日です。いろいろな野菜を栽培しながら、土地に合ったものを自分なりに探していこうと思っています」と話す烏山さん。夢は、自作のパンと野菜を使った料理を出せる店を持つことだ。「旬の野菜と焼きたてのパン。どちらもおいしくて安心して食べられるものを作っていきたいですね」と目を輝かせながら話してくれた。

(掲載写真キャプション)

  • キャベツの苗を植える実習生のみなさん。大きな農業機械も使えるようになった。
  • 深夜から始めるパン作り。焼き上がったカンパーニュは表面はパリッと、中はしっとりとしている。

烏山さんのパンはふぁーみんSHOPかんきで毎週土 日曜日、ふぁーみんSHOP播磨、高砂で毎週水 木曜日に購入できます。

市民リポーター阿部英美の行ってきまーす!

ウォーキングで季節を感じて

今月は「ツーデーマーチ」が開催されます。みなさんは参加したことありますか? 何キロも歩くこのイベントにたくさんの人が参加するそう。歩く楽しさってどんなこと? と興味をもった私は、毎月歩くイベントを開催しているという

加古川ウォーキング協会に行ってきまーす。
お話を伺ったのは、事業部会長の橋本さんと、副会長の長谷川さん。「ツーデーマーチでスタッフとして参加していたメンバーが中心になって、歩く楽しさを広めたいとスタートさせたのが協会の始まりです。活動は今年で十四年目になるんですよ」とお二人。高校生から八十歳代までとメンバーの年齢層は幅広く、夫婦や親子で参加する人も多いとか。「第二 四日曜日を中心に市内をみんなで歩いています。時には神戸や姫路などへも歩きに出掛けるんですよ」と出された予定表には、新緑や紅葉といった景色を楽しむものや、遺跡を巡るものなど、思わず歩いてみたくなるようなコースがぎっしり。「季節を感じられるもの、子どもと一緒に参加できるものなど、コースは自分たちで考えます」と話す橋本さん。地図で距離を測ったり、実際に歩いて下見をしたり、準備もみなさんで行うそう。よし、私も実際に歩いてみようと、ツーデーマーチのプレイベント

平荘湖エンジョイウォーキングに参加することに。
子ども連れの家族など約百五十人の参加者で、集合場所の広場は大にぎわい。近況を報告する人や、地図を見てコースの話をする人があちこちで盛り上がるようすに、私の気分もワクワクです。ストレッチ体操で体をほぐし、いざ出発! 二列に並び歩き始めました。会話を楽しみつつ歩くうち、次第に汗ばみ体もほかほかに。途中きれいな野花を見つけました。何だろう? と思っていると「これは萩(はぎ)やね」とだれかの声が。道に訪れた季節を、仲間と感じ合うって楽しいなぁ。
両手を広げたら壁に手がつきそうな路地を抜けたり、一人では迷ってしまいそうな道を通ったり――。どこに出るの? と冒険気分で出てきた場所はウェルネスパーク。普段よく来る場所の周りに、こんな世界が広がっていたなんて! 「住んでいても、加古川の道を知らんから参加してる」という参加者の言葉どおり、私の知らなかった加古川に出会えた気がしました。

「ゆっくり歩くからこそ見える景色もある」
と聞き参加しましたが、景色だけでなく、自分の心を見つめ直す「ゆとり」をもらった気がします。前を見据え大きく手を振り、新鮮な空気をいっぱい吸って歩くことでストレスも発散でき、健康にも良いウォーキング。歩きなれた道を歩くのも良いですが、こうしたウォーキングイベントに参加して、「新しいまち」を仲間と一緒に発見してみるのも楽しいかも。「仲間ができて、つながりが広がることがうれしい」と笑う参加者のみなさんの、輝いた笑顔に出会えた取材でした。
もうすぐ開催されるツーデーマーチは、当日、会場で申し込みが可能だそう。あなたも秋の播磨路を歩いてみませんか?

ここで一句
ゆっくりと 歩いて見つめる 景色と心

(掲載写真キャプション)

  • さわやかな風が吹く平荘湖畔。「毎年家族4人で参加しています」と話す親子。ステキな休日の過ごし方ですねー。
  • 10キロコースは少年自然の家の本岡家住宅にてひと休み。

加古川ウォーキング協会の会員を募集中 入会金:1,000円 会費 年額2,000円 問い合わせ先 市役所ウェルネス推進課(電話 427-9180)へ。

グラフ加古川

お米ができたよー!

10月9日、東神吉南小学校の3から6年生が、稲刈りに挑戦しました。地元老人クラブの指導 協力のもと行われる毎年の恒例行事ですが、3年生にとっては初めての体験。「切るのが難しい」と声を上げながら、慣れない手つきで稲を刈っていました。
収穫したお米は、一人暮らしのお年寄りにプレゼントされるとか。子どもたちは、田植えから稲刈りまでの体験を通して、お米作りの大変さを身をもって感じたようでした。

目指せ! 未来の日本代表

「ドリームサッカー 日本代表OBがやってくる」が、9月15日に運動公園陸上競技場で開催されました。地元の小学生約200人が参加したサッカー教室では、永島昭浩選手や水沼貴史選手など、往年の名選手が直接指導。子どもたちの表情は真剣そのもので、一生懸命ボールを追いかけたり、シュートを打ったりしていました。ほかにも、リフティング競争や加古川市選抜チームとの対戦などで会場は大いに盛り上がりました。

エコらむ その9

「エコらむ」は、環境(エコ)に対する市の取り組みや提案などを紹介するコラムです。

鍋物のおいしい季節となりました。この時期、ごみ収集車の火災事故が多発します。事故発生の主な原因は、カセットガスボンベやスプレー缶に残ったガスへの引火によるものです。

火災事故の防止に向けて ルールを守ってごみを出しましょう
ヘアケア用品や殺虫剤、塗料などさまざまなところで使われているスプレー缶の多くには、噴射剤としてLPガス(液化天然ガス)が入っています。このガスは、可燃性なので火花などにより火災事故を引き起こす危険性があります。 火災事故が発生すると、ごみ収集車が破損したり、作業員がけがをしたりするだけでなく、通行人や周辺建物などに被害が及ぶこともあります。
この火災事故を防ぐため、カセットガスボンベやスプレー缶を捨てるときは、必ずガスを使い切ってから、屋外の火気がなく風通しの良い場所で、穴を開けて残ったガスを抜き取り、「かんの日」にごみステーションにある黄色いかごに入れるというルールを守ってください。

次回は、1月号で「生ごみの減量」について掲載します。

加古川まちかどミュージアム

まち全体が博物館!
11月10日から16日

まち全体を博物館に見立て、自宅や地域にあるさまざまなものを公開する「加古川まちかどミュージアム」。期間中、この事業に賛同するみなさんの個人宅やお店が、ミュージアムとして一斉に開館します。
絵画や陶芸など趣味の作品や手作り品、古い道具や資料などのコレクション、ガーデニング作品などを鑑賞しながら、加古川をゆっくり散策すれば、新たなまちの魅力を発見することができるはず。ガイドマップで場所や時間をチェックして、小さな博物館をめぐってみませんか。

加古川まちかどミュージアムガイドマップは、市役所案内、各市民センター 公民館、市民ギャラリーなどにあります。

市内38会場で一斉公開!

  • プリザーブドフラワー展 加古川町
  • 女神たちの産物 生け花と手芸展 加古川町
  • 昭和レトロ喫茶館 加古川町
  • じけまち「一店一宝」2008:加古川町
  • 手作りの小物とちぎり絵展 加古川町
  • スタジオグリーン&ミュージアム 加古川町
  • 小さな床屋の小さい博物館と地誌資料館 加古川町
  • ステンドグラス、パネル、ランプ展示 加古川町
  • バリ島(インドネシア)の絵画展 加古川町
  • 手創り仲間5人展 加古川町
  • ブックカフェされど 本のある空間で愉しむ 加古川町
  • 「土器土喜」のゆかいな仲間達展 加古川町
  • 詩と書の作品展示 加古川町
  • ワイワイ、ガヤガヤ手作りフェア 加古川町
  • 江戸のあかりと明治の洋燈 加古川町
  • マクロビオティックカフェことこと 加古川町
  • パッチワークとシンブル展 加古川町
  • 物作り、まちかどロマン展 加古川町
  • 押し花 野口町
  • 森の香りのギャラリー(陶芸 写真) 野口町
  • 木工製品展示&物づくり教室(各種) 野口町
  • 昔懐かしい我楽多、小物、食べ物アレコレ 野口町
  • 絵画と陶芸のコラボレーションギャラリー 野口町
  • サンドブラスト作品展 平岡町
  • 庭でかがやく陶器たち 平岡町
  • 町内会の趣味の作品と公会堂所蔵品の展示 尾上町
  • あなたを、私をもてなす逸品展 尾上町
  • 手造り夢工房 尾上町
  • MORIさんちがつくりまし展 神野町
  • ギャラリー喫茶サマンサムムバザール 新神 野
  • 材木屋さんの木工教室 別府町
  • 花鳥風月倶楽部の作品展とライブ 八幡町
  • 見て、作って、遊ぶ、わらのワークショップ  八幡町
  • 石とちりめん細工の招き展 上荘町
  • ミニギャラリーへどうぞ 絵画 写真 書 上荘町
  • 四季の庭フォーシーズン 上荘町
  • プロヴァンスのオープンガーデン 平荘町
  • 木を主題とした木工芸品教室(石原工房) 志方町

問い合わせ先 加古川観光協会 電話 424-2170

えんぴつ

秋晴れの青空の下、黄金色に輝く田んぼに、たわわに実り大きく垂れ下がった稲穂。グラフ加古川の取材「稲刈り」で出会ったワンシーンです。この後、刈り取られた稲は、天日干しをするために束ねて稲架に掛けられました。その光景を目の当たりにし、幼いころ田んぼでよく遊んでいたことを思い出し、懐かしい気分になりました。
秋は、食べ物がおいしい季節。あの天日干しのお米も、きっとおいしいんだろうなあと、つい食欲をかき立てられますが、スポーツ、芸術、読書の秋もあることをお忘れなく。(K)

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