教育に関する事務の管理及び執行の状況
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在籍する重度の障害、重複障害、特別なケアを必要とする児童生徒に、現状の教職員配置のみで対応することは困難である。したがって、必要に応じた補助指導員の配置は学級全体の安全の確保や教育の場の保障にとって非常に重要である。 本市においては、介助を必要とする児童生徒の在籍校17校に補助指導員が配置されており、配置割合が100%を実現していることは高く評価できる。今後も同様のケースは増加すると見込まれることから、より一層の充実をお願いしたい。また、通常の学校において特別支援教育を充実させインクルーシブ教育の理念を実現していくためには、校内の組織的な対応が不可欠であり、98%の教職員が研修を受講し、子どものみとり方や支援方法について理解を深めていることは非常に高く評価できる。理念や法的な側面を基盤として、実践的な専門性を向上させるため、多様な研修の機会を提供していただくよう希望する。 加古川養護学校における支援環境の充実の達成度は、平成32年度の100%達成に向けて着実に前進しつつあり、この点についても引き続き取組をお願いしたい。 ⑦学校生活適応推進事業 いじめは、いじめの当事者だけでなく、いじめに直接関わっていない児童生徒も含めた学級全体、学校全体の問題であり、未然防止や問題の解決のためには、児童生徒が自ら考え主体的に行動して、いじめが起こらない学級・学校を築いていく力の育成が必要である。一方、教員には、学級の児童生徒の実態を把握し、未然防止と早期解決を実現することが求められる。アンケートの実施は、児童生徒の問題意識を高め、実態を把握するために有効な手段であると考えられる。いじめに関する相談件数は63件とそう多くはないが、相談しやすい体制の確立に引き続き取り組んでいただきたい。 不登校については、「わかば教室」等の居場所づくりや「アタック・ゴー」は、学校に行きたくても行けない子どもたちの心を安定させ、あるいは自分を見つめ、自分の良さに気付き、再登校に向けて心のエネルギーを充電するのに大きな効果を上げており、これが不登校状態の改善につながっている点は高く評価することができる。不当校児童生徒数や不登校率を低いレベルに維持することはもちろんのことであるが、不登校は、「心の問題」であるだけでなく「進路の問題」でもあることから、学校復帰を最終目標とするのではなく、児童生徒の将来的な社会的自立を長期的な視点で見通した支援と学習権の保障が必要である。また、不登校の要因は多様であり、ケースによっては、当該児童生徒に加えて家庭に対する支援が必要な場合もあり、それぞれの状況に応じた画一的でない支援が求められる。学校、家庭、地域、さらには福祉関係機関や民間施設・NPO等との積極的な連携・協力により、適切な機関による支援と多様な学習の機会を提供することが望まれる。 いずれについても、教育委員会がイニシアティブをとりながら、相談体制の強化や、64

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