教育に関する事務の管理及び執行の状況
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(2) 古田 薫 氏(兵庫大学 健康科学部 教授)による意見 平成28年度加古川市教育委員会の実施事業にかかる点検及び評価について、事務事業評価シート並びに関連資料・情報に基づき、事務の管理・執行の状況、自己評価の適切性を、PDCAサイクルに即して、①課題把握及び目標値設定の妥当性、②事業内容及び実施方法の妥当性、③成果の評価及び分析の妥当性、④総合評価及び改善計画の妥当性の観点から検証した。以下に、その所見を述べる。 1.総合的な状況 総合的な状況として、加古川市教育委員会の事務事業は、加古川市教育振興基本計画を基本として、児童生徒や地域の実態に基づいた取組の重点化が図られており、適切に実施されているといえる。 まず、教育アクションプランは、前年度までの成果を踏まえて、取組の継続性を意識しつつ、その成果を更に充実させ、新しい取組へと発展させるべく策定され、最重要取組事項の設定が行われている。 点検・評価に関しても、かこがわ教育ビジョン及び教育アクションプランに基づいて各項目の個別評価が行われるとともに、最重要取組事項について詳細な自己評価が行われており、非常にわかりやすくかつ教育委員会の取組の方針や姿勢が見て取れるものとなっている。自己評価のための活動指標及び成果指標は、現状分析に基づいて意味のある指標が選択され、リアリティのある目標値が設定されており、概ね適切であるといえる。 事業の実施については、子育て支援から学校教育、生涯学習の幅広い範囲にわたって、地域住民との連携を軸として、効果的な実施に向けての様々な工夫を行いつつ適切に行われており、着実な成果を上げている。また、教育予算に関しても、市民のニーズに応じた重点化を行って必要な予算を確保し、効率的・効果的運用が図られている。 平成28年度からは、事業評価の時期が見直され、これまで事業実施の翌年度の後半期に行われていたものを前半期に早めることとなった。このことは、評価の結果を踏まえた改善への対応を当該年度中に迅速に実施するために有効な変更であり、住民に対するアカウンタビリティ遂行の点からも高く評価できる。 自己評価については、成果指標の達成度やアンケート等の調査に基づいて成果と課題が分析され、改善の方向性も示されており、概ね妥当であると言える。「B:成果あり」にとどまったものの中には、ICT環境の整備・充実や教職員の研修の推進など、予算の裏付けが必要となる項目が見られた。これらは最重要取組事項ではないが、学習指導要領の改訂や教育を取り巻く環境の変化、教育への期待が大きく変わりつつある現状に鑑みれば、加59

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