「作曲家」馬瀬みさきさん

更新日:2026年08月21日

加古川人

加古川という土地に根差し、自分らしく生きる人たちのリアルな声を通して、このまちと人の魅力に迫ります。

entry066「自分の曲で喜んでもらえることが幸せ」

作曲家|馬瀬 みさきさん

幼い頃から家族の影響で音楽や映画に親しんできた馬瀬さん。大学在学中に「プリキュアシリーズ」の楽曲に携わったことをきっかけに作曲の道を歩み始め、現在は、映画やアニメの劇中に使用される音楽の制作を中心に、アーティストへの楽曲提供や自身の音楽活動など、活躍の幅を広げています。今年9月公開予定の「映画 名探偵プリキュア!」でも主題歌・劇中伴奏音楽を担当する馬瀬さんに、曲作りへのこだわりや思いを伺いました。
普段の作業場所で写る馬瀬さん

映画のクレジットに憧れて

ピアノの先生をしていた母と、ドラムが趣味の父の下で育ち、幼い頃から日常的に音楽に触れていました。物心つく頃には私もピアノを始めていましたが、ピアノの練習は少し苦手。そんななかでも、作曲は好きだったんです。通っていたピアノスクールでは、年に一度、自分で作った曲を発表する場があったのですが、周囲にも「いいね」と言ってもらえたことがうれしくて「自分の作った曲で誰かに喜んでもらえるっていいな」と思うようになりました。
作曲を学びたいと思ったのは高校2年生のとき。大阪音楽大学に新しく商業音楽を専攻できる学科ができると知り、作曲家という道を意識し始めました。幼い頃から、毎週のように家族で映画を観ていた影響で、映画が大好き。映画音楽に魅了され、サウンドトラックを作りたいと思ったんです。映画の最後に流れるクレジットに憧れ、「こういう仕事がしたい!」と思っていましたね。

音楽で作品に寄り添いたい

パソコンで音楽を作ることも大学で初めて学びました。教授のアシスタントとしての経験を積みながら、作家事務所に所属。大学3年生の時、「プリキュアシリーズ」の楽曲を担当するご縁があり、作曲家として本格的に活動を始めました。
印象に残っているのは、初めて担当した映画の挿入歌。修正は多かったですし、今聞き返すと拙い部分もありますが、その時の全力を出し切りました。
アニメや映画などの映像作品があって初めて、私の仕事はあります。だからこそ「作品にどれだけ寄り添えるか」を一番大切にしています。音楽によって作品の魅力や感情をより豊かに届けられるよう、一つ一つの曲と向き合っています。落ち込んでいるときや前を向きたいときに、そっと背中を押してくれるような曲を届けられたらうれしいですね。
パソコンとキーボードを前に作業をする馬瀬さん

「この曲も私なんだ」と思ってもらえるように

ポップス、ジャズ、ロック、クラシックなど、幅広いジャンルの楽曲を作っています。両親がいろいろなジャンルの音楽を聴いていたことが、今の自分につながっています。幼い頃からずっとピアノを指導してくれた先生が、「クラシックだけじゃなく、ジャズもあるよ」と教えてくれたことも、音楽の世界を大きく広げてくれました。
個性がある作曲家はかっこいいと思いますが、私にはなれないなというコンプレックスも。だからこそどんな曲にもチャレンジして、「この曲もこの人が作ってたんだ」と思ってもらえるような作曲家でありたいです。
アート作品やレコード、こどもからの手紙など、馬瀬さんの好きなものが壁に飾られている。

喜んでもらえる音楽づくりを

1作品を担当すると、1~2カ月でおよそ30~40曲作ります。先月も44曲を書き上げたばかり。ずっとアウトプットしているので、意識的にインプットする時間をとっています。加古川市には年に1、2回は帰りますが、いいインプットの時間になっています。加古川は人が温かいですよね。優しい雰囲気のあるまちです。
携わった作品のクレジットに載る私の名前を見て、祖父母がとても喜んでくれて。その姿を見て「家族を喜ばせたい」という気持ちが自分の原動力なんだと改めて感じました。これからも、お世話になった方や作品を観てくれる方に喜んでもらえる仕事をしていきたいです。
愛犬を抱く馬瀬さん
プロフィール
作曲家|馬瀬 みさきさん
加古川市出身。映画やアニメの劇中に使用される音楽、アーティストへの楽曲提供を中心に活躍。クラシックからロックまでジャンルを超えた多彩な楽曲を提供している。【取材:令和8年7月6日】

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