「匠工芸」桃井鈴さん

加古川という土地に根差し、自分らしく生きる人たちのリアルな声を通して、このまちと人の魅力に迫ります。
entry065「好きなことを続けた先に」
株式会社匠工芸 副社長|桃井 鈴さん
高校時代に出会ったコスプレをきっかけに、衣装や造形作りの世界へ。公務員からものづくりの世界へ転身した桃井さん。ただ買った衣装を着るだけでなく、衣装や造形を一から作るコスプレで世界を切り開き、自身で起業したり、高校で講師を務めたりと、多方面で活躍。「加古川愛」に溢れる桃井さんに、ものづくりや高校講師にかける思いや魅力を伺いました。

夢中になった創作の世界
声優になりたくて養成所に通っていたのが高校1年生のとき。そこで友人に誘われて始めたのがコスプレです。すっかり夢中になってしまいましたね。当時はお金がなかったので、元々好きだったものづくりを生かして、「それなら全部自分で作ってみよう」と衣装や武器などを作り始めました。今振り返ると反省ばかりですが、その試行錯誤こそが私の原点だったと思います。
好きを仕事に
高校時代、進路に悩んでいた私に「やりたいことは何か。それをするために何が必要なのかを考えてみよう」と背中を押してくれた担任の先生の言葉は、今でも大切な指針です。高校卒業後は公務員として勤めていましたが、平成28年にコスプレ関係でアメリカに行った際、考え方や生き方の自由さに感銘を受けました。そして、自分が作ったもので価値を生み出したいと考え、25歳で匠工芸に転職しました。その後、自分の「好き」を仕事にして没頭していたところ、縁もあって地元の高校講師のお話をいただきました。私の人生を教材に、生徒たちには人との繋がりの大切さや自分の好きなことに挑戦することの大切さを伝えています。逆に、自分にはない考えや純粋な感性など、生徒たちから学ばせてもらうこともたくさん。初心に返るとてもいい機会になっています。

世界へ、そして加古川へ
将来的には、私が手掛けた衣装を世界中の人に届けたいと思っています。高い技術をもつ日本のものづくりを知ってほしいですね。私の作る衣装は、「360度どこから見ても可愛いか」を大切にしていて、妥協はしません。実は、舞台やテーマパークなど皆さんがよく知っている場所でも使われているんですよ。海外を拠点に活動したいのですが、どれだけ世界に出ても、最終的には加古川に帰ってくると思います。海外に行くと、きっと加古川の良さを改めて実感するはず。皆さんも、加古川で生まれ育ったルーツや背景を、自分らしさの土台にしてほしい。私以外にも、ものづくりで活躍する人が身近にたくさんいることを知ってもらえたらうれしいです。

プロフィール
株式会社匠工芸 副社長|桃井 鈴さん加古川市出身。コスプレや衣装づくりをきっかけに公務員から副社長に転身し、近年は高校の講師としても活躍。【取材:令和8年6月16日】
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更新日:2026年07月21日