「刀田山鶴林寺」住職 茂渡俊慶さん

更新日:2023年01月20日

加古川人

加古川という土地に根差し、自分らしく生きる人たちのリアルな声を通して、このまちと人の魅力に迫ります。

entry025「永く皆さんに親しまれる場であり続けるために」

刀田山鶴林寺 住職|茂渡俊慶さん

播磨の法隆寺とも呼ばれる鶴林寺は、2件の国宝をはじめ、重要文化財・指定文化財など貴重な文化財を多数所蔵している、市を代表する観光スポットです。鶴林寺の茂渡住職は、これら文化財の保存と活用、そして様々な行事や講演活動に尽力されています。

本堂の前に立つ茂渡住職

毎年多くの人でにぎわう

大学卒業後の昭和59年(1984)から現在までおおよそ40年近く、鶴林寺の3つの塔頭(たっちゅう:大きな寺院の敷地内に建つ独立寺院)のひとつである浄心院の住職を勤めていて、鶴林寺の住職を兼務してからはおよそ10年です。鶴林寺の境内では、昔から観月会や七夕まつりといった催しを開催してきました。観月会が始まったきっかけは、塔頭の3人の住職がたまたま満月の夜に揃う機会があり、そこで眺めた月あかりに浮かび上がった境内が大変美しく、これはもったいない、ぜひ皆さんにも観賞していただこうとの想いからでした。昨年は3年ぶりに開催することができましたし、七夕まつりもSNSや口コミが広がって1,000人以上の方が来訪され、子どもたちに楽しんでもらえたと感じ、喜んでいます。

文化財の「活用」

近年は、文化財の保存だけでなく、活用にも力を入れています。鶴林寺は毎年、加古川青流戦の決勝戦の舞台になっているほか、境内をライブやイベントの会場としても開放していて、段々と活用されるシーンが増えてきました。

貴重な文化財をこうしてオープンにする背景のひとつには、伝統行事の寂れがあります。鶴林寺のメイン行事である「太子会式」は、以前は大勢の人が訪れ植木市なども盛り上がりを見せていましたが、時代とともにかつてのような賑わいがなくなってきています。そうしたなかで、皆さんが目を向けてくれるものは何か。古き良き佇まいにプラスアルファの要素を取り込むことで、文化財に触れていただける機会を増やすことができたらと考えました。

鶴林寺宝物館に展示されている文化財

関わってくださる人々に感謝

鶴林寺を守っていくうえで、ボランティアガイドさんの存在は非常に大きいです。日頃から木の剪定や看板の手直しなどを提案してくださることも多く、皆さんの力でこの場所をお支えいただいているのは本当にありがたいです。毎朝、開門と同時に体操や散歩をしに訪れる方も見受けられ、地域の人々の日常にこの場所が溶け込んでいるのを感じます。

一方で、加古川市に住んでいるけれど国宝・鶴林寺の存在は知らない、という方もいらっしゃいます。そういった方にも知ってもらえるように、関わってくださる人々の意見を聴きながら一緒に考え、実践していくことで、より多くの人に親しんでもらえる気運ができればと思っています。

鶴林寺について話す茂渡俊慶さん
プロフィール

刀田山鶴林寺 住職 | 茂渡俊慶さん

鶴林寺の住職として、地域に親しまれる場を目指し様々な行事やイベントの企画、講演活動などに取り組むとともに、貴重な文化財を保存・活用しながら守り続けている。

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