「M.Lab」代表 三村仁司さん

更新日:2022年02月16日

加古川人

加古川という土地に根差し、自分らしく生きる人たちのリアルな声を通して、このまちと人の魅力に迫ります。

entry015「靴作りで日本一、世界一になる思いで挑んできました」

株式会社M.Lab(ミムラボ)代表|三村仁司さん

陸上競技、野球、サッカーなど様々なジャンルでトップアスリートのシューズを数多く手掛け、加古川市で株式会社M.Lab(ミムラボ)の代表を務める三村仁司さん。平成16年(2004)には厚生労働省「現代の名工」表彰、平成18年(2006)に黄綬褒章を受章するなど国内での評価はもちろん、国際的にも第一人者として活躍されてきた三村さんを頼りに訪れる選手は現在も数知れず。選手の足元だけでなく心も支えている名工の魅力に迫ります。

三村仁司さん

靴作りの原点

加古川は風光明媚で気候が温暖、雨も少ないので住みやすいのはもちろんですが、平荘湖や河川敷をランニングしたり、陸上競技場も近いので、スポーツする方にとってはもってこいの環境じゃないかと感じますね。

私自身は生まれてからずっと加古川に住んでいます。中学時代にマラソン大会で3年間ずっと2位だったのが悔しくて、高校は陸上長距離の強豪校に入って1位になってやると決意しました。入学して間もなく猛練習の日々が始まったんですが、当時はシューズの素材が綿でしたから、学校の200メートルトラックのようにカーブが急な場所で走っていると、2週間ほどですぐに右の小指部分が破れてしまうんです。家に持ち帰ってはあて布で補修して、というのを繰り返していました。その頃からですね、「いい靴を作りたい」と思うようになったのは。

職人技、ここにあり

スポーツシューズメーカーに就職してから、まず配属先で一番になる、それから会社で一番になって、日本一になって、世界一になる。その思いで靴作りに挑み始めました。入社してから7年後、いきなり会社から別注シューズの製作を始めると言われ、スタッフは私1人。最初にトップクラスの陸上選手のシューズを手掛けたときは嬉しい反面、大きなプレッシャーを感じ、ずいぶん複雑な心境になったものです。

別注シューズの製作では、その人の足を測定して良くないところを直し、弱いところを強くする、という観点から靴作りだけでなく走り方やトレーニング方法を伝えます。同時に、ストレッチやテーピングなどのアドバイスも行うことで故障しにくい体づくりのサポートを行っています。選手の必要としているもの、ためになるものをと考えて、現在は靴下やマッサージオイルなども開発しています。

一人一人足型をとり、十数項目を計測する様子

作り続けていくために

退職して随分経ちますが、私の会社を訪ねて来られるアスリート達がたくさんいますから、一生靴作りですよ。そのためには、まず努力しないといけない。工夫もしなければならない。そして何より健康でいること。健康でいるためにはいつも「青春の気持ち」を持っていないといけません。その気持ちを持ってこれからも作り続けていくんでしょうね。

インタビューに答える三村さん
プロフィール

株式会社M.Lab 代表|三村仁司さん

加古川市在住。オニツカ株式会社(現・株式会社アシックス)に入社後、昭和49年(1974)から別注シューズ製作を開始し、以来陸上競技をはじめ、野球、サッカーなど様々なジャンルでトップアスリートのシューズを数多く手掛ける。平成16年(2004)には厚生労働省の「現代の名工」表彰、平成18年(2006)に黄綬褒章を受章。平成21年(2009)に 株式会社M.labを設立し、平成30年(2018)からニューバランスの専属アドバイザーを務める。

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