「浪曲師」京山幸太さん

更新日:2025年01月27日

加古川人

加古川という土地に根差し、自分らしく生きる人たちのリアルな声を通して、このまちと人の魅力に迫ります。

entry048「浪曲の魅力を伝えたい」

浪曲師|京山幸太さん

皆さん、浪曲をご存知でしょうか。浪曲は明治初期に始まった比較的新しい演芸の一つで、三味線を伴奏に物語を語ります。一話完結のものから連続ドラマのように長い話もありますが、多くは一題30分程度です。そんな浪曲を操る浪曲師の京山幸太さんにお話を伺いました。

浪曲との出会い

中学2年生の頃に友人から誘われてロックバンドを組み、ボーカルやベースを担当。音楽にどんどんのめり込んでいきました。ジャズやブルースなどの音楽が好きでしたね。高校1年生の時にはミュージシャンを目指して学校をやめました。ジャズバーでアルバイトをしながら、通信制の高校に通い、クラブミュージックが盛んなドイツに留学しようと関西外国語大学に入学。音楽活動をしていくなかで、日本の音楽のルーツとして教えてもらったのが浪曲でした。それから、浪曲を生で見るために行った教室で、二代目の京山幸枝若の浪曲にしびれてしまい、これだと感じましたね。すぐに弟子入りを決めました。

浪曲の魅力

弟子入り後は、独り立ちできるまで3年間修業しました。浪曲の面白さは、明治時代にできた大衆芸能なので自由にアレンジできるところです。ストーリーと音楽が同時並行で進み、三味線の和の旋律に乗せて現代語で話すので、話も聴きやすいんです。お客さんが情景を想像できることも魅力の1つですね。また、浪曲はお客さんが温かく見てくれるので演じやすいです。でも、面白くなければ拍手はもらえません。寄席で登場する時の拍手より終わって退場する時の拍手の方が大きければ、お客さんに認めてもらえたと安心します。浪曲は大衆芸能だから、古典だけではなく新作も作っていかないと見てもらえないと思い、原作の小説を浪曲化したものを考えました。「文化庁芸術祭賞新人賞」や「咲くやこの花賞」を受賞できたのは、そんなチャレンジが評価されたと思っています。

加古川を「演芸のまち」へ

私のような大衆芸人は、世間に売れないといけないと思っています。新作を作りながら、自分自身の実力も付けて、浪曲師として一番のピークである40~50歳代にかけて、思う存分に力が発揮できるように頑張りたいです。自分が活躍し、知名度が上がれば、他のジャンルの方との交流も生まれ、浪曲をPRできると思っています。
加古川市には5歳から大学入学前まで住んでいました。こどもの頃はよく粟津神社や金剛寺浦公園で遊んでいましたね。かつめしも好きで食べていました。今も2カ月に1回は加古川に帰っていますよ。播州地域には、姫路市出身の人間国宝である桂米朝師匠や師匠の京山幸枝若、加古川市出身の講談師の旭堂南海先生がいます。話芸のすばらしい方々がこの地域から生まれてるんですよ。私も先輩方に続いて有名になって、加古川を演芸のまちと言ってもらえるようにしたいですね。

プロフィール

浪曲師|京山 幸太さん
加古川市出身。大学在学中に人間国宝の二代目京山幸枝若に弟子入り。2022年文化庁芸術祭賞新人賞、2023年大阪市咲くやこの花賞を受賞。R-1ぐらんぷりにも出場するなど、テレビ、ラジオなどでも活躍中。加古川名物かつめしが好き。【取材:令和6年12月16日】

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:企画広報課 広報広聴係(本館4階)
郵便番号:675-8501
住所:加古川市加古川町北在家2000
電話番号:079-427-9222
ファックス番号:079-424-1370
問合せメールはこちら