中学生の給食を作っている学校給食センターの1日を紹介します

更新日:2024年12月06日

1.健康チェックと身支度

 安全に給食を作るために、給食センターに出勤したら、まず健康状態(下痢をしていないか、発熱はないか、手に傷がないか等)をチェックし記録します。それから専用の作業衣に着替えます。作業衣に髪の毛が付かないように、先に帽子を被り、マスクをし、髪の毛が1本も帽子から出ていないことを確認してから作業衣を着ます。そして粘着ローラーで作業衣や帽子についているほこりなどを取り除きます。身支度が整ったら手洗いをします。手の平と手の甲、指の間、指先、手首、肘まで洗い残しがないように時間をかけてしっかりと洗います。爪の間は専用のブラシを使って洗います。洗い終わったらペーパータオルでしっかりと拭いてアルコール消毒をします。調理場に入るときにはエアーシャワー(清浄空気を吹き付けることで塵やほこり等を除去する装置)を必ず通ります。

手洗いシンク

手洗い用シンク

手洗い用洗剤、爪ブラシ、ペーパータオルが配置されています

手洗い作業

爪ブラシを使って洗っています

手のアルコール消毒

手洗い後の手指消毒

消毒をしなければエアーシャワーの扉は開きません

エアシャワー

エアーシャワー

2.食材の納品(受け取り)

 毎日たくさんの食材が納品されます。納品のときには、食材の数量があっているか、品質、温度、賞味期限などを確認します。食材は、段ボールから出して、専用のかごに移し替えてセンター内へ持ち込んでいます。

 限られた時間の中で、たくさんの野菜を機械を利用しながら処理していきます。サイズが小さすぎたりばらつきがあると、きれいに皮をむいたり、切ることができないので規格を指定して購入しています。

食材の検収1(じゃがいも)

専用のかごに移し替えながら納品量を量っています

食材の検収2(じゃがいも)

品質を確認しています

yasai

毎日たくさんの食材が納品されます

品温測定

品温を確認しています

3.下処理・切裁

 野菜は、まず皮や根など不要な部分を取り除きます。じゃがいもやたまねぎなどは、「球根皮むき機」を使って皮をむきます。洗浄は水を十分に換水させた水槽で、水槽を移しながら3回行います。特に葉物野菜は、根を落としてバラバラにし、土や小さな虫が付いていないか確認しながら少しずつ丁寧に洗います。洗浄が終わった野菜は、カウンターから野菜切裁室へ渡されます。きれいに洗った野菜はフードスライサー等の機械を使って献立に合わせた大きさや形に切っていきます。フードスライサーには色々な種類の刃があり、野菜の種類や切りたい形に合わせて刃を変えます。また、切る厚みを指定できるので、たくさんの野菜を効率的に切ることができます。

 肉や魚の準備や下味をつける作業は食肉類・魚介類専用の下処理室で、卵の準備は卵専用の下処理室で行います。

下処理(ピーラー)

球根皮むき機

じゃがいもや人参などの皮をむきます

下処理(洗浄作業1)

異物点検をしながら丁寧に洗います

下処理(洗浄作業2)

水槽を移しながら3回洗います

下処理室(カウンター)

洗浄が終わった野菜は、カウンターを通して野菜切裁室へ送られます

フードスライサーを使用する前にある程度のサイズに切ります

野菜の種類や献立によって手切りする場合もあります

フードスライサー

献立に合わせた大きさや形に効率的に切ることができます

下処理作業(魚準備)

食肉類・魚介類専用の下処理室で魚を天板に並べ、たれをかけます

4.調理

 煮炊き調理室、揚げ物・焼き物・蒸し物調理室、和え物室があり、様々な調理方法を組み合わせて調理をしています。

 給食は、加熱調理の最後に必ず中心温度を測り、食材の中心までしっかりと加熱されていることを確認しています。

(1)煮炊き調理室

 蒸気式の釜が8台あり、汁物・煮物・炒め物調理を行います。この釜は、水が350リットル入る大きな釜で最大1,100人分のおかずを作ることができます。調理師は大きなスパテラを自在に扱い、順番に投入される材料を混ぜ合わせていきます。具材の炒め方、調味料や具材を入れるタイミング、火加減、加熱時間等を工夫し、食べるときにおいしい状態で提供できるように仕上げています。

回転釜

最大容量350Lの蒸気式回転釜が8台あります

回転釜(焼きそば調理)

焼きそばを混ぜながら炒めるのはとても大変です

回転釜(煮物調理)

出来上がると必ず具材の中心温度を計測します

配缶作業

1クラスずつ重さを量りながら配缶していきます

(2)揚げ物・焼き物・蒸し物調理室

 揚げ物は、上下のコンベアで挟み込んで油の中を移動しながら揚げる連続フライヤーを使用します。温度と揚げ時間を設定できるため、投入口から食材を投入すると、指定した時間をかけて揚げられ、出口部分から出てきます。

フライヤー入り口側

連続フライヤー

油の温度とコンベアが動く時間を設定して揚げます

フライヤー出口側

揚がったものが連続フライヤーから出てきます

 焼き物や蒸し物はスチームコンベクションオーブンを使用します。材料を天板に並べて専用のカートに差し込み、カートごとスチームコンベクションオーブンに入れます。熱風と蒸気の組み合わせにより、焼き物や蒸し物ができます。オムレツは卵と具材を混ぜあわせた卵液を深めの天板に流し入れ焼いています。

スチームコンベクションオーブン

スチームコンベクションオーブン

焼き物や蒸し物を調理できます

焼き魚

焼き魚を調理しています

(3)和え物室

 加熱した野菜等を真空冷却機(庫内を真空にして気化熱で冷却する機械)で急速に冷やし、サラダや和え物を調理します。急速に冷やすことで、細菌等が増殖しやすい温度帯の通過時間を短時間にすることができます。

真空冷却器

真空冷却機

庫内を真空にして気化熱で冷却する機械で、急速に冷やすことができます

保冷食缶

冷却して提供する給食は保冷剤をのせた食缶を使用しています

5.アレルギー対応食

 アレルギー対応食(除去食)は、煮炊き調理室で除去の対象となる食材が入る前まで調理したものを、専用の鍋に取り分けてアレルギー専用調理室へ持ち込みます。アレルギー専用調理室で料理を仕上げ、個人ごとの名前が書かれた専用の容器に配分します。献立によっては、最初から他の給食とは別にアレルギー専用調理室で調理をします。

アレルギー除去食調理

アレルギー専用調理室

アレルギー除去食の仕上げはここで行います

アレルギー除去食の配缶

1人分ずつ専用の保温容器に配分します

6.配送準備・配送

 給食は調理後2時間以内に提供できるように仕上げています。出来上がった給食は、保温・保冷性にすぐれた食缶に入れ、コンテナ室にずらっと並んだ各学校ごとのコンテナに積み込んでいきます。コンテナにすべての給食がそろったら、トラックに積み込み各中学校の配膳室へ配送していきます。

コンテナ室(出来上がった給食の差し込み)

コンテナ室

たくさんのコンテナが並んでいます

コンテナ室(出来上がった給食を差し込み)

出来上がった給食をコンテナに積み込みます

トラック積み込み

ドックシェルター(トラックの荷台と搬入口の隙間を埋める機密装置)を設置した搬入口からコンテナをトラックに積み込みます

7.洗浄

 給食をすべて出し終えたら使用した釜等の調理機器や、ザル等の器具類を洗浄します。給食の時間が終わると食べ終わった食缶や使用した食器がコンテナに積まれて帰ってきます。帰ってきたトラックは出発するときとは違う出入口から、コンテナを直接洗浄室に運び込みます。食器は、数を数えながら洗浄機専用のかごに移し替え、大きな機械を使用して洗います。食缶は、残菜を集めて廃棄し、汚れが強いものは1つ1つ手洗いをしてから専用の機械を使用して洗います。コンテナも両方の扉を開き、専用の機械を使用して洗います。洗浄機を通過し、洗浄された食器、食缶、コンテナは、コンテナ室に出てきます。そこで汚れが残っていないかチェックし、翌日の給食に使う食器の数を数えてセットしていきます。クラスごとにセットした食器はコンテナに入れ、天井に設置された消毒装置とコンテナをドッキングし、コンテナごと熱風で殺菌・消毒します。食缶は、消毒保管庫に入れ熱風で殺菌・消毒します。最後に、使用した台や床を掃除します。

洗浄作業(回転釜)

蒸気式回転釜の洗浄

洗浄作業(食器)

返却された食器を数え、食器洗浄機へ投入します

食器洗浄機

食器洗浄機

洗浄作業(食缶)

食缶の洗浄

汚れが強い場合は、食缶を1つ1つ手洗いした後、食缶洗浄機で洗います

食缶洗浄機

食缶洗浄機(出口)

コンテナ洗浄機

コンテナ洗浄機(出口)

コンテナはコンテナ洗浄機を使用して1台ずつ洗います

コンテナと消毒装置

コンテナ消毒装置

天吊りの消毒装置とコンテナをドッキングし、コンテナに入れた洗浄後の食器をコンテナごと殺菌・消毒します

 

消毒保管庫

消毒保管庫

食缶や調理に使用する器具類を殺菌・消毒します

8.最後に

 給食センターでは、朝早くから夕方まで様々な仕事があります。体力を使う仕事ばかりですが、加古川市の中学生に安全・安心でおいしい給食を提供できるように日々取り組んでいます。

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:学務課 給食指導係(新館8階)
郵便番号:675-8501
住所:加古川市加古川町北在家2000
電話番号:079-427-9344
ファックス番号:079-421-4422
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