2020年06月21日:部分日食『バーチャル』特別観望会[配信]
このページでは、6月21日(日曜日)夕方に日本全国で観察できる部分日食について、日食中に撮影した太陽の写真を準リアルタイムで公開いたします。
当初予定していた特別観望会は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となってしまいましたが、このページに掲載する日食中の太陽をご覧いただきお楽しみください。
【新着】部分日食のダイジェスト動画
今回の日食のダイジェスト動画を作成しました。6月27日公開。以下のリンクよりご覧いただけます。
2020年06月21日(日曜日)部分日食@加古川市立少年自然の家
(注意)外部サイトへ移動します。
部分日食のスケジュール
(加古川市立少年自然の家)
加古川市立少年自然の家における、当日の日食のタイムスケジュール(およそ20分刻みに加え、各食分について記載)は次の通りです。加古川市内であればどこでもこの表とほぼ同じになります。
時刻 | 食分 | 高度 | 方位 | 方位角 | |
---|---|---|---|---|---|
(南中) | 12時02分28秒 | --- | 78.6度 | 南 | 180度 |
食の開始 | 16時05分26秒 | 0.00 | 36.6度 | 西 | 275度 |
食分0.1 | 16時13分44秒 | 0.10 | 34.9度 | 西 | 276度 |
食分0.2 | 16時22分40秒 | 0.20 | 33.1度 | 西 | 277度 |
16時30分00秒 | 0.27 | 31.6度 | 西 | 278度 | |
食分0.3 | 16時32分00秒 | 0.30 | 31.2度 | 西 | 278度 |
食分0.4 | 16時42分13秒 | 0.40 | 29.1度 | 西 | 280度 |
16時50分00秒 | 0.46 | 27.5度 | 西 | 281度 | |
食分0.5 | 16時55分10秒 | 0.50 | 26.5度 | 西北西 | 281度 |
食の最大 | 17時09分55秒 | 0.54 | 23.5度 | 西北西 | 283度 |
食分0.5 | 17時24分15秒 | 0.50 | 20.7度 | 西北西 | 285度 |
17時30分00秒 | 0.45 | 19.5度 | 西北西 | 286度 | |
食分0.4 | 17時36分16秒 | 0.40 | 18.3度 | 西北西 | 286度 |
撮影終了 (予定) |
17時44分10秒 | 0.31 | 16.8度 | 西北西 | 287度 |
少年自然の家天体観測室では西にある黒岩山の稜線に 太陽が沈み、実際より一足早く日没をむかえます。 |
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以降は、西の黒岩山が無く観察を続行できたと 仮定した場合のタイムスケジュールです。 |
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食分0.3 | 17時45分23秒 | 0.30 | 16.5度 | 西北西 | 287度 |
17時50分00秒 | 0.24 | 15.6度 | 西北西 | 288度 | |
食分0.2 | 17時53分26秒 | 0.20 | 14.9度 | 西北西 | 288度 |
食分0.1 | 18時00分55秒 | 0.10 | 13.5度 | 西北西 | 289度 |
食の終了 | 18時07分41秒 | 0.00 | 12.2度 | 西北西 | 290度 |
(日没) | 19時18分33秒 | --- | -0.4度 | 西北西 | 300度. |
- 食の開始・最大・終了の時刻のみ、エクリプスナビゲータVer.2.5より算出。他はステラナビゲータVer.9より。
- 食分とは、月によっておおわれた部分の太陽の直径の割合を表しています。おおわれた部分の面積ではありませんのでご注意ください。
- 方位角は真北を0度とし、そこから時計回りに一周360度で表現しています。よって、真東・真南・真西の方位角はそれぞれ90度・180度・270度となります。
部分日食の準リアルタイム中継(写真を配信)
[12時02分]南中をむかえた太陽

本日は夏至の日。昼間の長さが一年で最も長くなるとともに、太陽が最も高くまで上がる日でもあります。少年自然の家の出の南中高度は78.6度。
お昼前から少し雲が出て来始めたため、太陽の輪郭がややぼやけています。

太陽が高くなるのとは反対に、地面に落ちる影は一年で最も短くなります。
今日の影の様子を覚えておいて、今度は半年後の冬至の日(昼の時間が一年で最も短く、太陽の南中高度が最も低い)の影と比べてみてはいかがでしょう?
[15時]日食1時間前の太陽

空が全体的に雲に覆われてきました。望遠鏡を通して見た太陽も輪郭がほとんどわかりません...
[16時05分]食の開始

日食が始まりました。しかし、ただいま雲におおわれてほとんど見えていません...
[16時32分]食分0.3

食分0.3ごろの太陽です。相変わらず空は雲に覆われていますが、時おり雲の薄い部分から欠けた太陽がチラチラ顔を見せてくれるタイミングがあります。
[16時55分]食分0.5

食分0.5に達したのが16時55分ごろ。
しかし、再び雲が厚くなってきました。流れる雲と重なってわかりづらいですが、右下の欠け具合が大きくなってきています。
[17時10分]食の最大

今回の食の最大の時間をむかえました。食分は0.54。
しかし、よりにもよって食の最大のこのタイミングで一番雲が厚くなっており、太陽がほとんど確認できません...(泣
[17時30分]観察・撮影の終了

結局、食の最大以降は、太陽が山の稜線の木々に隠れて見えなくなってしまうまで雲にほとんど隠されたままでした。
左の写真は太陽が木々の向こうに隠れる直前の様子。今回、画面の方角をあわせて撮影したため、写真の左上が実際の上の向きになります。
(オマケ)日食観測中の光景

今回の準リアルタイム配信で使用した器材。20cm屈折望遠鏡に取り付けられているサブの8cm屈折望遠鏡にCCDカメラをつけて撮影しました。

望遠鏡の後ろに付いている赤い部分がCCDカメラ。そして、そのまま太陽へ向けると太陽の熱でカメラが壊れてしまいますので、望遠鏡の先端と、望遠鏡とCCDカメラの間、にHα(エイチアルファ)フィルターを取り付けました。
通常は太陽のプロミネンス(太陽の表面から吹き上がる炎のようなガス)を観察するのに使用しますが、本日はプロミネンスをほとんど確認できませんでした...

撮影だけでなく肉眼での観察もするため、別の20cm屈折望遠鏡に大型の太陽投影板を取り付けました。

望遠鏡の筒の中を通った太陽の光が、接眼レンズを出て板の上に置いたスケッチ用紙に投影される仕組みです。
しかし、残念ながらこの観察方法では太陽の光が強くないと十分に観察できないため、終始曇りがちだった今回の日食では太陽の像が結ばれることはありませんでした...
(ToT)

手鏡を使った観察も準備。約5cmの穴を開けた紙を手鏡に貼り付け、白い壁に映して観察する予定でした。
しかし、こちらも十分な強さの光が得られなかったため、観察はできず...

ピンホールを使った観察も準備。
ただ穴を空けただけだとつまらないので、ポンチで一生懸命に穴を開けて文字を書いてみました(笑)

食分0.3の頃が一番明るく映ったため撮影してみました。左の台紙を使って白い紙に映してみたところ文字がクッキリ。ただ、写真では欠けた様子がわかるかどうか少しビミョーです...
(肉眼ではもう少し欠けた様子がわかりましたが...)

右上の写真に少し強調処理をかけてみました。文字を作っている丸の一つ一つの左上がやや欠けているのがわかるでしょうか?
(「2020」のあたりが一番わかりやすいと思います。)
以上で、本日21日(日曜日)の準リアルタイム配信、およびオマケ写真の公開を終了いたします。
今後、別器材にて撮影していたデータを公開する場合がありますので、後日またこのページを改めてご覧いただければ幸いです。ありがとうございました。
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更新日:2023年04月14日