2021年5月1日:『バーチャル』星見会(2021年5月号)
『バーチャル』星見会(5月1日)「春の大三角と春の大曲線を見てみよう」

日中は朝から不安定な空模様が続いていました。
夕方になって晴れ間が増えてきたものの、薄明の空にはまだまだ雲が多く・・・。
この後は晴れてくれるのでしょうか?


雲はまだ幾分か流れてくるものの、思いのほか晴れ間が広がりました!
今回の星見会のテーマの一つ、「春の大三角」がよく見えています。図で示したように、写真中央に広がる3つの星を結んでできる大きな三角形で、左の一番明るい星がうしかい座の一等星アークトゥルス、右下の白い星がおとめ座の一等星スピカ。右上はしし座のデネボラで、この星だけは大三角の中で唯一の2等星となっています。


もう一つのテーマ、「春の大曲線」も全体がよく見えています。大きいので全体を写すことはできませんでしたが、写真はその前半部分。
左半分に柄杓(ひしゃく)の形をした北斗七星の並びがあり、その持ち手にあたる部分のカーブを延長していくと右下のアークトゥルスに行き当たります。ここから先、カーブをさらに延長していくことで、アークトゥルス同様に先ほどの大三角の中にもあったスピカへと到達します。


こちらはしし座。左端の2等星が、春の大三角の星の一つのデネボラです。
しし座にはデネボラより明るい一等星のレグルスがあり、右側のハテナマークを左右に裏返したような形「ししの大鎌」の一番下で輝いています。

20cm屈折望遠鏡で撮影したアークトゥルス。春の一等星の中でもひときわ明るく輝くオレンジ色の星です。

同じく20cm屈折望遠鏡で撮影したスピカ。アークトゥルスとは対照的な青白い星で、日本では「真珠星」と呼ばれていました。

春の大曲線のカーブの内側にある、りょうけん座の主星コル・カロリ。肉眼では1つの星に見えますが、望遠鏡で見ると2つの星がくっつくように輝く二重星であることがわかります。
春を代表する二重星といえばおおぐま座のミザール&アルコルが有名ですが、昨年の「2020年5月2日:『バーチャル』月見会(5月号)」でも紹介しているので、ぜひそちらもご覧ください。

春の星空では他の季節と比べ、天の川銀河の外にある系外銀河を数多く観察することができます。
こちらはおおぐま座の後頭部付近にあるM81銀河。見かけの大きさが比較的大きく明るく見えることから、小型の望遠鏡でも見つけることができます。

こちらはM81銀河のすぐとなりにあるM82銀河。空の状態がいいところだと、双眼鏡でもカタカナの「ハ」の字に並ぶこれら2つの銀河が確認できるようです。
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更新日:2023年04月22日