2022年3月31日:天体観察クラブ(令和3年度)活動成果紹介

更新日:2022年03月31日

天体観察クラブについて

少年自然の家では年間を通じて様々な主催事業(イベント)を実施していますが、中には他の一般的なイベントとは異なり、継続的に参加して活動を行う「天体観察クラブ」という取り組みがあります。

通常のイベントの場合はその時その時で募集が行われ、活動内容もその1回の参加で完結するようプログラムが組まれていることが一般的。
ですが、天体観察クラブでは何度も定期的に集まって活動を行うことから、自然の家に1回来ただけでは終わらないような、複数回にまたがって取り組む必要がある活動も可能、という点が大きな特徴です。

また、取り組む活動の自由度を大きくとっているというのもポイントの一つ。活動内容については指導者である職員や指導員から積極的に提供することはあまりなく、クラブ員自身が希望する活動内容を考え、それを指導者と相談しながら活動の進め方を決めていく、というスタイルをとっています。

令和3年度の天体観察クラブは8月から3月までの期間、月1回のペースで全8回行われました。(当初は5月から全10回予定のところ、感染症対策のため2回中止。)
「天体観察クラブ」の名の通り、望遠鏡で星を観察する活動が多いですが、天体観測室の大型望遠鏡で見たい星をただ観察するだけでなく、小型望遠鏡の使い方を覚え、自分でその望遠鏡を操作して天体を観察するクラブ員も少なくありません。他にも、望遠鏡にカメラをつないで天体写真の撮影に挑戦してみたり、惑星探査機や人工衛星のクラフトづくりをしたり、と様々な活動に取り組んできました。

このページでは、今年度の天体観察クラブの活動を通して、クラブ員が撮影した天体写真や工作したクラフトといった、活動の成果の一部をご紹介します。

天体写真・動画

写真:オリオン座大星雲(M42)中心部

M42中心部

望遠鏡に一眼レフカメラ本体を接続して撮影。連続して何十枚も撮影した中の1枚。
中心部の星の集まりによって照らされた周囲のガスが写っています。

[撮影者:萩原さん(高校3年生)][撮影日:2022年03月12日]

 

(ワンポイント解説)
太陽や月、惑星といったごく一部の天体を除いて夜空の天体のほとんどは想像が及ばないほど非常に遠くにあるため、地球に届く光の量はごくわずかしかありません。そのため、天体写真の撮影は普通の写真と少し違い、シャッターを長時間開きっぱなしにすることで天体から届く光を少しずつためるようにして撮影します。
さらに天体の写真の場合、連続して何枚も撮影しておくことで、後でパソコン上で画像を重ね合わせる編集作業を行い、より鮮明な天体画像を得ることができます。

M42中心部(素材01)
M42中心部(素材02)
M42中心部(素材03)
M42中心部(素材04)

このようにして60~70枚ほど連続して撮影した画像を、パソコン上で重ね合わせた結果がこちら↓

M42中心部(重ね合わせ後)

元の写真は全体的に(ノイズによる)ザラザラとした印象があって肝心の星雲のガスがあまり目立ちませんでしたが、重ね合わせを行うことで滑らかな写真になりました。

ここからさらに簡単な調整を加えると…↓

M42中心部(調整後)

星雲のガスの構造や色がよりわかりやすい画像になりました。図鑑などでよく見る天体写真も、多くはこのようにして撮影・編集されて完成した画像となっています。

タイムラプス動画:昇るオリオン

(注意)外部サイトへ移動します。

一眼レフカメラを三脚に固定して素材となる静止画を連続で複数枚撮影し、パソコンでタイムラプス動画として合成。

[撮影・作成者:井口くん(中学1年生)][撮影・作成日:2022年02月20日]

(本人から一言コメント)
「オリオン座が昇ってくる様子を望遠鏡の様子とともに撮影しました。」

工作作品

ペーパークラフト:国立岡山天体物理観測所 188cm反射望遠鏡

クラフト:岡山188cm反射望遠鏡

国内最大級の口径を持つ光学赤外望遠鏡のペーパークラフトです。クラフトでは内部にアルミホイルを使って反射鏡も再現してあります。

[作成者:廣瀬さん(小学6年生)][型紙出典:国立天文台(NAOJ)]

(本人から一言コメント)
「細かな作業で難しかったけど、楽しく作れ、きれいにできました。」

ペーパークラフト:月周回衛星「かぐや」

クラフト:月探査機「かぐや」

2007年に打ち上げられ、アポロ計画以来最大規模の本格的な月の探査を行なった日本の月探査機のペーパークラフト。

[作成者:高島くん(小学5年生)][型紙出典:JAXA 宇宙航空研究開発機構]

(本人から一言コメント)
「頑張った!(^o^)」

ペーパークラフト:国立天文台水沢VLBI観測所 20m(VERA)パラボラアンテナ

クラフト:水沢VLBI 20mVERAパラボラアンテナ

岩手県奥州市のVERA水沢観測局にある電波望遠鏡のペーパークラフト。銀河系内の電波天体の距離と運動を計測し、銀河系の真の姿を明らかにするVERAプロジェクトの観測施設です。

[作成者:竹之下さん(小学4年生)][型紙出典:国立天文台(NAOJ)]

(本人から一言コメント)
「工作のパーツが多くて組み立てが難しかったです。」

ペーパークラフト:ペンシルロケット(実物大)

クラフト:ペンシルロケット

開発・発射実験に日本で初めて成功したロケットのペーパークラフト。現物の全長はわずか23cm!

[作成者:中田くん(小学5年生)][型紙出典:ぱっくん航空隊(個人サイト)]

(本人から一言コメント)
「筒の中の支えを付けるのが難しかったです。少し時間がかかったけど、ていねいに作ることができたと思います。」

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:少年自然の家
郵便番号:675-0058
住所:加古川市東神吉町天下原715-5
電話番号:079-432-5177
ファックス番号:079-432-5178
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