鶴林寺の五大尊像/市指定文化財

更新日:2022年02月20日

立ち姿の五大尊像(ごだいそんぞう)が描かれている3幅の絵画

名称

五大尊像(ごだいそんぞう)

数量

3幅

種類

絵画

材質及び技法

絹本著色、掛幅装

寸法

  • 右幅 縦147.2センチメートル、横60.9センチメートル
  • 中幅 縦140.0センチメートル、横80.4センチメートル
  • 左幅 縦147.2センチメートル、横60.9センチメートル

時代

室町時代/永正13(1516)年

所有者及び所在地

鶴林寺(加古川町北在家424番地)所蔵

指定年月日

平成31年3月14日市指定

解説

 鶴林寺に伝わる3幅の五大尊の画像で、中幅には大きく描かれた不動明王(ふどうみょうおう)、右幅上方に金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王その下に降三世(ごうざんぜい)明王、左幅上方に大威徳(だいいとく)明王その下に軍荼利(ぐんだり)明王が配されています。各像とも、鮮やかで勢いのある火炎光を背景に、憤怒の相をした青黒い肉身(にくしん)をしており、大きな目や口の表情、平面的ではあるが重厚な描写などは、鎌倉時代の絵画をさらに強調した力強い作風です。
 五大尊は、密教において、息災、増益(ぞうやく)や調伏(ちょうぶく)などを祈願する御修法(みずほう)の本尊となるものです。
 平成30年までに、鶴林寺がこの五大尊の修理を始めたところ、掛軸の軸木に「播州鶴林寺五大尊 慈雲法眼筆」「年行事慶順 永正十三天丙子十月廿二日」などと記された墨書が新たに確認されました。
 このことにより、鶴林寺のその年の寺務の責任者は慶順という人物で、この絵画が、室町時代の永正13(1516)年10月22日に慈雲法眼という高い位を持った絵師によって描かれたものであることがわかりました。
 また、本図は、画面がほとんど汚れていなかったことから、火を焚くような法要では使われることがなかったようです。
 この画軸の箱書には「永正十四(1517)年九月日」「五大尊 参幅 播州刀田山鶴林寺什」の墨書があり、また、このたびの修理の中で発見された、軸木の墨書から、作者、担当者と制作年月日が明らかになりました。
 本図は、室町時代の鶴林寺における密教の修法のようすを示すものであり、作者及び制作時期が明らかな画像として絵画史上意義のある資料であり、室町時代の密教絵画として優れた貴重なものです。

地図情報

この記事に関するお問い合わせ先

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