鶴林寺の仏涅槃図/市指定文化財


名称
仏涅槃図(ぶつねはんず)
数量
1幅
種類
絵画
材質及び技法
絹本著色、軸装
寸法
縦 180.8センチメートル、横 154.9センチメートル
時代
南北朝時代から室町時代、14世紀から15世紀
指定年月日
平成16(2004)年3月11日
所有者及び所在地
鶴林寺(加古川町北在家424番地)所蔵
解説
仏涅槃図は釈迦入滅の情景を描いたもので、古くから諸寺院の涅槃会の本尊として祀られます。涅槃会とは、釈迦如来の涅槃に入った2月15日を偲び、涅槃経を講じて法会を行い、仏恩に報いるものです。涅槃画像の遺例は、 応徳3(1086)年の高野山金剛峯寺本を最古に、鎌倉時代以降、急速にその数が増えていきます。
左上部が見える宝台上に、右手を枕にし膝を曲げ横臥する釈迦の周りに、激しく悲嘆する多くの会衆や、40種以上にのぼる鳥獣を描いています。画面に向って右上部からは、阿那律尊者に導かれて悲しむ摩耶夫人の一行が飛来しています。 中空には月があり、沙羅双樹の間からは波を立てる跋提河が見えます。 その他、経典に説くところが情趣的に描かれています。
このように本図は、鎌倉時代以降に中国宋代の影響を受け、一般化される涅槃図の形式のものです。また、動物画の表現や施彩や描法に、穏やかで優美な和様化がやや進んだ表現がなされています。
画面には3本の縦折をはじめ折痕があり、ある時期に折り畳んで保管されていたことがわかります。また、裏書に「大般涅槃画像一鋪寄進同修補長禄四暦歳次庚申卯月廿二日信心大施主河南条宿村西真」と記す寄進修理の墨書銘があることから、長禄4(1460)年をかなり遡る時期の制作と考えられています。
また、銘文に見える河南条宿村西真については不詳ですが、在地の富裕層であったと考えられます。また、近世の史料で、現在の寺家町付近が宿村とされていたものがあることからも、15世紀には加古川町寺家町付近が、河南条宿村と呼ばれていたことがわかります。
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更新日:2025年04月30日