カンス塚古墳出土品一括/市指定文化財

更新日:2024年05月01日

カンス塚古墳出土金製垂飾付き耳飾り
カンス塚古墳出土須恵器・土師器

名称

カンス塚古墳出土品一括(かんすづかこふんしゅつどひんいっかつ)

種類

考古資料

時代

古墳時代中期/5世紀

管理者及び所在地

加古川市教育委員会

加古川総合文化センター博物館(平岡町新在家1224-7)で一部展示中

指定年月日

平成2(1990)年10月11日市指定

解説

 カンス塚古墳は、加古川右岸のかつて又平新田と呼ばれた盆地に所在する古墳で、現在は平荘湖底に水没しています。北に飯盛山、南に升田山、東に地蔵寺山の三山に囲まれた現在の平荘湖一帯には古墳時代後期の古墳が集中して分布しており、カンス塚古墳や池尻2号墳などの中期に築造された古墳も含めて平荘湖古墳群と呼ばれています。
 工業用水ダムとしての平荘湖の建設に伴い、昭和38(1963)年と昭和41(1966)年にカンス塚古墳の発掘調査が行われています。調査では、墳丘の西側に取り付く低い張出し部と、その上をめぐる円筒埴輪列の一部が見つかり、この古墳が造り出し部を持った帆立貝式古墳の形状をしていることがわかりました。埋葬施設は竪穴式石室で、後世の攪乱などによって一部が壊されていたものの、石室内からは多岐にわたる種類の副葬品が出土しました。
 副葬品には、土器(須恵器高杯・はそう・壺・甕、土師器壺ほか)、装身具(耳飾・管玉・ガラス小玉)、武器・武具(短甲・頸甲・草摺・小札・刀剣・鉄鉾・鉄鏃・胡籙金具ほか)、農工具(鉄鎌・鉄斧・刀子・鉄鉋ほか)鍛冶具(砥石・鉄鉗・鉄鎚・鏨)などがあり、石室内以外では、天井石の上から変形四獣鏡が出土しています。
 特に、金製垂飾付耳飾や特殊な形状の須恵器などは朝鮮半島に由来する渡来系遺物のなかでも特徴的なもので、鉄器の製作に関係する鍛冶具が副葬されている点も注目されます。これらの出土遺物は、カンス塚古墳の被葬者の性格、ひいては古墳時代における加古川地域と朝鮮半島との関わりを考えるうえで重要な一括資料です。

地図情報

「カンス塚古墳出土品一括」所在地(加古川総合文化センター博物館)
カンス塚古墳位置図

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:文化財調査研究センター
郵便番号:675-0101
住所:加古川市平岡町新在家1224-7(中央図書館2階)
電話番号:079-423-4088
ファックス番号:079-423-8975
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