東車塚古墳出土の三角縁神獣鏡ほか/市指定文化財

更新日:2023年06月20日

東車塚古墳出土三角縁神獣鏡ほか

名称

三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)
 附 石釧(いしくしろ)2点、方格渦文鏡(ほうかくかもんきょう)1面、獣形鏡(じゅうけいきょう)1面

数量

1面

種類

考古資料

材質及び技法

青銅製

寸法及び重さ

径21.4cm、978g

時代

古墳時代(4世紀)

管理者及び所在地

加古川市教育委員会、加古川総合文化センター博物館(平岡町新在家1224番地の7) で展示中

指定年月日

平成2(1990)年10月11日

解説

 東車塚古墳は、加古川左岸の日岡山丘陵上に位置し、古墳時代前期の大型前方後円墳を主体とする日岡山古墳群を構成する古墳です。これらの遺物は、昭和25(1950)年の土取り工事の際に偶然発見されたものです。当時の記録によると、墳丘の北側が土取りによって削られており、崖状に露出した断面の、墳頂から約1.5mほど下の地点から、小さな木片と一緒に鏡4面と石釧2点が発見されたとあります。鏡は背面を上にした状態で、同じ高さで並んで見つかりましたが、そのうち1面は損傷が著しかったことから放棄したそうです。
 現存している3面の青銅鏡は、三角縁神獣鏡、方格T字鏡、獣形鏡で、三角縁神獣鏡は中国製、方格T字鏡と獣形鏡は日本製と考えられています。三角縁神獣鏡には同じ鋳型や原型から製作されたもの(同范鏡・同型鏡)が多くあり、この三角縁神獣鏡は、神戸市にあるヘボソ塚古墳出土の鏡と同范とみられています。
 石釧は、車輪石や鍬形石とともに腕輪形石製品と呼ばれる装身具のひとつで、この石釧は2点とも緑色凝灰岩(ぎょうかいがん)製と考えられます。
三角縁神獣鏡と石釧は、古墳時代前期の代表的な副葬品で、希少価値が高く宝器的な性格を持っていることから、ヤマト政権が各地の首長に配布した威信材(いしんざい)にあたる器物と考えられています。東車塚古墳で発見されたこれらの遺物は、古墳時代前期における加古川地域とヤマト政権との政治的なつながりを考えるうえで重要なものといえます。

削平によって完全に消滅してしまった東車塚古墳ですが、日岡山公園の再整備に伴い令和4(2022)年度に実施した試掘・確認調査によって東車塚古墳の周濠が確認され、これによって、不明になっていた古墳の元位置や、墳丘径約40mの円墳であったことが判明しました。また、出土した円筒埴輪の特徴から、この古墳が古墳時代前期半ば頃に築造されたことがわかりました。
 

文化財解説シート(内部リンク)

地図情報

所在地(加古川総合文化センター博物館)

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:文化財調査研究センター
郵便番号:675-0101
住所:加古川市平岡町新在家1224-7(中央図書館2階)
電話番号:079-423-4088
ファックス番号:079-423-8975
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