報恩寺の大日如来坐像/市指定文化財

更新日:2022年03月17日

報恩寺大日如来坐像

木造金剛界大日如来坐像

報恩寺大日如来坐像(台座及び光背を含む)写真

木造金剛界大日如来坐像(光背及び台座を含む)

名称

木造金剛界大日如来坐像(もくぞうこんごうかいだいにちにょらいざぞう)

数量

1軀

種類

彫刻

材質及び技法

木造、ヒノキ材、割矧造、玉眼

作者

康俊(京都七条仏所仏師、東寺大仏師)と考えられる

時代

南北朝時代/14世紀中頃

所有者

報恩寺 所蔵

所在地

平荘町山角466番地の1

寸法

像高 60.8cm、髪際高 45.6cm

指定年月日

令和4年3月10日市指定

解説

 この像は、報恩寺の本堂向かって右の脇壇の簡素な木造厨子の中に安置されている如来坐像です。両手で智拳印を結んでいることから『金剛頂経』で最高の教主と位置づけられている金剛界大日如来であることがわかります。
 全体に褪色と修理で傷んでいるように見えますが、端正な面相と少し重厚感のある自然な肉づきの表現から、中世の優れた仏像であることがわかります。
 材質はヒノキ材あるいはヒバ材のようです。はじめは、からだの部分を金色、頭髪の部墳を瑠璃色で彩色し、衣の部分は切金技法で華やかな模様を施していたようです。台座の大部分は制作当初のものです。
 像底から内部構造を確認することができ、体幹部を 前後に割矧いで内刳りをした割矧ぎ造りで、頭部は体幹部上部から割り離し、両耳の後ろの線で前後矧ぎした割首で、玉眼を嵌入していることがわかります。
この仏像の作者については、当時の京都で運慶五世孫(あるいは六世孫)を名乗る東寺大仏師の康俊と考えられます。姫路市の円教寺の金剛薩埵坐像(県指定文化財)や如意輪寺の如意輪観音坐像(姫路市指定文化財)と面相をはじめとした像容がたいへんよく似ていて、技法や作風が共通しているからです。
 報恩寺は、県指定文化財となっている南北朝時代の古文書や石造品をはじめ、中世の多くの文化財を伝える真言宗の古刹で、同時代に康俊を庇護した播磨守護赤松氏と関係が深かったと考えられています。

 

地図

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:文化財調査研究センター
郵便番号:675-0101
住所:加古川市平岡町新在家1224-7(中央図書館2階)
電話番号:079-423-4088
ファックス番号:079-423-8975
問合せメールはこちら
みなさまのご意見をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか。
このページは見つけやすかったですか。