加古川市歴史文化基本構想概要版
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5■り、教信寺、報恩寺などそのほかの寺院にも仏像・仏画があり、面・太鼓等の祭礼道具も多く存在しています。まだまだ知られていませんが、市内の社寺や個人宅には、近世・近代の優れた屏風・襖絵を含めた絵画があり、地域で管理している堂の中には中世の仏像がいくつかあります。近代画家の橋本関雪の襖絵など個人から加古川市に寄附されたものもあります。記録としては、宮本武蔵関連史料として注目されている泊神社の本堂棟札、市内北部に点在する播磨攻めを行った羽柴秀吉に関係する記録、各地に残る江戸時代の絵図などがあげられます。考古資料は実に豊富で、行者塚古墳出土の金銅製帯金具、鉄製品、家形埴輪、円筒埴輪をはじめ、埋蔵文化財発掘調査で出土した、西条廃寺、石守廃寺、溝之口遺跡、東神吉遺跡、砂部遺跡、平荘湖古墳群、長慶寺山古墳群、天坊山古墳、里古墳、西山大塚古墳などの出土遺物は重要なものです。その他、志方宮山古墳出土品や古大内遺跡の資料など昔から保管されている考古資料も重要なものです。これらは、加古川市教育委員会が保管・管理しています。その他、地域や社寺で管理されているものとして、稲根神社の二塚古墳付近出土経塚資料、常光寺の西条廃寺出土青銅製風鐸、西条町内会の西条古墳群出土資料があげられます。古墳の石棺は、市内に約150件が確認されており、その中には、中世に仏像や種子を刻んで、信仰の対象となっている石棺仏とも称されるものもあります。また、中世の石仏・石塔類、近世・近代の石仏・石塔・墓石類、近世・近代の道標等、石造品の多くは、路傍や地域の墓地にある身近な歴史文化遺産です。史跡としては、日岡山古墳群や賀古駅家跡、中世の中道子山城や加古川城の城跡など多種多様なものが市内に点在しています。祭礼行事は、それぞれの社寺や地域で行われています。日岡神社の亥巳籠の行事は古くから伝えられているもので、鶴林寺の聖霊会、報恩寺や日光山常楽寺の鬼追い、そして、教信寺の野口大念仏会では教信上人の一生絵の絵解きが行われます。神社では秋祭りが盛大な神社が多く、泊神社、粟津天満神社、粟津加茂神社、下西条八幡神社、福留日岡神社、野口神社、浜宮天神社、尾上神社、崎宮神社、今福八幡神社、別府住吉神社、宗佐八幡神社、上・中西条八幡神社、平之荘神社、出河原益気神社、升田益気神社、上庄神社、神吉八幡神社、志方八幡神社などで行われており、昔ながらの神輿の巡行、屋台の練合せ、獅子舞などを行うところもあります。一方で、子ども神輿や子ども屋台など、各地区で現代の生活に合わせた行事に変わっていくところもあります。平之荘神社の秋祭り志方の城山(山頂付近が中道子山城跡)稚児ケ窟の石棺の蓋行者塚古墳出土金銅製帯金具泊神社

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