加古川市歴史文化基本構想概要版
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■4かの陸軍の関連施設が置かれていました。戦後、都市部では商工業が発展し、農村部では豊かで美しい景観を保ちながら農業の機械化が進み、海岸部では埋立て地での大規模製鉄工場の操業がはじまりました。化学工場、運搬機器工場、食品工場、電子機器工場の発展により、工業都市化が進んできました。また、自動車のための道路網の整備が進み、多くの転入者のための住宅開発も続いています。現在まで続く祭礼・行事としては、蒲団屋台や獅子舞が練り出す秋祭りや正月のトンド行事などが各地で形を変えながら盛んに行われています。中でも鶴林寺の修正会・鬼追い式、宗佐八幡神社の厄除大祭、日岡神社の亥巳籠、教信寺の大念仏会などは昔から多くの参詣人を集めています。そのほか、それぞれの地域や集団で、祭礼や行事が続いています。伝統産業としては、国包の建具や志方の靴下があり、戦後の食文化としては、かつめし、加古川牛などが挙げられます。これら全てが、脈々と続くこの地域の歴史文化です。このことを物語る有形・無形の文化遺産を保存・活用していくことを考えていきます。【加古川市の歴史文化遺産】 ア 指定・登録文化財加古川市には、国宝である「鶴林寺本堂」、「鶴林寺太子堂」など、23件の国指定文化財があります。中でも、平安時代から室町時代にかけての鶴林寺の建造物、絵画、彫刻、工芸品が多く指定されています。県指定文化財としては、いくつかの寺で、鎌倉・南北朝・室町時代のものを中心に、花崗岩や竜山石を材料とする石造物が指定されているのが特徴です。史跡では、古墳時代中期を代表する行者塚古墳を含む西条古墳群があります。江戸時代や近代の建築物が指定文化財のほか登録文化財になっています。 イ 指定・登録文化財以外の歴史文化遺産市内には、指定・登録文化財以外にも様々な歴史文化遺産があります。祭事や地域の行事といった、市民が受け継いできた無形の歴史文化遺産をはじめ、指定・未指定に関わらず将来にわたって大切にしていくべきものが多くあります。建造物では、江戸時代前期に建てられた、粟津天満神社、平之荘神社、上之庄神社、志方八幡神社などの社殿、鶴林寺の新薬師堂をはじめとする諸堂、その他の社寺の建築の中にもいくつかの注目されるものがあります。近代建築では、旧加古川町公会堂であった加古川図書館、日本毛織印南工場の煉瓦建物、日本毛織社宅倶楽部をはじめとする日本毛織社宅建築群、多木化学本社建物などがよく知られ、また、本町・寺家町地区にも近代建築が点在しています。美術工芸品では、鶴林寺には未指定の仏像・仏画が多く残日本毛織社宅倶楽部加古川図書館(旧加古川町公会堂)国宝鶴林寺太子堂国宝鶴林寺本堂鶴林寺の鬼追い

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