データヘルス計画
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54 第5章 健康課題の明確化と計画の目的・目標 1. 健康課題 (1) 特定健診受診率が低迷している 特定健診受診率は伸び悩んでおり、地域や年代によってばらつきがある。市内では、尾上町、八幡町、平荘町等で受診率が低く、また、兵庫県、全国と比較して40~50歳代(特に男性)の受診率が低い。 受診率が低い地域、年代に対して受診行動を促し、全体の受診率を向上させる取り組みが必要である。 (2) HbA1cの特定健診有所見者割合が兵庫県内で最も多い 特定健診の結果でHbA1cの有所見者割合は、7割以上と兵庫県内で最も多い状況である。また、入院と外来を合計した医療費は、糖尿病が最も多くを占めており、生活習慣病等医療費の割合においても、糖尿病の割合が兵庫県、全国と比較して多い状況にある。 HbA1c有所見者のうち、8割以上を糖尿病予備群(保健指導判定値)の者が占めていることから、早期から介入を行い、糖尿病予備群を減少させる取り組みが必要である。 (3) 糖尿病重症化のリスクが高い者が多い 人工透析の原因疾患は糖尿病性腎症が最も多くを占めているが、特定健診の結果で糖尿病が疑われるにもかかわらず未治療である者が多い状況である。標準化死亡比(SMR)では、全国と比較して腎不全が高く、腎不全(人工透析有)にかかる医療費も増加傾向にある。また、加古川市の国民健康保険加入後に20人以上の者が毎年、新たに人工透析患者となっている。 このことから、糖尿病未治療者に対して受療勧奨を行い、糖尿病の重症化予防に取り組み、さらに人工透析新規導入患者を減少させることが必要である。 (4) がん検診受診率が低い 各種がん検診の受診率は全国を下回り、伸び悩んでいる。悪性新生物は死因の第1位であり、医療費の中でも占める割合が大きい。 がんの早期発見・早期治療のため、各種がん検診受診率を向上させる取り組みが必要である。 (5) 歯科疾患の医療費が高い 歯肉炎及び歯周疾患における1人当たり医療費は兵庫県と比較して高く、特に9歳以下の被保険者で兵庫県と比較して高い。 歯周病が全身へ及ぼす影響として心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病等があり、生活習慣病の発症・重症化予防の観点からも、乳幼児期からの歯科保健への取り組みが必要である。

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