総合基本計画
44/204

加古川市KAKOGAWA CITY①福祉社会を取り巻く現状わが国の総人口は減少しているものの、平均寿命の延伸や少子化の進行などにより、65歳以上の高齢人口は年々増加し、4人に1人以上が高齢者という状況となっています。今後も高齢化は進行するため、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯、認知症の高齢者などの増加が予想されます。こうした中、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができる社会の実現が求められています。また、※障がい者(児)及び介護者のニーズも多様化している中、平成24(2012)年の「児童福祉法」の改正や平成25(2013)年4月施行の「障害者総合支援法」、平成28(2016)年4月施行の「※障害者差別解消法」などにより、障がい者(児)に対する支援の強化や制度改革が進んでいます。さらに、生活保護世帯数が増加している中で、平成27(2015)年4月に施行された「生活困窮者自立支援法」により、生活保護を受けるまでには至らない生活困窮者に対する支援が強化されています。②福祉社会を取り巻く課題高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むためには、住まい、医療、介護、介護予防、日常生活支援が一体的に提供される「※地域包括ケアシステム」の構築が重要です。システムの構築には、高齢者個人に対する支援の充実と、地域における医療・介護の関係機関と連携した包括的かつ継続的な在宅医療・介護の提供が必要です。さらに、地域でいつでも安心して医療サービスを受けることができる、地域完結型の医療体制の確立も求められます。また、障がい者に対する社会的障壁を取り除くとともに、相談・支援体制のさらなる充実や自立した生活と社会参加への支援など、障がい者が自らの意思決定により、地域で安心して生活できる環境を整備することが必要です。障がい児に対しては、早期からの発達相談や療育の充実が求められています。さらに、生活保護世帯や生活困窮世帯へは、世帯の状況に応じた支援策を行うことが必要です。③今後求められる対応「地域包括ケアシステム」の構築を推進するためには、重要な役割を担う※地域包括支援センターの機能強化を図るとともに、行政サービスのみならず、地域住民等の多様な主体による支援が必要です。あわせて、健康づくりへの支援と介護予防の充実により、高齢者自身の※健康寿命の延伸を図るとともに、高齢者の地域活動や社会活動への積極的な参加を促進し、高齢者が生きがいを持って自分らしく暮らせる地域社会づくりへの取組が必要です。また、障がい者に対しては、意思疎通や物理的環境に配慮するとともに、障がい者が地域で暮らすための住まいの確保や、就労支援を含めた障害福祉サービス等の基盤の充実が求められます。障がい児への支援については、子どもの障害の態様に適応しながら、成長段階において切れ目のない療育体制、支援体制を構築するとともに、家族を支える制度の充実が必要です。さらに、生活保護世帯や生活困窮世帯に対しては、きめ細かな相談を行うとともに、ニーズに応じた情報の提供を行うなど、包括的かつ継続的な支援を行い、重層的なセーフティネットを円滑に機能させることが必要となります。※障がい本市では、人を意味する場合には、「障がい者、障がいのある人」とひらがなで表記している。なお、法令や固有名詞などは「障害」と漢字で表記している。※障害者差別解消法障害を理由とする差別の解消を推進することにより、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、平成25(2013)年6月に公布された法律(平成28(2016)年4月施行)。障がいのある人から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合は、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁(日常生活や社会生活を送る上で、障壁となる事物・制度・慣行・観念など)を取り除くために必要で合理的な配慮を行うことが求められる。※地域包括ケアシステム高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むために、住まい、医療、介護、介護予防、日常生活支援が一体的に提供される体制。※地域包括支援センター地域住民全ての心身の健康の維持、生活の安定、保健・福祉・医療の向上と増進のために必要な援助、支援を包括的に担う地域の中核機関。※健康寿命平均寿命のうち、健康で活動的に暮らせる期間。WHO(世界保健機関)が提唱した指標で、平均寿命から、衰弱・病気・認知症などによる介護期間を差し引いたもの。総論福祉社会を取り巻く環境の変化3節総論3章42

元のページ  ../index.html#44

このブックを見る