PIECE OF KAKOGAWA(VOL.01)
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の調味料としても採用される高松味噌。どの商品にも添加物は一切使わず、兵庫県産の米と大豆、赤穂の塩というシンプルな原材料に限定している。  温度・湿度は日々変化し管理の難しい味噌・糀造り。「糀は生き物。ハイテクな機械なんてないから長年の経験から得た感覚だけが頼りです」と代表の高松清英さん。糀にじっくり向き合うことで「ここの糀でないとダメ」「給食のお味噌汁がおいしい」というファンの声に応える。塩分を控えた味噌を造るなど、常に食べる人のことを一番に想い、味噌・糀造りを続けている。左/味噌用の糀と甘酒用の糀、用途に合わせて柔らかさを変えている 右/味噌・甘酒・糀は工場内の事務所でも購入可400年の歴史をつなぐ麹味噌誇り高きブランド「加古川和牛」(有)高松清太夫老舗 高松清英さん 高松 聖二郎さんヒライ牧場 平井大介さん加古川が誇る      たち02 鶴林寺北に位置する糀屋「(有)高松清太夫老舗」は、糀や味噌、甘酒を製造販売する創業400年以上の老舗だ。戦後まで味噌は各家庭で造ることが多く、米を糀屋に預け、糀に育ててもらい、家で味噌造りをしていたという。 当時は市内に多くあった糀屋も、生活形態が様変わりする時代の中で徐々に姿を消していった。 市内の学校給食やご当地グルメ 加古川市志方町と、そのほど近く加西市三口町ののどかな景色の中に平井さんの牧場がある。仔牛が数頭、母親に寄り添う姿が愛らしい。「人と同じように風邪をひくので健康管理には気を付けています」と平井さん。お産が夜中になる事もあり大変な仕事だが、仔牛の出産はやはりうれしいと頰を緩める。 飼料は自家配合にこだわり、出荷時期が近付くと青い牧草を与えるなど肥育牛がより健康で良質の肉となるよう工夫を凝らす。週に一度出向く枝肉の競り市で出荷した牛の肉質・価格の確認や、親族が営む精肉店から出荷した肉の状態などを聞き飼育に反映させる。こうした努力があってこそ地域ブランド『加古川和牛』へと育つのだ。家庭の味を支えてきた糀屋という大切な仕事。こだわりぬいた味噌で今も守り続ける家庭の味。手をかけ目をかけ大切に育ててこそ評価を得られる。味噌を漉し機に通す弟の高松聖二郎さん

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