奥新田西古墳

更新日:2023年06月20日

 奥新田西(おくしんでんにし)古墳は、平荘町中山に位置する後期古墳です。平成9(1997)年に山陽自動車道建設関連事業に伴い発掘調査が実施されました。

 調査を実施する前から墳丘は大きく崩れていましたが、発掘調査の結果、径約15mの円墳で、その周囲に周溝をめぐらしていたことがわかりました。

 埋葬施設は右片袖式の横穴式石室で、石室の残存長は約5m、玄室長は約3.5m、玄室幅は約2.2~2.4mです。羨道部分については一部破壊を受けていたため本来の長さはわかりませんが、残存長は約1.5m、幅は約1.4mです。玄室は、平面形がやや幅広の長方形で、約3.1mの高さがあり、壁面における石材の積み方は上にいくにしたがって内側にせり出す持ち送り構造になっています。

 副葬品には須恵器(蓋杯・高杯・提瓶(ていへい)・壺)、鉄刀片、鉄鏃片、刀子、留金具、小玉、棗玉があります。しかし、過去に盗掘などを受けていたようで、これらの副葬品は玄室床面に散乱した状態で出土しました。

 また、石室内からは中世以降の土器も出土しており、後世に古墳が再利用されたものとみられます。

調査前の奥新田西古墳
横穴式石室
須恵器

〔用語解説〕

 横穴式石室:古墳時代における主要な埋葬施設のひとつで、おもに古墳時代後期以降に盛んにつくられました。初現期のものは、朝鮮半島の横穴式石室の影響を受けて成立したものと考えられます。その大きな特徴として追葬が可能であるということが挙げられます。

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:文化財調査研究センター
郵便番号:675-0101
住所:加古川市平岡町新在家1224-7(中央図書館2階)
電話番号:079-423-4088
ファックス番号:079-423-8975
問合せメールはこちら