2010年5月号(特集・ミニ特集・タウンタウンなど)
平成22年5月号目次
- 特集 加古川市基本構想
- ミニ特集 かこがわ教育ビジョン
- タウンタウン
- グラフ加古川
- 市民リポーターの「調査ファイル」「加古川で見られる野鳥」
- ぶらり「北山公園」
- 情報コーナー 別ページに掲載しています。
- アラベスクホール新人演奏会
- えんぴつ(編集後記)
特集
加古川市基本構想
まちづくりの道しるべ 加古川市基本構想ができました
市では、市民のみなさんが「住んでよかった」と実感できるまちを目指して、暮らしの安全 安心の確保、少子化対策など、さまざまな事業を行っています。こうした事業はすべて「基本構想」に基づいて進められています。このページでは、新たに策定した基本構想の内容を紹介します。
これから10年間のまちづくりの指針です
みなさんは、市の基本構想をご存じですか。基本構想とは、十年ごとに定めるまちづくりの「道しるべ」となるものです。市では今年三月に新たな基本構想を策定しました。三ページの図をご覧ください。基本構想は、基本理念と将来の都市像、基本目標、そして、まちづくりの進め方から成り立っています。
基本理念は、まちづくりを進める上で基本となる考え方です。新しい基本構想では「ひと まち 自然を大切にし、ともにはぐくむまちづくり」と定めました。これは「豊かな自然のもと、市民一人一人が持つ個性と、それぞれの地域が持つ特性を大切にしながら、市民と行政の協働によるまちづくりを進めていこう」という姿勢を表しています。
5つの基本目標でまちづくりを進めます
将来の都市像は、目標とする十年後の加古川市の姿で「いつまでも住み続けたい ウェルネス都市 加古川」としました。だれもがいきいきと暮らす活気のあるまち、自分たちだけでなく次の世代の人たちも誇りや愛着を持ち、いつまでも住み続けたいと思えるまちを表しています。
将来の都市像を実現するために、どのようなことに取り組んでいけばよいのかを示すのが基本目標です。これは、今後のまちづくりの方向性を定める重要な役割を果たすもので、新しい基本構想では、五つの基本目標を掲げました。今後「市民と行政の協働」「効果的 効率的な行政運営の推進」「広域的な都市間連携」の、三つのまちづくりの進め方に沿って基本目標の達成を目指します。
基本構想をもとに総合基本計画を作ります
基本構想は、まちづくりの大きな方向性を示したものです。将来の都市像を実現するための具体的な施策は総合基本計画で定めます。この計画は、社会情勢の変化に対応できるよう五年ごとに前期と後期に分けて定めるもので、現在前期の計画を作っています。
総合基本計画の策定でも、市民意識調査の結果や昨年実施した地区別行政懇談会でのまちづくり提案、パブリックコメント(公募意見)などの意見を参考に計画の素案を作り、総合計画審議会で検討します。みなさんからの幅広い意見を反映し、市民のみなさんと行政との協働によるまちづくりを進めることで、市民のだれもが生きる喜びを感じることができる「ウェルネス都市加古川」を目指します。
みなさんの意見を反映しました
基本構想の策定にあたっては、市民のみなさんの意見や提案などを反映するため、市民意識調査やタウンミーティング、パブリックコメントなどで意見をいただきました。そして、これらの意見をもとに素案を作り、市民の代表者36人で構成される総合計画審議会で検討し、今年3月の市議会の議決を得て策定しました。
市民意識調査やタウンミーティングでは、安心できる医療体制や環境対策、子育て支援などについての意見がたくさん寄せられました。みなさんの意見は、5つの基本目標に反映されています。
平成20年度市民意識調査で、今後「特に重要」と回答のあった上位5項目(複数回答可)
- 安心できる医療体制 59.7パーセント
- 大気や水質 騒音などの環境対策 53.2パーセント
- 高齢者や障がい者に対する支援 49.1パーセント
- 子どもの見守りやパトロールなどの安全対策 45.7パーセント
- 地域内の道路の安全性や便利さ 44.6パーセント
加古川市基本構想の構成
まちづくりの基本理念
ひと まち 自然を大切にし、ともにはぐくむまちづくり
将来の都市像
いつまでも住み続けたい ウェルネス都市 加古川
まちづくりの基本目標
- 安心して暮らせるまちをめざして
ともに支えあう福祉社会の実現、少子化対策の推進、健康づくりの支援、地域医療体制の充実など
- 心豊かに暮らせるまちをめざして
学校教育の充実、生涯学習環境の充実、スポーツや文化 芸術の振興、人権教育 啓発や男女共同参画の推進など
- うるおいのある環境の中で暮らせるまちをめざして
地球環境と地域の環境の保全、循環型社会の形成、環境美化の推進など
- にぎわいの中で暮らせるまちをめざして
農業、水産業、商工業、地場産業、観光の振興など
- 快適に暮らせるまちをめざして
秩序あるまちなみと交通ネットワークの形成、社会基盤の整備や機能の維持 向上など
まちづくりの進め方
- 市民と行政との協働によるまちづくり
- 効果的 効率的に進めるまちづくり
- 広域的な都市間連携によるまちづくり
問い合わせ先 広報協働課(電話 427-9753)
基本構想は市ホームページか市役所行政資料室で見ることができます。
ミニ特集
かこがわ教育ビジョンができました
市では、国 県の教育振興基本計画や市基本構想をふまえ、かこがわ教育ビジョン(加古川市教育振興基本計画)を作りました。この計画では、次代を担う子どもたちを育成するため、平成32年度までの市の教育の方向性を示しています。このページでは、計画の内容を紹介します。
基本理念
ともに生きるこころ豊かな人づくり
目指すべき3つの人間像
「教育は人づくり」という視点から、子どもたちが培うべき力を見すえ、目指すべき具体的な人間像を掲げています。
努力する人
自ら生きる力を育み生涯にわたり夢や目標に向かって努力する人
生きる力(確かな学力(知) 豊かな心(徳) 健やかな体(体))をバランスよく身に付け、生涯にわたって、夢や目標を持って学び続ける人
心あたたかい人
互いに支え合い命を大切にする心あたたかい人
思いやりや寛容の心を持ち、さまざまな人々とともに生きる態度を身に付け、命と人権を大切にする人
行動する人
未来を切りひらこうと自覚と責任を持ち主体的に行動する人
社会を構成する一員として、ルールやマナーを守り、公共の精神に基づいて、よりよい社会づくりに向けて、自ら考え行動する人
4つの基本的方向
具体的な人間像の実現に向けて、今後実施する施策や事業は、次の基本的な方向に沿って進めます。
地域総がかりの教育
学校園 家庭 地域が一体となり、子どもたちの学びや育ちを支えます。
「生きる力」の育成
「生きる力」を育み、いきいきと輝くまち加古川を担う子どもを育てます。
信頼される教育の環境
子どもたちの安全 安心を確保し、だれからも信頼される教育の環境をつくります。
「学び」が生かせるまちづくり
一人一人が大切にされ、学んだことをだれもが地域で生かせるまちづくりを進めます。
15の重点目標
平成27年度までは、「ユニット12」を活用して次の重点目標に取り組みます。具体的な施策は、毎年「教育アクションプラン」をつくり、これに従って進めます。
ユニット12とは
市内に12ある各中学校区を1単位(ユニット)として、その地域の保育園、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校がお互いに連携するとともに、家庭や地域とも連携を図りながら、子どもたちの成長を支援する活動です。
重点目標
- 学校園 家庭 地域の連携 協力を強化し、社会全体の教育力を向上させる
- 家庭の教育力の向上を図る
- 幼児期における就学前教育を推進する
- 「確かな学力」を培う
- 「豊かな心」を育てる
- 「健やかな体」を養う
- 高等学校等と連携して、適切な進路選択と継続した指導の充実を図る
- 特別な支援や配慮を要する子どもへの教育を推進する
- 学校園の組織的な運営体制を確立する
- 教員の資質の向上を図る
- 一人一人の子どもに教職員が向き合う環境をつくる
- 安全、安心で、質の高い教育を支える環境を整備する
- 教育委員会の機能の充実を図る
- 生涯学習の機会の提供と学習成果を社会で生かすための仕組みをつくる
- 地域と大学等の連携を通した教育環境を整備する
問い合わせ先 市教育委員会学校教育課(電話 427-9354)
タウンタウン グラフ加古川
気をつけてね!
JR加古川駅前に6人のミニ警官が登場。4月6日に行われた「春の全国交通安全運動」の街頭啓発での1コマです。交通安全を呼びかけるミニ警官のりりしくもかわいらしい姿に、慌しく駅に向かう人々も、思わず歩みを緩めにっこり。この日は市内の4駅で、総勢100人が啓発グッズやチラシを配り、シートベルトの着用や自転車の安全利用などを呼びかけました。
桜とぼんぼりの供宴
4月6日、今年も日岡山公園の桜が満開を迎えました。 18時00分から点灯される約300本のぼんぼりの明かりが、花びらを赤みを帯びたピンクに染め、昼間とは違う幻想的な雰囲気を醸し出しています。桜並木に沿って所狭しと並ぶ露店のにぎわいも、夜桜見物のお楽しみ。桜のトンネルの下は、穏やかな風が心地よい春の夜を、思い思いに満喫する親子連れなどの笑顔であふれていました。
エコらむ その16
「エコらむ」は、環境(エコ)に対する市の取り組みや提案などを紹介するコラムです。
市では、建物の外壁をゴーヤなどの植物で覆って建物内の温度上昇を抑える「緑のカーテン」の普及啓発に取り組んでいます。
「緑のカーテン」市民モニター募集中!
市では昨年、市役所の本庁舎をはじめとして、37の公共施設で「緑のカーテン」を実施しました。実施した施設では、夏でも快適に過ごせると同時に、緑が美しいなどの声が寄せられています。
今年も、多くの施設で「緑のカーテン」を実施する予定です。また、今年からは地域全体で地球温暖化問題を考えていくために、緑のカーテンを各家庭で実施してもらう「市民モニター」を募集します。市民モニターとなった人には、「緑のカーテンコンテスト」に参加して、家庭でできた緑のカーテンを披露してもらいます。「緑のカーテン」で冷房機器の使用回数を減らし、気持ちも涼しく過ごしましょう。
緑のカーテンで楽しくSTOP地球温暖化!
市では「緑のカーテン市民モニター」を募集しています。対象は市内に住んでいる人。申込方法などくわしくは、市ホームページまたは市役所環境政策課(電話 427-9769)へ。
市民リポーター 大西 恵理子の「調査ファイル」
このたび、市民リポーターになりました大西恵理子です。日ごろの身近な疑問を、加古川を走り回って調査したいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
no.1 加古川で見られる野鳥
窓を開けると、裏の畑に姿形の違う鳥たちが何種類もやってきていました。眺めているうちに、加古川ではいったいどれくらいの野鳥が見られるのか?という疑問が 。さあ、それでは疑問を解決するため、調査開始!
現在日本には600種類ほどの野鳥が生息しているとのこと。そのうち加古川にはなんと! 約180種類もの野鳥がいるそうです。日本野鳥の会、木下文夫さんと娘の尚美さんの案内で実地調査に向かった先は、加古川でも有数の野鳥スポットの一つ松風公園(尾上町)とその周辺。木下さんによると約130種類の野鳥が確認されているとのこと。果たして今日はどれくらい発見できるのか? 望遠鏡、双眼鏡の必須アイテムを携帯し歩くこと数分、早速カワセミやヒヨドリなど5種類の野鳥を確認。つづいて加古川河川敷へ進むと、辺り一面に多数の野鳥を発見! 調査時間は野鳥たちがあまり活動しないといわれる昼間だったにもかかわらず、その種類の多さにびっくりです。中でもエサ取りに夢中のカモの一団は、一見同じように見えるものの、よく見ると首や尾っぽの色などが少しずつ違う種類が! その間を大中小さまざまな種類のサギたちが魚をついばみながらカモ一団に溶け込んでいる模様。今まで「カモはカモ」「サギはサギ」とひとまとめにしか見ることのできなかった私には、その種類の多さが衝撃でした。ほかにも図鑑と照らし合わせながら、約二時間で十数種類の野鳥を確認。加古川のこの場所だけで、こんなに多くの野鳥が見られるのだと感動しました。
市内の野鳥のスポットはこのほか、平荘湖、野々池(神野町)など加古川から稲美町にかけてのため池周辺。多くの野鳥と出会うには、野鳥の活動が活発になる早朝と夕方がよいとのこと。春にはツバメが各地で、メジロは日岡山公園などで、夏にはサギが各地で、オオヨシキリは加古川河川敷で、秋冬にかけてはタカ、ハヤブサなどが高御位山や城山(志方町)で、冬にはカモ、ツグミなどが各地で見られるそうです。
今回は多くの野鳥が加古川には生息していることを知り、豊かな自然あふれる加古川の魅力をあらためて感じた初調査となりました。これからの季節「おでかけしたいなあ!」と思うそんな日は、双眼鏡を持って野鳥観察に行かれてみてはいかがですか?
調査を終えて
今まで以上に野鳥のことが気になるようになった私。新たに野鳥図鑑を購入し、わが子に野鳥教室を開きながらも、今晩のおかずはとりのから揚げにしよう! と考えているのでした。
(掲載写真キャプション)
- 木下さんに教えてもらいながら望遠鏡をのぞく私。気持ちよさそうに日なたぼっこしている野鳥たちのようすがよく見えます。
- 波うち際のカモたち。エサを食べていたり寝ていたりと、のどかな風景です。
ぶらり 加古川史跡放浪記
北山公園
印南野平野が一望できる標高約三十メートルの高台に、七世紀後半に建築されたと推定されている市内最古の寺院跡があります。昭和三十年代後半の神野団地の造成工事中に発見されました。加古川北市民センターの東の方、西条山手二丁目と山手二丁目にまたがって広がっています。
昭和五十五年から三カ年にわたり学術調査が行われ、その結果、奈良県の法隆寺と同じような伽藍配置(建物群の配置)をもつ大きな寺院であったことが分かりました。貴重な史料であることから西条廃寺という名称で兵庫県指定文化財(史跡)になっています。
大陸から仏教が日本に伝わってきたのは六世紀中ごろとされていますが、一世紀を経てこの地方にも仏教が広く浸透していたことを示す事例ともいえるでしょう。
その当時、瓦ぶきの建物は珍しく、高い塔や大きな講堂などは周囲を圧倒するような存在であっただろうと想像できます。この寺院は、おそらくは火災により九世紀に焼失し、再建されずに今日に至っています。
市では平成六年に史跡公園として整備しました。発掘した瓦を再利用して当時の規模がわかるように建物の基壇(基礎部分)を復元しています。隣接して国指定史跡の人塚古墳があります。
この北山公園でさわやかな五月の風を受けながら、はるか古代に思いをはせられてはいかがでしょうか。
- JR加古川線神野駅から徒歩約20分
- 神姫バス山手2丁目から徒歩約5分
第7回 アラベスクホール新人演奏会
今春、音楽系大学を卒業し、これからの活躍が期待される地元出身の音楽家による演奏会です。
- 6月6日(日曜日) 13時30分開演
- ウェルネスパークアラベスクホール
- 入場無料
- 全席自由 整理券不要
第1部 新人演奏
- 奥田 愛(声楽(ソプラノ))、 ピアノ伴奏 桝井英里奈
- 後藤 瀬里奈(声楽(メゾソプラノ))、 ピアノ伴奏 西海 舞
- 佐藤 絵理香(ピアノ)
- 谷 羽月(サクソフォーン)、 ピアノ伴奏 白藤 望
- 津川 智春(声楽(ソプラノ))、 ピアノ伴奏 猪瀬 千裕
- 畑 裕加子(ピアノ)
- 福田 真梨奈(ピアノ)
- 毛利 愛美(フルート)、 ピアノ伴奏 和田 知子
第2部 招待演奏
- 河岸 毅(ピアノ)
問い合わせ先 市ウェルネス協会 電話 424-9395
えんぴつ
今月号から始まった「調査ファイル」「ぶらり加古川史跡放浪記」は楽しんでいただけましたか。
紙面のプチリニューアルと同時に人事異動もあり、私も新たに編集に加わることになりました。入庁して十年、五回目の異動ですが、わくわく半分、不安半分の新一年生のような心持ちです。市の職員としての立場と、二人の子どもを持つ普通のお母さんとしての視点を忘れない紙面作りを心がけたいと思っています。取材や撮影などで、みなさんとお会いできるのが楽しみです。どうぞよろしく! (み)
この記事に関するお問い合わせ先
- みなさまのご意見をお聞かせください
-
更新日:2019年12月23日