加古川じゃらん 「加古川ギュッとメシ」
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 加古川市内は焼肉店が多い。肉の卸や小売りで有名な精肉店も多いし、そういえば加古川市の元祖ご当地グルメ「かつめし」だって、白ご飯の上にのっているのは豚カツではなく牛カツだ。地元の人に話を聞くと、肉そのものだけでなくホルモンに至るまで、様々な食べ方を知っている。(しかもその料理がとても美味しいのだ!) 加古川市では但馬牛の血統を持つ加古川和牛が肥育されているが、兵庫県は日本各地のブランド牛の素牛と言われる但馬牛を筆頭に、神戸牛、三田牛、黒田庄和牛など、とにかくブランド牛の宝庫だ。ブランド牛そのものの品質に加え、その銘柄数も全国トップクラス!そんな「ブランド牛県」の食肉産業を大きく支える施設が、実は加古川市に立つ「加古川食肉センター」である。1873年に創設された歴史あるセンターは、但馬牛や神戸牛といった錚々たるブランド牛を取り扱っており、今も昔もここ加古川市を経由して日本国内の精肉店はもちろん、海外へも出荷されているというから驚きである。加古川市が「牛肉を使いこなす町」というのも納得!ここが兵庫県の食肉産業の「中心地」なのだ。ちなみに、加古川市のふるさと納税(寄付金)の記念品パンフレットには、さまざまな牛肉がずらり!加古川和牛はもちろん、2011年に誕生した加古川市の新たなブランド牛「志方牛」も。中には「加古川和牛1頭」なんて大胆な記念品もある。 そんな加古川市の人々は、昔から肉を美味しく食べる工夫を欠かさない。そのひとつが進物として使われていた味噌漬けの牛肉である。白味噌に味醂などを加えたタレで赤身肉を漬け、樽は力士の化粧回しのように美しく麻縄で締め上げるのが定番で、市内どこの精肉店でも取り扱っていたと言われている。冷蔵技術や輸送の発達などによって20年前頃には姿を消した味噌漬け肉。今回のご当地グルメ開発は、この「おもてなし」の気持ちがこめられた「かつてのご当地グルメ」がベースになっている。当時の味を知る人は「タレの中で熟成された赤身の旨さは、今でも充分通用するのでは」と話す。新・ご当地グルメにギュッ(牛)と詰められた加古川市の歴史と、昔も今も変わらない市民のおもてなしの気持ちをぜひ感じてほしい。牛肉を使いこなす町・加古川で新たなご当地グルメが誕生するまで。▲時間をかけてじっくり育てられる加古川和牛2

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